映画「主戦場」から考えたこと

先日、大学で映画「主戦場」の上映会があって、参加してきました。
これまで講演会などで何度も耳にしたことがあった「主戦場」を、ついに見ることができる機会だと思い、るんるんで参加してきました。

あらすじ等はここで書くまでもないとは思うんですが、池田なりに考えたことを何点かまとめていこうと思います。

先入観

そもそも池田は従軍「慰安婦」問題にそんなに明るいわけでもなく、なんとなくそういう問題があって、訴訟が起きていて、でも日韓合意はすでに行われていて、少女像が何かしらの問題の火種になっている、という曖昧な認識しか持っていなかったというのが、正直なところです。

でもこの映画は、初心者にもわかりやすく、なにが問題なのか、論点はどこか、双方の意見はどうなのかをはっきりと解説してくれていたため、自分の中で理解しながら見ていくことができ、ある意味で楽しみながら見ることができました。

ただ、登場した人物の一人に自民党衆議院議員の杉田水脈氏がいたことが自分の中の固定観念というか、先入観を引き立ててしまったな、とは思いました。昨今その強烈な思想の強さから様々なことで話題になっている杉田氏なので、彼女のあの半笑いの顔 (「私の言っていること理解できますか?私の意見が正しいんです」とでも言いたげな、あの顔!!)で言っていることを素直に受け止められない自分がいます。よくないね(笑)
誰の意見であっても、平等に尊重されるべきなのに、どうしても入ってこないいいいい(笑)

少し気になったのは、「歴史修正主義」(映画内でそう表現されていた)人たちは、みな一様に半笑いで話している印象を受けました。それが少し気分が悪かったですかね。もとからそういう顔なんだったらすみません、、、

人権の問題

対照的に、「慰安婦」の支援を訴えている人たちは、とても真剣な目、ある種の怒りを孕んだような目をして訴えていた印象です。そして何より心に残っているのは、「これは政治的な問題ではなく、人権の問題だ」という言葉です。「私たちの集会に国旗は持ち込まないでほしい。支援のシンボルである、黄色い蝶の旗を。」と。

池田の中でこの問題はかなり政治的な問題だという認識でした。複雑な日韓関係を紐解いていくと必ず出てくる印象で、どうしてもぬぐえない政治課題だと思っていました。
だからこそ、映画の中で言われていた「人権の問題」という言葉にハッとさせられたというか、この問題に接する際に気を付けないといけない主眼を突きつけられた気がして、心にズンと、重く重く響きました。

私の考える「問題点」

池田の考える、この問題における問題点は大きく2つあると考えます。

1つ目。日本人の「他人事」感。
映画内でも、韓国の少女像の前で、その像の意味を「知らなぁ~い」と笑いながら言う若い女性の映像がありましたが、私を含めた日本人の「他人事感」は看過できないものがあると思います。むしろ「また韓国がなにか言っている」といったような風潮すら感じることも多々。やはりそこには「政治の問題」「過去の問題」「自分とは遠いところの問題」という意識が潜んでいるのだと思います。先述したように、これは政治的な問題ではなく、今も続く人権の問題であり、自分の暮らす国が行ったことです。自分事として、少なくとも敬遠しない姿勢を持つことが第一歩だと強く感じています。

2つ目。政治家の認識の問題。
こーーーーれはなかなか大きな問題だと思います。すぐにどうにかできる問題ではないから。ニュースで、「首相が靖国参拝」って言っているのをいかに危機感をもって反応できるか、とか、選挙でどう投票行動するか、とか結局は自分の行動で中長期的に変えていくしかないのかなあ、と。

そして何より、いまの政治家たちの、日本会議を中心としたつながりによって、いまの日本が動いているという事実に驚きと、怒りと、呆れと、ぐちゃぐちゃです。一方ではこの人権問題に正面から向き合い、「ハルモニ(おばあさん)」たちの声に耳を傾け、怒りの目で訴えている人がいるのに、その反対では過去に戻ろうと言わんばかりの思想のもとに、あいまいな認識とデータで、(半笑いで)国を動かしている人たちがいるこの状況は、どうしたら変えれるんでしょう、、

おわりに

池田が最近最近よく聞いてる歌は、セカオワの「周波数」という歌です。歌詞もメロディーもなかなかよくて、特に2番終わった後のピアノソロがすっごくきれいでいつも感動してるんですけど、その歌詞に、映画のナレーションと全く同じ文言が入っていて、ひとりで鳥肌立ててました(笑)

「『証拠がない』は、ないことの証明じゃない」

という一文。短いけど、メッセージ性の強い文章ですよね。
「歴史修正主義」陣営のみなさまは、こぞって「証拠がない」と言います。でもそれは決して「ないことの証明」ではないし、なんの根拠でもないんですよね。映画見ながら、勝手にBGMで「周波数」を流しながら見入った、あっという間の2時間でした。みんなもセカオワ聞いてみてね。
考えれば考えるほど、あとからパンチのきいてくる重量級映画だったので、機会があればぜひ2回目3回目も見たいなあと思える映画でした。

というわけで長々話してしまいましたが、ここまで2000字も読んでくれてありがとうございました。

ほいじゃあまたね。

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