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理学療法士が考える雪道の歩き方講座
おはこんばんにちは。
先日行ったサウナが室内は薄暗くてヴィヒタが設置されていてBGMで小鳥のさえずりが聞こえるという、セルフロウリュウをした後のアロマ水が蒸発する音を聞きながら目を閉じると、まるでフィンランドにいるかのような感覚と幸福感に体を包まれて、ととのいまくった大箭です。
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前回の記事では「諦めたらそこで試合終了ですよ」というテーマで何か成果を出したいと思ったときに継続は必須であるが、どんな場所・環境で継続するかという点が大切であるというお話をした。
今日は、理学療法士が考える雪道歩き講座というテーマで記事を書くことにする。
先日東京に帰ってきたのだが、久しぶりに北海道で雪国暮らしをした中で小さい頃からの何度も転んだ経験から雪道を歩き方は体が覚えているものだなと感じた。
それは雪国暮らしを経験したことがない知人が北海道に来たときに見事に転けまくっていたのを見たからである。
今年は類まれな大雪の年であるとのことで、普段雪が降らない地域の方にお住まいの方も雪が降って滑りそうになったことがあるのではないだろうか。
小股で靴の全面接地を意識したロボット歩き
結論から申し上げると、
小股で靴の全面接地を意識したロボット歩きをすることが滑らないコツである。
今のロボットは滑らかにまるで人間のように歩くロボットもあるみたいであるが、少し前のロボットのような歩き方、つまりは常に膝を曲げながら小股で地面を蹴らない歩き方とでも言えば伝わりやすいだろうか。
床反力の水平方向ベクトルを小さくする
さて、みんな大好き物理の授業であるが、バイオメカニクスから考えると雪道を歩いた際のすべる原因というのは床反力と摩擦係数の関係から考察できる。
床反力とは身体(主には足底)と床の接触部分から生じている反力のことであり、上下方向、左右方向、前後方向の成分に区分される。
通常歩行時の踵が地面に接地した際の床反力を示した図が以下である。
赤い太い線が床反力であり、点線がその床反力を垂直成分と水平成分に分解したものである。
雪道、特に凍っている道で滑る原因となるのは、この図の点線で示した左方向へのベクトルである。
運動方程式 ma=f
から考えると、a=f/mとなり
(水平方向の床反力-摩擦力)÷質量=加速度
と捉えることができる。
札幌の横断歩道の白線部分のつるつる度合いから考えて、仮に摩擦力を0と仮定すると、水平方向の床反力を0にすることができれば加速度は0になる、つまりスリップは生じない。
グリップの効く靴を履くとなぜ滑りにくくなるのかは、この式でいうところの摩擦力が大きくなるから、並大抵の水平方向の床反力が働いたとしてもそれを打ち消してくれるのだ。
水平方向の床反力を0にするとはどのような状態なのか?
それが以下の図である。
この状態は地面に足が全面接地しており、身体軸の中心を床反力が通っている。
この状態を作ることができれば水平方向の床反力は0となり滑ることはない。
ただ、これでは足踏みをすることはできても前に進むことはできない。
そこで可能な限り水平方向の床反力を小さくするための手段として、
・なるべく体の真下に足を着くようにすること(小股)
・靴の裏全体で接地するために、また地面を蹴らないようにするために、膝を上げるように歩くこと(ロボット歩き)
を推奨する。
振り下ろす戦略は二の次
先ほどの、
(水平方向の床反力-摩擦力)÷質量=加速度
という式から、質量を大きくすればいいのではないの?という疑問がここまで読んでくれているであろう数少ない読者の方は持つかもしれない。(ありがとうございますm(__)m)
つまり、足を地面に振り下ろすように着くということである。
もちろんこれができるに越したことはないが、1つ注意して頂きたいのが、
1はどれだけ大きな数で割っても0にはならないということである。
だったら1をどうやったら0にできるかを考えた方がいい。
ここでなるべく強く地面に着こうと意識するあまり、靴の全面接地への意識が疎かになってしまうと、水平方向の床反力を生じかねないリスクがあるのではないかと思う。
あとは地団駄を踏みながら歩いていたらたぶん変な人に間違われて通報されかねない。
結局、雪道や凍った道を歩く時に最強の戦略としては、
小股で靴の全面接地を意識したロボット歩き
なのではないだろうか。
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