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話し声や音にイライラする聴覚の感覚過敏


✿Hello

こんにちは。
心理カウンセリングCREAR(クレアル)代表
公認心理師で心理カウンセラーの蔵野まどかです。

今日のテーマは
-話し声や音にイライラする聴覚過敏-


私たちは、日常生活の中でいつも何かの音に囲まれながら過ごしています。
時計の針、話し声、電車、車、足音、咳払い、街中のざわつき。その他にも私たちの身の回りには、何気なく過ごしている人にとっては特に意識することもない音がいくつも溢れているんです。
みなさんはこれまで、音に対して苛立ったり、ちょっとした音が気になりだして止まらなくなった経験はありますか?

この記事に辿り着いている方の中には、「自分も特に気になってしまう音があるんだよなー」という人もいらっしゃるかもしれませんね。

今回の記事は、音に関して敏感にストレスを感じる方についてお話をしていきます。ご自分が当てはまる方は勿論、お子様やご家族に当てはまるという場合にも、理解を深めるためのヒントを伝えられるように書いていきますのでぜひ読んでいただきたいと思います。

■ ストレスを感じるちょっとした音、大きな音

・気になる音は人それぞれ

音にストレスを感じると文字にしてしまえば、まず大きな音を想像されるかもしれません。しかし今回取り上げるのは、聴覚が敏感であるが故のストレス。ですから、大きな音に限らず、些細な音が気になって仕方ないということもこのケースではよくあるのです。そして、どんな音が特にしんどいのかは人によって違います。

・理解されづらく、文句を言ってるように捉えられやすい

例えば、誰かがノートをめくる音。ペンや鉛筆で文字を書く音。鼻をすする音。秒針の音。話し声。
こういった音に気が散って、物事に集中できない人もいるんです。ご本人はストレスの正体を分かっているわけですが、やはりそういう音がいちいち気にならない人の方が多いのも事実。その為、音に関して訴えたところであまり理解して貰えないという点が、これからの社会の課題だと感じています。

言われた側もなんだかよくわからない文句を言われたように感じてしまうこともあるようです。こういった辛さを抱える人たちの声が、単なる不満ではなく困りごととして伝えているんだと受け取れる世の中になっていってほしいです。

■ 音に関して異様な嫌がり方が気になったら

赤ちゃんは、大きな音が急に鳴り響けば驚いて泣き出してしまうということはよくある反応ですよね。ただ、成長と共に治まっていくと思われたこれらの反応が大きくなっても治まらないことがあります。

・感覚過敏によるものではないかと様子を見てみる

成長して大人になると、さすがに音へのストレスを常に口に出すことはなくなります。が、それでも音がしんどいことに変わりなく、ノイズキャンセリング機能のついたイヤホンを使うなどで対処されています。

ですが、小さなお子様の場合、特にまだ感覚過敏を疑ってもいないくらいの年齢だと、自分の状態について整理して親に伝えるなどできませんから、単に機嫌が悪いと片付けられていることもありそうですよね。

感覚過敏の幼い子は、掃除機の音、雷、赤ちゃんの泣き声、救急車などのサイレン、犬の鳴き声、まわりの子ども達のざわざわとしたはしゃぎ声。こういった音に対して、耳を塞ぐ行為や「うるさい!」と嫌そうに叫んだりする様子が見られます。
お子さんを見ていて、その子のまわりにある音に対し「普通ではない嫌がり方をするな」と感じることが続くようであれば、聴覚の感覚過敏という可能性が考えられるでしょう。

・ 聴覚の感覚過敏と発達障害

感覚過敏には、突然の大きな音全般を嫌がるケースと、特定の音を嫌がるケースが存在します。
そして感覚過敏に当てはまる子たちの中には、聴覚が過敏であるため優れた音感を持つ子もおり、音楽を聴いて少し音が外れるだけで強い不快感を感じ極端に嫌がる素振りを見せることもあります。

また、音にストレスを感じる人が全員当てはまるわけではないですが、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動症)の特徴としてもこれら感覚過敏の症状が挙げられます。感覚過敏には脳機能の偏りが関係しているとされ、音以外にも、嗅覚や触覚が過敏な場合もあります。

聴覚の感覚過敏は身の周りの騒音が拡大されて聴こえたり、音が響いて乱れたように聴こえるなど、音が気になって他のことに集中できなくなるしんどがあります。音へのしんどさが常につきまとっている…。そう考えると、完全に理解はできなくとも、決して訴えをあしらうことのないようにしたい。そのためにも、周囲の理解や知識を深めていくことが大切になります。

■ 多くの人が生活雑音を気にせず過ごせる理由

・カクテルパーティー効果

私たちは普段、冒頭で述べたように日常で様々な音に囲まれながら過ごしています。
大きな音と呼べるものもたくさん耳にしながら過ごしているはず。
では何故私たちは大きな音にそれほど邪魔されず日常生活が送れているのかというと、それにはカクテルパーティー効果というものが関係しています。

人間の脳は、パーティーのようなたくさんの大きな音や大勢の人の談笑が折り重なる中から、自分の対話する相手の声を選び出して聴きとり、目の前の会話を成り立たせる事ができているのです。

・選択的注意という脳機能

カクテルパーティー効果とは、実際に耳に入ってきている音すべての中から必要な情報を優先して選び、そうでないものを遮断することが出来る、“ 選択的注意 ”という脳の機能による現象をいいます。
私たちは、多くの情報の中から必要な情報を選び出す力である、この選択的注意が働いているおかげで、大きな音が周りにあってもその音に邪魔されることなくやるべきことに集中が出来ています。

この選択的注意が機能して自分たちが気にならない音だからといって、必ずしも目の前の人が同じように気になっていないわけではないということを覚えておいて下さい。

こんな音で?そんなことが?と受け取る前に、一度、相手のことを何も知らないかもという視点から、知ろうとしてみてほしいです。それが他人であろうと、家族であろうと、です。

■まとめ

聴覚の感覚過敏は、選択的注意が障害されている状態。
選択的注意が欠けていることは成長につれて徐々に改善されていきますが、そのままでは完全に改善することは難しいのです。
こういった聴覚過敏などの “ 感覚過敏脳と症状の繋がり・影響 ” に着目しながら、心理面と脳機能などの知識を元に改善に向けてサポートを考えることが大切ではないでしょうか。

特に小さい子の場合は耳を塞いだり「うるさい」と言ったりと、あらゆるカタチで不快であることを訴えますが、どれほどの不快感であるのかを想像することが難しい為、ただワガママを言っているのだと受け取られる事も多いでしょう。

心理カウンセリングCREARでは、訴えをはねのけるのではなく「受け止めてくれる場所があるんだ」と感じてもらえるようにご本人の訴えや感情にしっかりと耳を傾けて、それぞれのペースを大切にしながら関係作りをしていきます。
私でお力になれることがございましたら、ぜひお役に立てれば幸いです。
お気軽にご予約下さい。

See you✿

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