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失恋、街の影に溶けて、まぎれて。
こんなにアッサリとフラれるものなのか。
3年振り、数え切れないほどぶりの失恋。
もう1ヶ月経つのか、早いな。
1ヶ月前の夜、ニュータンタンメンとチャーハン、餃子を生ビールで流し込んでご満悦で帰り、スマホをみたら彼女からのLINE。
ありがとう、さようなら。
句読点を含んで、12文字。
暗い部屋に淡くスマホの画面。
感謝からの、別れ。この脈絡のなさよ。
あぁ、淡々と流れていく日々が戻るのか。
こうやって、その時の気持ちを言葉に起こすのはそう容易いものでは無い。
「失恋」なんて、生きていれば少なからず通るであろう古代~現代まで、古今東西、こころの通過儀礼だ。
こうやって、子供は大人になるのだろうが、何段もの階段を踏み外し、落ちていく(堕ちていく)人間もいるのも、儀礼なのかもしれない。
見えない「こころ」を粉にして、壊し壊され、それでも。
ひとりになると、誰かに寄り添いたくなる。
しかし、この世界でソーシャルディスタンスだ何だと叫ばれてはいるが、こころのディスタンスはずっと昔からある。
寄り添えないなら、紛れてしまえ。
誰ともわからない、人の波に飲まれよう。
それで、温もりの一片を感じられたら、それでも構わない。
そして、路地裏の街の影に溶けて消える。