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大人になるということ
子供はいつから大人に?
そんな疑問に、20歳を過ぎたら!といってしまえば、簡単に終わる。
子供の頃、大人とはどんな感じかよく考えた。
背が伸びて、好きなものを好きなだけ買えて、
自分で決めて自分で動ける
そんな自由が待っているものだと。
たが、そもそも大人になったと実感するのは、案外曖昧なものだった。
曖昧なものの、「ああ、自分はもう大人なんだ」と思うことがある。
お金を出して水を買うようになったこと。
「健康」を気にするようになったこと。
脂物が食べられなくなったこと。などなど
また、スポーツ観戦をしていると、活躍している選手たちが、みんな自分より年下だと気づいた瞬間。
昔は彼らのようなヒーローを目指していたのに、今は彼らを応援する側にいる。
その気づきには少し寂しさがあるけれど、それも年を重ねるということなのだろう。
大人になることは、必ずしも「自由で楽しい」わけでは全くなかった。
社会という大海原に飛び出してみると、思いもよらない現実が待っている。
理不尽や不正、不公平。それに対する怒りや悔しさを飲み込む瞬間が、きっと誰にも1度はあるだろう。
純粋な善意が利用されることもある。
責任を押し付けられたり、信じていたものに裏切られることも。
「100%信頼できるのは自分だけだ」と気づいた時のショックは、言葉では表せないほど大きい。
そんな厳しい現実を知った時、ふと思う。
大人なんて存在しないのかもしれない、と。
誰もが同じように悩み、迷い、失敗しながらも、一生懸命前に進もうとしているだけなのかもしれない。
大人になるというのは、社会の冷たさや不条理を知りつつも、前を向き続ける力を身に付けることだと僕は思う。
振り返ってみて、自分がどれだけ歩いてきたかを感じながら、まだ続く道を進む。
そこに苦しみや葛藤だけでなく、新しい発見や景色が待っていることも多い。
大人になることは、決して「終わり」ではなく、むしろ、常に新しい始まりの連続でもある気がする。
そして大人は「すでに完成された存在」だと思っていたけれど、
実際は、みんな不完全なままそれでも前に進んでいる。
そこには、確かに困難もあるけれど、それ以上に自分だけの「道」を作り続ける楽しさがある。
大人になるということは、歩き続けるということ。そして、そこで新しい景色を見つけるということだと僕は思う。