回避依存症と恋愛依存症④~見捨てられ不安と精神的距離が課題~
この記事では、欲求の埋め方の違いによる利害関係の成立から、別れかけても結局別れずに同じことを繰り返す理由についてまとめたいと思います。
前回の記事でもお話ししたように、回避依存症と恋愛依存症は初め、互いに理想的な魅力を感じ強く惹かれ合います。
例えば、回避依存症の「すべてを捧げてくれる愛情が欲しい」という欲求。
それに対し、恋愛依存症の「自分のことを後回しにしてでも相手に尽くす」という点がその欲求を埋められるように、互いに、鍵と鍵穴のようにぴったりとはまってしまうのです。
回避依存症は、すべてを捧げるような愛され方に愛情欲求が満たされますし、主導権を握っていられる関係に安心します。
恋愛依存症の方も、相手のためにしてあげたことを喜んでもらうことで、相手にとって自分が必要であると感じられるため、こちらも安心を得ます。
このように磁石のように惹かれあう二人ですが、関係を続けていくにつれ、相手への不満や態度の変化が表れるようになってきます。
ここで思い出してもらいたいのがこちら。
・回避依存症の「束縛を嫌う・人と親密になることを避けたがる」という特徴
・恋愛依存症の「求められることで安心を覚える」という特徴
・両者の根底に共通する「見捨てられることへの不安」
「好き」が大きくなっていく毎に、恋愛依存症の要求は強くなります。
恋愛依存症は、自分が相手を求めるのと同じように相手にも求められたいと考えます。
それらを感じられないと「見捨てられることへの不安」が出てくるため、回避依存症を「私のこと好きじゃないの?」等と問い詰めるようになったり、安心したいがために色々な言葉や態度を欲しがるようになるのです。
回避依存症はそれらを受け、恋愛依存症の要求の強さに窮屈感を覚え始めます。
問い詰められ、求められるという事が増えていくと、束縛されているように感じてくるのでその環境から逃げ出したくてたまらなくなります。それが、どんどんと恋愛依存症者に対して冷たい態度になっていく原因です。
そうなると恋愛依存症は、自分を求めてもらえなくなることで自分の存在価値を感じられなくなります。そのことに疲れて恋愛依存症者が離れていこうとすると、次は回避依存症者の「見捨てられることへの不安」が出てきます。
その不安を解消するため、もう一度自分の方へ相手の興味を戻したいという心理になる回避依存症は、最近までのそっけない態度を一変させるのです。恋愛当初のような優しく理想的な人物を演じ、相手の愛情を自分へ向けることに一生懸命になります。
すると、離れようと思っていた恋愛依存症者は「やっぱり自分のことをこんなに大切にしてくれる人はいない」と感じ、結局離れずに一緒にいることを選びます。
ただ、そうして相手の心を自分の方へ向けさせたら回避依存症は安心して態度は元通り。自分へ向け直させた相手の要求や束縛がまたしんどくなっていき、逃げたくなるので同じことの繰り返しが起こります。
お互いの見捨てられ不安によって、別れかけても結局別れずに同じことを繰り返すというのが、回避依存症と恋愛依存症の恋愛でなかなか離れられない理由なのですね。
4つの記事に分けてご紹介してきましたが、今回が最後の記事です。
回避依存症にも恋愛依存症にも言えることは、恋人との程よい距離感を
身につける必要があるということ。
これは、物理的な意味合いではなく、精神的な距離を指します。
回避依存症は離れすぎていますし、恋愛依存症は近すぎます。
程よい距離感を持てることで、自分と相手、それぞれを尊重した関係の築き方ができるようになっていきます。
別れた方がいいと思っているのに別れられない。
ちゃんと愛されているか分からなくて辛い。
恋人との別れ話、同じことを繰り返してる。
そういう状況から一歩踏み出す勇気が欲しいという方はずるずると同じ状況を続けがちです。いつか彼が、彼女が、変わってくれることを待っているあなたは、一度自分の幸せな恋愛は本来どういうものかを考えることが大切かもしれません。
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