初めての採卵、胚移植
クリニックに通院するようなりすぐにフーナーテストを行った。フーナーテストの結果、精子はゼロ。その後精液検査も行ったのだが、私が思っていたよりも良くない結果だった。本音で言えば少しはいるのかなぁ、いてほしいと思っていた。医師からは薬と漢方薬を処方され、夫は毎日服用することになった。その後、人工受精を1度行ったが陰性。正直、もしかして‥と期待してしまっていた分、ショックも大きかった。医師からは夫の精子の状態、私の低AMHを踏まえて体外受精を検討してみてはどうかと話があった。
ステップアップしてみようという気持ちが大きく、体外受精へ。まずは、採卵。卵を育てるために連日のように内服。内診、注射の為クリニックに通った。採卵結果は2つ。夫の精子の状態が良くなかったようで、顕微受精。1つは無事正常受精し凍結することになった。初めての採卵は未成熟卵も多く、1つの凍結胚に少し複雑な思いもあった。これが低AMHってことなのか‥。でも、1つの卵さんが頑張ってくれたのだから私も頑張らないとなという思いも出てきて、胚移植への準備を進めていくことにした。
初めての胚移植。とにかく緊張、緊張、その一言しかない。通院しているクリニックでは胚移植時に尿をためておくようにと指示があり初めてのことでどの位ためておくべきなのか感覚がつかめなかった。いざ、移植。おかえり、卵さん。っと思っていたが、あれ、なかなか終わらないよう。もしかして、卵さんに何かあったのではないかと不安になる。どうやら私の子宮の向きが難らしく時間がかかってしまったよう。(後のラミケンの処置時にも医師が入らない、入らないと口にしているのが聞こえてしまった)無事移植。胚移植後は、何とも言えない不思議な気分になった。お腹の中に卵さんがいるとほんわか、愛おしく思えた。
判定日までゆっくり、リラックスと思っていたがちょうどこの時期はとにかく忙しい時期だった。シフト勤務の上、担当していた仕事も重なり残業も多く睡眠はしっかり取れなかった。普段あまりイライラすることはないが、職場内での色々なことも重なり、仕事の不安が大きくストレスも感じていた。
判定日当日を迎え、採血をし結果が出るまで1時間。その間、ファミレスに入り祈るような気持ちで時間を過ごした。クリニックに行きたいような、行きたくないような複雑な思いでクリニックへ戻った。戻ってしばらくし、名前を呼ばれ結果を聞く。この時の心臓のドキドキがすごい。スタッフの方にも聞こえてしまうのではないかという程のドキドキの中、「今回は残念ですが‥」と。一瞬、時が止まった。「hcgの値はゼロでした」ギュッと胸が苦しくなり、涙が出そうになったが我慢した。ショックだった、悲しかった。心の中で妊娠出来るのではないかと期待してしまっていたのだと思う。クリニックを後にして、夫に判定報告のLINEをした。すぐに返事がきてやりとりが出来たことで少しホッとした。本当はすぐに自宅に帰りたかったのだか、この日は月1の会議の日。午後休をもらってのクリニックだったので、会議開始時間には戻ることになっていた。何とも言えない気持ちのまま職場へ戻り、何事もなかったかのように会議に参加した。