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我慢できない人と我慢しすぎる人
カウンセリングをしていると、依存症の方のご相談に対応させていただく機会が多くあります。そういったお話を聴いていく中で、よく登場するのが我慢というワードです。
“依存症”と書きはしましたが、依存症のご相談に限らず様々なご相談内容のテーマでも、この我慢というポイントで多くの方が悩まれています。
もちろん、最初から我慢というワードを用いて相談に来られる方ばかりではありません。カウンセリングを進めていく中で、結果的に我慢する力が関係しているとなる相談内容が多いのです。
・我慢がうまく使えないことで問題が生まれている方
・我慢をうまく止められないことで問題が生まれている方
ご相談に来られる方には、どちらもいらっしゃいます。
我慢をする力も、使い方ひとつで自分を助けてくれるものになれば、少し間違えてしまうと自分を追い込むものになってしまうのです。
カウンセリングで、そのような我慢に関する何らかの偏りや癖が見受けられたときには、不必要な我慢をしていることや、必要な我慢ができていないことに気が付いてもらえることを大切にしています。
依存症の人や、モラハラ、DVなどでご相談に来られる方は、我慢がきかないという自覚を持っておられるため、ご自身の我慢する力に対して問題意識を持つのにあまり時間はかかりません。
ただ、ご相談者様の中には「わたしは我慢強いんです」と仰る方がいらっしゃいます。
適切に我慢する力を使えているという方であればよいのですが、しなくてもいい我慢を続けていることで慢性的なストレスから神経症のような症状が出てしまっていたり、抑うつ状態になっている方には、一旦そこで考えてもらいたいのです。
「その我慢は、果たして続けていくべきものなのか?」という視点を持って頂けるといいのに、とよく感じます。
我慢する力は大切だとよく言われますが、ただ我慢が出来ればいいというものではありません。
我慢する力を育てることはもちろん大事。
そして、その後はもっともっと重要です。
我慢する力をどこで使うのか。
どこで我慢をやめるのか。
それらを我慢の使いどころを間違えると、耐えなくてもいいことを耐え続けてしまうことになります。それはとても怖いことだと思うのです。
忍耐が美徳とされていた時代が長かったせいか、まだそういった風潮が色濃く残っているコミュニティも存在します。
しかし、我慢する力というのは本来、本当に大事な場面で、適切に使っていくことで自分がより良い結果を得るための能力です。
我慢できない人は、
何かを諦める力をつけましょう。
我慢をやめる勇気が持てない人は、
自分次第で状況を変えてしまえることへの不安を解消しましょう。
自分だけで考えるのが難しいときは、カウンセリングを一つのツールとしてご活用下さい。
今日もお読みいただいてありがとうございました。
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