で人生はつづくTXTハピエバ自由研究
TXTが3rdフルアルバム「FREEFALL」で待望のカムバ!今日はダンスチャレンジでも大人気の収録曲「Happily ever after」通称「ハピエバ」について調べてみました!
とりあえず打ち込んでみた↓
出詐欺(出詐欺)で申し訳ありません。このブログはハピエバ狂がハピエバについて、おそらくこんな音が使われているのではないか…ということを考えたり調べたりした記録です。と、その感想です。
おわびとごあんない
・楽器経験のない素人によって書かれています
・足りない部分や間違っている部分があるかと思いますが、どうかご寛容にもご容赦いただけますとさいわいです
・伝わってほしいことを優先した表記とボイシングを含んでいます
・(調べたことと主観をできうる限り分けたかったので)前後半で「調べた編」「お気持ち編」に分かれております
・ありがたくもお目にとまったところがあれば、そちらだけでも!楽しんでいただけたらうれしいです
調べた編
2516進行
おそらくE♭メジャーと思われます。
なんとなくルート(≒ベース音・ピアノの左手の一番低い音)から推測すると、このような進行になりました。
使われていそうな、和音同士のつながりの例をみてみます(ちなみに:二つ目に出てくる「5」の音には「ドミナント」という別名があります)。
5番の音=ドミナントは1番の音が大好きで、5番→1番の動きは「解決した感」「終わった感」を感じさせます。「5でお辞儀→1で戻る」の動きとも説明されます。この動きは「ドミナントモーション」と呼ばれます。
気がつけばいつでもどこでもくっついている5番と1番。まるでコムタクチズのおふたりのようです。(急な主観)
コムタ…「ドミナントモーション」ほか、よくあるパターンでスムーズに繋がった進行といえそうです。
どちらかといえばジャズなどおしゃれな雰囲気の曲で使われる傾向が高そうですが、それにとどまらず広く愛される進行であることがうかがえます。
また山下達郎はこの進行を「きれいなメロディがつけやすい進行」と話していて、「Daydream(1980)」「LOVELAND, ISLAND(1982)」ほかいろんな曲で使っているそうです。
セカンダリードミナント
もうひとつ進行に含まれていそうな要素として、「セカンダリードミナント」が思い浮かびました。先ほどまでの2516進行を「セカンダリードミナントなし」「セカンダリードミナントあり」で打ち込んでみます。
("listen on browser"をタップしていただけるとこの画面上から音が鳴ります)
①セカンダリードミナントなし↓
②セカンダリードミナントあり↓
「Cm7」だったところが「C7」になり、少しだけ響きが変わりました。この仕組みをみていきます。
一瞬だけキーの外に出る(転調する)ことで、予想外な響きを作っているといえそうです。このように転調先から持って帰ってきた、いわば「おみやげの5番」の音のことをセカンダリードミナントといいます。
この進行と同じように、「6→2」の位置にセカンダリードミナントの「5→1」を持ってくる曲を探して、該当箇所を打ち込んでみました。
い…いかがでしたでしょうか……
メロディとテンション
つぎに、メロディと、その中に含まれるテンションという音を調べてみます。
「oh my god~」からの4小節です。「ソ・ソ・ファ シレ|ソファソファ」と、少ーしずつ下がっていく感じのメロディですね。この降りていく音を丸で囲むと、「おーまい」のソと、「らいふぃず」のファ、そして「(ふぇ)あ(り)て」のミ♭の3つの音はコードには含まれていないことがわかります。このように、基本の3,4和音には含まれない音をテンションといい、響きを厚く豊かにするために使われます。
先ほどまでの進行にテンションを足すとともに、音の流れを少しなめらかにしたものを打ち込みました。
少しちがった響きになりました。
Bメロ?の、「wow とわちぇく とぽど(동화책을 덮어도)」の部分でも、テンションが印象的にメロディに使われています。
今度は同じコードの上に、メロディ2種類を打ち込みました。
ひとつは「テンションありの元々のメロディ」、もうひとつは「テンションなし・和音にある音だけで勝手に適当に作ったメロディ」です。
テンションありの元々のメロディ
テンションなしで勝手に作ったメロディ
(再度謹んでおわび申し上げますとともに)このような違いが確認できました。
調べた編終わります。ありがとうございます。
お気持ち編
ひきつづきのお付き合い本当にありがとうございます!
ここからはとても主観的なことを書きます。
調べたりする前の感想と解釈
(ありがたくも過去記事を読んでくださったかたには繰り返しになってしまってすみません…)
アルバムで一番心を持っていかれる曲です。
明るい曲で可愛い振り付けで「めでたしめでたし」というタイトルで、いや〜大団円だね!みんな幸せでよかったね!
みたいな安直を「永遠にNO "happily ever after"」と全部ひっくり返す歌詞が狂おしいほど好きです。
わたくしの中のハピエバは、「ハッピー・サッド」「泣き笑い」「空元気」「躁」「明るく情緒不安定」な曲です。
エッやば、人生ってまだあるんだわ、めでたせないんだわ、しかもこの続き自分で書かなきゃなんだ、は〜〜〜、そうですか、まー、まあまあ、でもわかんないぐらいがいいんじゃん?★
ってすごいタフで頼りある結論だと思うんですけど、同時に、「えっ逆に大丈夫…?(いやでもこういうのは聞いたアカンやつ…)」みたいなのもある。とはいえそう感じ取られるくらいには自分も同じく不安なので、なおさら何もできないんだよな。一生「いいね」でやりとり。
SNS的なこともちょっと考えました。
少なからぬひとがもうツイッターないと生きていけないんだけど、その時もうどうしようもなく誰のせいでもなくお互いをコンテンツ=物語だと思わされてしまってることがある気がします。
ちょっとした泣き言にも「オチ」をつけようとしたりとか、こういうことを思ったけど嫌な人もいるだろうしやめとこ…とかあります。
もちろんそのほうがいいときもたくさんあると思います。人目を気にせず言いたいことを言え!っていう人にとっての現実は、わたくしたちのそれとは違うでしょう。どっちかに振り切れることはないような気がします。
ただ、他人をコンテンツだと思わされているから、自分もコンテンツになりに行ってしまうことがある。心が動いてるのに、検閲を通したら、一言も残らないときがある。
そうじゃなくない?オチがあるからその人のこと好きなわけじゃないよ。って言ってくれてる、みたいな、ことを、勝手に感じました。
わたくしにとっていちばん「現実的」な曲かもしれないです。
進行とかについて
良くも悪くもすさまじくアッパーでずっと笑顔がみなぎってて息をつけるところがなくて心の不安を勢いでカバー。みたいな音だと思いました。
もしかするとこの曲でネバーランドで「音楽を止めるな」「終わることのないダンスを」てやってたとしてもかっこいいと思うのですが、さすがのひねくれぶり(本当に大好き)で、全然そんなイージーな安寧に身を許したりしないところが好きです。「終わらない」のが「人生」なのタフすぎる。人間すぎる。好きすぎる(結局歌詞に戻る)
メロディだけ放り出されるみたいな終わり方も好きです。ならどういう和音をつければ綺麗に終わるのか考えようとして、普通に考えればこう終わるしかないと思うんですけど、散々堂々巡りの進行を聴いているので耳にのこりすぎて終わる気がしないんだよな。ならどういう和音を(以下ループ)(オーマイガ♪)
メロディとテンションについて
メロディにテンションがいっぱい入っていることに気づいた時ちょっと感動しました。でも普通にあるあるかもしれない。きれいなメロディだからテンションが映えているのか、テンションが含まれているからきれいなのか、たぶん後者のような気がしますが、結局よくわかりませんでした。いかがでしたか?!()
テンションを【緊張感や浮遊感を与える音】とする説明もあって、うわっと思いました。テンションもこの「地に足つかなさ」に一役買っている、のかもしれない。
11thというテンションをつけたコードのそっくりさんで、これまた山下達郎ご用達の「sus4」という、その語源を”suspended(吊られた)”にもつコードがあるらしいです。
思わず「空から落ちてきたんだけど何かに引っかかってサスペンダー1本で宙吊りにぶら下げられてもはや前とか後ろとかの話ではなくなっているハピエバくん」みたいな絵が浮かびました。衣装に持っていかれすぎ。
あと音楽用語って本当にかっこいい。𝘊𝘈𝘕𝘔𝘈𝘒𝘌 𝘛𝘖𝘒𝘠𝘖
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節子、ハピエバはシティポップやない
ないんですけど、山下達郎が出てきた(?)時にどうしても思い出してしまいました。
ウィバーズマガジンでヨンジュンさんが「日本のシティ・ポップにハマって」いるとして中森明菜「OH NO, OH YES!」(1986,竹内まりや作曲)を紹介されていたり、ウィバースコンではオムジョンファ「Invitation」(1998)のカバーをされていたりしたやつ。
は〜、シティポップバージョンか、いいですね…っていう夢が広がりすぎて30秒だけ作った。無料ソフトによるスーパーのBGMみたいな音なんですが、よかったらご笑納ください。
なんかこういうリズミカル?なギター?(なにもわかっていない)すごいかっこいいスよねっていう憧れからうまれました。山下達郎の「someday」とかやってくれ〜。「一人じゃなくなり」とかさ。言ってるしさ。ね。(圧)
これを書いている時にたまたま2023年4月に公開された「SPARKLE」のMVを遅まきながら見つけてしまい、なんか初めて聴いたかのような気持ちになって、ほとんど中毒のようになった。あの曲で何が起きているのか何もわからんすぎる。わたくしは「SPARKLE」に一生置いていかれ続けるのである。そしてこれが生まれました。は〜。パンPD見てたらシティポップバイトゥゲザーやってください。マジで。助けて。
落下とセカンダリードミナント
話が前後して恐縮なのですが、セカンダリードミナントもとても好きな音のひとつです。個人的には、「人間らしい矛盾」「温もりの中のやわらかなもろさ/弱さ」「切なさを隠しもった爽やかさ」「記憶と、それを愛するための距離と時間」のようなイメージがあります。ラブソーもハピネスもボーイフレンドも打ち込んでてやはりとても美しいと感じました。
ハピエバに感じる「泣き笑い」バイブスはかなりの割合でこの音から来ているのではないか…?と思います。
セカンダリードミナントといういかにもかっこいい名前なんですけど、すごい複雑かというとそうではなくて、この曲でいうと「ドミ♭ソシ♭」(Cm7)が「ドミソシ♭」(C7/セカンダリードミナント)になるかどうか、つまり、たった鍵盤0.5個分上がるかどうかの違いしかありません。
なぜ普通に進まずに、わざわざそんなちょっとしたことをするのか。
完全に主観でこじつけなのですが、「セオリー通りのCm7」がいわば「暗い落ち着き」であるのに対し、半音だけ"上がった"音を含むC7が「ちょっとの裏切り・明るさ・推進」であるからではないか。
C7が聴こえることで、「少しだけど浮上してる」「とりあえず持ち直してる」のような印象をうけているのではないか。
と思いました。
あとハピエバって思った以上に(?)、「落ちる」「降りる」「下がる」「下降する」効果音みたいな音が鳴ってますね。
0:34 그 후로 오래 행복했었대(くふろおれ へんぼっけっそって)
0:58 영원히 no happily ever after(ようぉにのはぴりえばあふた)
1:36 써 내려갈 얘기 내가 만들어 가 다(そねりょがえぎねが/まんどぅろ か た)
すぐ落ちる。よく落ちる。洗剤なら優勝。
すぐ落ちるからなおさら、このセカンダリードミナントの「ちょっとだけ上がる」音をかっこえ〜と思います。
息つく暇もないスピード感で1小節ごとに緊張と緩和を繰り返してすごい速さで落ちたり持ち直したりして始まったばかりのオチのない毎日を勢いでカバーして過ごしているのかもしれない。そうだったら熱い。それで「太陽さん、おはよう!今日もいい言葉が浮かんできたぞ!」とか言ってたらあらゆる意味で愛おしすぎ。
こんだけ勝手なこと言って実はセカンダリードミナント使ってなかったらどうしようという不安もぜんぶ抱えて引き続き宙ぶらりんでいようと思います。
ありがとうございました
というわけで、オチが思い浮かばなかったので終わります。少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
本当に本当にありがとうございました!
特にお世話になった動画/ページ(敬称略)
動画
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taka-musictheory / ■エモさを与えるセカンダリードミナント<セカンダリードミナントのパターンをすべて調べてみた> ←本当にすごい
よねごん / 初カムバ、色々体験してみての振り返り。 ←ハピエバ解釈がすてきすぎてウオ〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ありがとうございました!
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