「酸素飽和度」低下、即入院か

新型コロナ陽性となり自宅や宿泊施設で療養する人には、パルスオキシメーターという機器が貸与され、「酸素飽和度」を計測することになるようだ。「酸素飽和度」は、血液中のヘモグロビンのうち酸素と結合したヘモグロビンの割合を示す数値で、この値が低下してくると通常、息苦しさといった自覚症状が現れるという。


ところが、コロナ禍で「ハッピーハイポキシア(幸せな低酸素現象)」という、低酸素で重症にもかかわらず、患者は元気そうであるケースが増えていると、以下動画(3:16から3:40あたり)で医師が説明している。

同医師は「少し気持ちいい感じになって呼吸困難を感じないため、結果として誤った判断でさらに低酸素が進み、死にいたってしまう可能性が十分にある」と`話し、低酸素状態になったことに気づくためのパルスオキシメーターの数値の読み方を解説している。


コロナ患者の入院調整をしている現場ではこの「酸素飽和度」をどう扱っているのだろうか。大阪府下二つの自治体の担当部署に電話で聞いた。以下その回答。

◆一概には言えないが(担当者の主観も入った回答との前置き)、酸素飽和度の数値が90%を切っても、そこまでしんどそうではない高齢者は少なからずいる。ただ、共通の指標となっているこの数値が低い場合は、患者が元気そうであっても何かあってはいけないとの判断で可能な限り入院させる方向で動くことになると思われる。

◆酸素飽和度の数値だけでなく「発熱」や「しんどさ」などの症状もヒアリングしながら判断する。ただ、酸素飽和度が95%を下回れば、基本的には入院させる方向で動く。


患者の酸素飽和度が一定の値を下回ると、自覚症状よりもそのことを優先させて入院させる方向で現場は動いているようだ。コロナ禍での保健所業務を紹介した以下動画からも同様の傾向が見て取れる。

3:30から4:14あたり、コロナ患者を診断した医師から連絡を受けた職員が入院調整の対応をしている様子が映し出されている。動画中、患者の症状として挙げられているのは「発熱」と「喉の痛み」。たまたま紹介されなかっただけかもしれないが、「息苦しさ」という症状についての言及はない。「低酸素で酸素飽和度が92%しかないから医師はすぐ入院させた方がいいということなので‥」と職員が上司に報告し、入院調整したようだ。



以上のまとめとして、以下2つのことが言えるだろうか。
①酸素飽和度の数値が低くても元気そうに見える人が一定数いる
②酸素飽和度が基準値を下回ると基本的には入院させる方向で現場は動いている

引き続き、「酸素飽和度」関連の情報を収集していきたい。



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