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ウマ娘:サポートカードのサポート効果についての話

■はじめに

 この記事は具体的に何が強い・弱いということを書いた記事ではないです。その強い・弱いという評価をする基準をどのように設定するか、という考え方の話をします。

■トレーニング系評価の3×3

 サポートカード(以下SC)選択で一番重要な基準は「そのSCはどのぐらいトレーニング(以下練習)の効果を上げるか?」です。ステータス(以下ステ)さえ高ければ育成シナリオは突破できるし、逆にステが足りないなら戦う土俵にすら上がれません。
 練習に影響するサポート効果は以下の通りです。大きく3つの「系統」に分けられるので、系統ごとに考えていきます。

◆練習の基礎値に加算するもの
 ▼各ステのボーナス(スピード、スタミナ、パワー、根性、賢さ)
◆練習の効果を乗算するもの
 ▼友情ボーナスアップ
 ▼やる気効果アップ
 ▼トレーニング効果アップ
◆友情トレーニング発生に影響するもの
 ▼初期絆ゲージアップ
 ▼得意率アップ

◆練習の基礎値に加算するもの

 練習はLVを上げるほど、ステ上昇量が上がります(以下参照)。そのステ上昇量に「加算」されるのが、各種ステのボーナスです。
 正確にはスキルPt.アップもこれに含まれるのですが、スキルPt.ボーナスによる補正は、レースボーナスやスキルのヒントLVで稼げる量に比べて微差ですので、ここでは考慮しません。

・スピード1LV:【スピード】+10、【パワー】+5
・スピード5LV:【スピード】+14、【パワー】+7

 このゲームの基礎知識として「練習の種類を絞って、練習LVを集中的に上げる」重要性は広く知られています。
 ステボーナスは、練習LV+1=練習4回=休憩を含めて5~6ターン分に相当するアドバンテージがあると言えるわけです。(育成時の選択肢を「ステータス上昇量」および「ターン数」に換算して定量的に評価するのは大事なことです)
 とくに、練習で「メインで上昇するステ」ではないほう(スピード練習なら【パワー】、スタミナ練習なら【根性】)のボーナスの場合、練習LVによる上昇量が低いからこそ、その影響は大きいです。

 具体的には〈SRキングヘイロー〉や、メインシナリオで貰える〈SSRメジロマックイーン〉は、【スピード】と【パワー】、【スタミナ】と【根性】の両方にボーナスが乗るのでとても優秀です。

◆練習の効果を乗算するもの

 上述の「練習の基礎値」に、倍率で補正を掛けるのが「友情ボーナス」「やる気効果」「トレーニング効果」の3つです。SC性能の「三種の神器」と呼んでも差し支えないでしょう。

 フレンドポイント交換の〈SSRハルウララ〉や、イベント配布の〈SSRスペシャルウィーク〉は、この「三種の神器」がいずれも高性能で、とても頼りになります――後述する問題点を解決できれば、ですが。

▼友情ボーナスアップ

 友情ボーナスアップは、友情トレーニング発生時にかかる補正です。最低でも15%、練習性能の高いSCならば30%以上(たとえば〈SSRウオッカ〉なら35%+固有ボーナス10%の補正)という大きな補正がかかります。
 ステ育成において一番重要なサポート効果であり、友情ボーナスアップの高さ=練習性能の高さ、と言い換えてもいいぐらいです。

 これは、補正量の大きさだけでなく、複数のSCが同じ練習に重なった時、「やる気効果アップ」や「トレーニング効果アップ」は補正値が加算されるが、「友情トレーニングアップ」は補正値が乗算されるという性質によるものです。
 たとえば「トレーニング効果アップ+15%」が3枚重なっても+45%ですが、「友情ボーナスアップ+15%」が3枚重なったなら+52%の補正になるわけです。(そして友情ボーナスアップはトレーニング効果アップより補正量自体が大きいです)

▼やる気効果アップ

 やる気効果アップは、「やる気によるトレーニング補正効果」にかかる補正です。
 少しややこしいので具体的に説明します。たとえばウマ娘が「絶好調」の時、練習の効果量には20%の補正がかかります。そして、その練習のやる気効果アップが50%の場合、「絶好調」による影響「練習の効果量に+20%」が50%アップ(つまり+30%)になります。
 なので、一見大きな数字が並びますが、見かけほど大きな補正にはなりません。

▼トレーニング効果アップ

 トレーニング効果アップは、SCと一緒に練習した時にかかる補正です。たとえば〈SSRビコーペガサス〉なら15%+固有ボーナス5%の補正がかかります。これは並みの友情トレーニングを上回る補正値です。
 補正量はそれほど大きくありませんが、友情トレーニングのように「絆ゲージがオレンジ色になっている」や「練習の種類が一致している」のような条件がなく、しかも前述の2つとは乗算の関係になる縁の下の力持ちです。
 練習の種類は二種類ほどに絞って行うのがセオリーですが、その「逆側」にSCが来た時に無駄にならないというのは、大事な要素です。

◆友情トレーニング発生に影響するもの

 友情ボーナスアップ=練習性能、という極論を前述しました。
 その極論を前提に考えるなら、ステータスの伸びやすいSC編成において一番重要なのは、(複数のSCが重なった)友情トレーニングをより多く踏める可能性を高めることです。
 ですので、友情トレーニング発生の条件である「絆ゲージがオレンジ色になっている」と「練習の種類が一致している」を満たすための性能もまた、間接的・副作用的に練習性能の高さである、と言えます。

▼初期絆ゲージアップ

 初期絆ゲージアップは「絆ゲージがオレンジ色になる」までにかかるターン数を減少してくれます。
 たとえば、イベント配布の〈SRナイスネイチャ〉は、初期絆ゲージ30に加えて、連続イベントの最初で絆ゲージ+20できます。一度SCがある練習をするたびに絆ゲージ+7されるので、およそ5回(=5ターン)の練習で友情トレーニングに到達できます。
 初期絆ゲージが0なら、友情トレーニング発生までにかかる練習回数は12回となりますから、初期絆ゲージ(実質)50は、友情トレーニングできるチャンスを7回分増やす、ということになります。
(もちろん、このターン数はイベント発生時やヒント発生時の絆ゲージ上昇で減少できますが、他のSCとの性能差という意味で、目安にはなります)

 前述した〈SSRハルウララ〉や、イベント配布の〈SSRスペシャルウィーク〉は、この初期絆ゲージが低く、練習性能の高さを発揮するまでに時間がかかるのが、ほかの練習性能で名高いSCと比べた欠点になります。

 先に触れた通り、ヒント発生率アップも、絆ゲージ上昇のターン数に影響するのですが、計算に組み込みにくい(発生率アップが高くても実効値は10%程度のようなので、絆ゲージ的には誤差)ので無視しています。

▼得意率アップ

 得意率アップは、「練習の種類が一致している」ために、SCが得意な練習に来る確率を上げてくれます。

 「やる気効果アップ」のような補正値に補正をかけるタイプのボーナスなので、見た目ほど実際の補正量は大きくなりません。
 たとえば、〈SSRメジロマックイーン〉は得意率アップ50%。スタミナに配置される確率が、本来なら均等に20%と仮定して(どこにもこない確率があるので実際はもう少し低いです)、サポート効果で30%になります。
 50%という数値から直観的に「半分の確率でスタミナに来るだろう」という印象で捉えていると、印象ほどの性能ではないように感じてしまいます。

 ですが、その+10%は、具体的に何回分でしょうか?
 たとえば、3年間=72ターンのうち、育成目標に割くターン数が(計算しやすく)12ターンとして、残り60ターン。体力的に「練習2回に休憩1回」を1サイクルとして20サイクル=40回の練習ができます。40回中、得意ステに来る回数は20%⇒8回、30%⇒12回。4回分の差は、かなりステータスに響きます。

 もう少し、実践的な確率・回数の話をしてみましょう。
 たとえば、【スピード】4枚+【スタミナ】2枚を編成して育成をします。それぞれの得意率アップがなし(=実効値20%)と、50%アップ(=実効値30%)で、得意な練習にSCが集まる枚数・確率はどうなるでしょう?
 以下がその枚数・確率です。複数枚のSCで友情トレーニングする、という前述の条件を満たす可能性が【スピード】で18%⇒約35%、【スタミナ】で4%⇒9%と、それぞれおよそ2倍になっています。まさに50%アップ!

【スピード】
0枚 なし:41.0% 50%アップ:24.0%
1枚 なし:41.0% 50%アップ:41.2%
2枚 なし:15.4% 50%アップ:26.5%
3枚 なし:2.6% 50%アップ:7.6%
4枚 なし:0.2% 50%アップ:0.8%

【スタミナ】
0枚 なし:64.0% 50%アップ:49%
1枚 なし:32.0% 50%アップ:42%
2枚 なし:4.0% 50%アップ:9%

 得意率アップは見かけの派手な数値に反して、実際の補正値は小さいです。ですが、実際に期待している出来事が起こる確率は、見かけ相当に高めてくれるということが分かります。

■トレーニングに関係しないこと

 SCには、練習およびステに影響しない要素もあります。

◆初期ステータスアップ

 初期ステータスアップは、あまり重要なサポート効果ではない、と言ってしまっていいでしょう。

 たとえば、2021/07/04現在、もっともスピードアップの効果が高い〈SSRカワカミプリンセス〉でも【スピード】+45。因子の継承1回分、あるいは友情トレーニング1回分で無くなってしまう程度のアドバンテージだからです。
 また、因子の継承は、練習で伸ばすステとは別のステを伸ばして、練習で伸ばせないステを補うことが期待できます。SCの初期ステータスアップでは、「得意な練習」と「初期ステータスアップで伸ばすステ」の種類が一致するため、そういう役割も期待できません。

 伸ばせるステータス量が爆発的に高くなるか、練習とは無関係なステを初期ステとして伸ばせるSCが出れば、また話は変わってくると思います。

◆レースボーナス/ファン数ボーナス

 ウマ娘の育成は、大きく「練習する」か「レースに出走する」か、を選んでいくゲームです。(「お休み」「お出かけ」は選ばざるを得ないのであって、選びたいワケではないですからね)
 レース結果に関するサポート効果は、編成さえしていれば必ず発揮されるので、運に左右されない成果が期待できます。

▼レースボーナス

 レースボーナスは、レース終了時の「ステ上昇」と「獲得スキルPt.」にかかる補正です。一般的には、SC全体でできれば35%~40%を目指したい、とされています。

 育成目標レースは、勝利時にステを+3してくれます。この時、レースボーナスが35%あれば、ステ上昇量が+4になります。たとえばゴールドシップは、育成目標にメイクデビュー+8つのG1があり、これらすべてを1着で終えたなら、ステ上昇量に43の差が出ることになります。(育成目標でないG1でのステ+10、URA各戦のステALL+10にかかる補正もあります。)
 正直、これは微差です。初期ステータスアップ以下の補正です。

 ただ、スキルPt.の獲得量については、かなり影響が大きいです。先のゴルシの例で言えば、ゴルシは育成目標とURAをすべて勝利すれば570点のスキルPt.を獲得できます。
 レースボーナス35%で200Pt.のボーナスは、重めのスキル1個分の差になります。極端な例として60%などとなれば342Pt.。レアスキル1個分の差がつきます。

 レースボーナスは、「育成で獲得できるスキルPt.合計の想定」と「獲得したいスキルのコスト合計」から逆算して、必要な分だけ設定するのが賢いと言えそうです。

▼ファン数ボーナス

 ファン数ボーナスは、基本的に気にしなくていいサポート効果です。
 ただし、ファン数ボーナスを43%以上にしておくと、メイクデビュー勝利(ファン数+700)から、直接朝日杯FS/ホープフルS(出走条件:ファン数1,000)に乗り込めるので、これを目安にすることが多いです。
 とはいえ、これで稼げるのは1ターン分なので、そこまで不足に目くじらを立てることはありません。

◆ヒントLV/ヒント発生率

 ヒントで獲得するスキルは「獲得できるかが運次第である」こと「効果量がレアスキルに比べて低く、率先して取りたくない」という点で、評価が一段下がります。
 ウマ娘自身と、SSRの連続イベントで獲得できるレアスキルだけを当て込んで戦略を立てるのが理想であるので、基本的にヒントLVに拘らないように考えています。
(そこを考えられるほど、プレイヤーの練度が上がっていない、とも)

▼ヒントLVアップ

 ヒントLVは、スキル獲得時の消費スキルPt.を軽減してくれます。
 つまり、実質的にはスキルPt.に換算することができます。

 スキルひとつ取得するのに消費するスキルPt.を200と考えれば(かなり重めの計算です)、10%軽減につき獲得できるスキルPt.は20。
 ヒントLVアップ1=消費をさらに10%軽減=スキルPt.20と考えると、ちょっと物足りない感じがします。ただ、ヒントLVアップ2ならスキルPt.40に相当し、これはG1勝利(45Pt.)に近い獲得量になります。

 また、ヒントLVは最大5LVなので、ヒントLVアップ2なら2回ヒント発生で最大値になります。その意味でも、1LVと2LV以上では、大きな差があると言えるでしょう。
(ヒントLV3までとLV4以降では、軽減量の効率が悪くなっている、という点でも、ヒントLV2アップがキーです)

▼ヒント発生率アップ

 ヒント発生率は、およそ5%から10%ほどであろうと思われます。
 そもそもヒント自体が当てにならない運要素を多分に含んでいるだけに、その発生率がこの低さでは、あまり当て込んでいいものではないように思えます。

◆獲得スキル

 (前述の通り)ただでさえ運の要素が強いうえ、効果量の観点からも、獲得スキルはウマ娘自身が持っているものと、SSRの連続イベントで取得できるレアスキルに限りたいと考えています。

 欲しいスキルはウマ娘ごとに異なるものの、基本的には「レース展開を条件に含まない回復レアスキル」を1つから2つと、「終盤に発動が期待できる速度を上げるレアスキル」、そしてレース展開を補うものという考えです。
 回復スキルは、回復量を【スタミナ】に換算した時、距離が長いほどが効果量が高くなります。【スタミナ】というステの性質上、「一番長い距離のレースに合わせて【スタミナ】を上げる」と「それほどでもない距離で【スタミナ】が無駄になる」という問題があり、回復スキルの柔軟性はそれを吸収してくれます。
 終盤の速度を上げるスキルは、中盤まではステによって十分な速度を確保し、速度制限のなくなるスパートの速度を高めるためにスキルを使いたい、という考え方に基づいています。

 ほか、位置取りに関わるスキルは、果たして【パワー】や【賢さ】がどの程度働いているのか信じられないため、ついつい優先して取ってしまいがちです。

■自分なりのまとめ

・ステータスボーナスがあるカードを優先して選びたい。
・練習性能は正直友情ボーナス最優先で選んでいい。
・初期絆ゲージと得意率はとても大事。
・スキルPt.と獲得スキルの計算はあらかじめしておきたい。

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