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メギド72:狂炎について

 かつて『メギド72』にフィロタヌスが実装されたときに、狂炎――対応してるメギドが1柱しかいないタクティカルソート――について勢い余って記事を書いたことがありました。

 あれから時間も経ち、狂炎戦術に対応したメギドも増えたので、この辺でアップデートしておこうと思います。

狂炎戦術の基本

狂炎の特徴

 元々、地形ダメージは高防御力、バリア、ダメージブロックなどの防御手段を無視して確実にダメージを与えられる攻撃手段です。ですが、地形のダメージ量は敵HPに対してあまりに小さいため、狂炎の登場まで地形ダメージを主体に敵HPを削り切るのは非現実的な話でした。
 狂炎は炎上の強化地形で、地形の上にいる敵に火ダメージを与えると地形の「ダメージ量増加」「持続ターン延長」が行われます。狂炎の登場により、地形ダメージで敵HPを削り切る戦術はタクティカルソートのひとつとなりました。

いつ狂炎を使うのか

 その特徴から、厄介な防御手段を持つ敵に対して採用されがちです。
 ターン経過ごとに総ダメージ量が指数的に増加するので耐久戦術に向いていますが、「素のHPは低いが防御手段を潜り抜けるのが厄介な敵」を倒すために短期戦の攻撃手段としても用いられます。

狂炎の構成要素

 狂炎には、以下の3つの手段が欠かせません。PTには以下の手段を持つメギド(またはオーブ)を敵に合わせて選出する必要があります。

  • 炎上地形を発生させる手段

  • 炎上地形を狂炎に変更する手段

  • 火ダメージを与える手段

 敵編制によって必要な地形の範囲は変わります。速攻/耐久で地形倍率の重要度も変わります。敵攻撃への対応に必要なメギドの数と、狂炎用に採用できるメギドの数は、表裏一体です。敵の攻撃手段によっては前列・後列のメギドを採用できないかもしれません。
 ということを踏まえた上で、以上の3つの要素を見ていきます。

炎上地形を発生させる手段

 炎上地形で重要なデータは「地形倍率・補正」と「地形の範囲」です。

 地形は「攻撃力」「地形倍率」「地形補正」の乗算でダメージが決まります。
 このうち「攻撃力」は火ダメージを追加するたびに加算されるため、狂炎においては誤差です。一方、倍率と補正は、加算されていく「攻撃力」に対して乗算されるため、ダメージの伸びに大きく影響します。
 「地形倍率」が高倍率の技を持つメギドや、MEで「地形補正」を得られるメギドは、とくに速攻編成では重要になります。

 「地形の範囲」も重要です。敵編制(単体、列統一、前後配置)に合わせて、焼きたい敵を的確に巻き込める範囲の技を持つメギドを選びましょう。
 敵の性質によっては「単体狂炎でボスを先に倒す⇒全体炎上技で範囲を拡大して取り巻きを焼く」のような手段を使うために、複数範囲の炎上地形使いを編成する必要もあるかもしれません。

■タムス

 スキルで1/1.25倍の単体炎上、6ゲージ奥義で1.25/1.5倍の全体炎上、リーダー時のMEで地形補正+40%。とくに全体炎上役なら最高のメギドです。
 ただし、前列かつ耐久性能が平均的なので、敵によってはアイムを採用することもあります。また、速攻寄りならリーダーで起用するより初期覚醒+2のMEを踏ませたいコトもあるでしょう――その場合、地形補正の有利は失われます。

■アイム(バースト)

 全体炎上役としては倍率・補正ともタムスの方が優秀です。ただ、後列から全体炎上できる点や、スキルによる攻撃性能によって差別化されます。
 バースト/スナイパーはカイムのMEによって地形補正+20%を得られるので、カイムをリーダー起用したなら、地形補正はフォローできます。

■フィロタヌス

 4ゲージ覚醒スキルで1/1.25倍の横一列炎上。使用するごとにLVが上がり、3LVでは1.5/1.75倍に。最高の地形倍率です。
 狂炎後でも、高LVの覚醒スキルを使用すれば地形倍率は上書きされるので安心です。たとえば1LV炎上(1.25倍炎上)⇒2LV炎上(1.5倍炎上)⇒狂炎化(1.5倍狂炎)⇒3LV炎上(1.75倍狂炎)というようなコトです。
 バースト/スナイパーはカイムのMEによって地形補正+20%を得られるので、カイムをリーダー起用したなら、地形補正はフォローできます。

■フェニックス(バースト)

 スキルで単体炎上。リーダー時のMEで地形補正+40%により、単体炎上役としてはタムスと並んで一番優秀なメギドです。
 ただし、タムスと同様、前列かつ耐久性能は平均的なことに注意してください。その場合はフルーレティが代役となります。

■フルーレティ(バースト)

 スキルのリザーブ効果(3T)で単体炎上。炎上⇒覚醒⇒狂炎化⇒火ダメージ追加でフォトン要求が忙しくなりがちな中、余裕のあるタイミングにスキルを使っておけば、数ターン炎上を続けてくれます。
 リザーブ効果で追加される火ダメージと合わせて考えれば、使い勝手ではフェニックスに勝るとも劣らない、かもしれません。
 バースト/スナイパーはカイムのMEによって地形補正+20%を得られるので、カイムをリーダー起用したなら、地形補正はフォローできます。

■ルッキオラ(SSRオーブ)

 バースト用のSSRオーブ。特性によって地形補正を+32~42%できます。炎上地形を発生させるメギドになんとしても持たせたい逸品です。

炎上地形を狂炎に変更する手段

 当然ながら、狂炎PTなら炎上地形を狂炎に変更する手段が必要です。
 狂炎は(アクシデントで地形が途切れない限り)戦闘中一度しか行わないので、狂炎化するだけのメギドは採用したくありません。
 前述した炎上役のうち、アイム以外は狂炎化できます(フェニックスは専用霊宝時のみ)から、基本的には彼らに兼業させたいところです。

 ただし、狂炎化する技はいずれも奥義(または覚醒スキル)です。なので、炎上役が狂炎にしようとすると「炎上⇒覚醒⇒狂炎⇒火ダメージ」という忙しい動きになってしまいます。フォトン要求も厳しいし、そのターンの防御も脆くなってしまいます。
 この問題を回避するには、炎上役とは別に狂炎役のメギドを用意するしかないでしょう。

■フィロタヌス

 炎上役と別に狂炎役を採用するなら、最有力候補はフィロタヌスです。4ゲージ奥義で狂炎化できるため、5~6ゲージの技が必要な他のメギドと比べて1~2手早く狂炎の準備が整います。
 スキルの効果(スキル強化・HP回復)だけで耐久・支援としての役割が果たせるので、あくまで耐久PTのヒーラーとして採用した、というような動きができるのも狂炎役として割り切った運用と噛み合います。
 狂炎メギドとしては、スキルで(=フォトン1つで無条件に)火ダメージを与えられないのは短所ですが、そのスキルは狂炎役を兼ねる支援・回復役としては最上級のものです。

■炎帝ムスペル(SSRオーブ)

 バースト用のSSRオーブ。CT2で狂炎化できます。狂炎役にメギドを1枠割くよりは、オーブを1枠割くほうがいいでしょう。
 狂炎化できるメギドがいる場合でも、狂炎役を覚醒させるためのフォトンを支援・防御に回して、3T目に「炎上⇒炎帝ムスペル使用⇒火ダメージ」と動く方が多くの場合、安定します。
 とくに列炎上や全体炎上を狂炎化するなら、炎上役の覚醒も必要なので、なおの事です。

火ダメージを与える手段

 狂炎地形の上にいる敵に火ダメージを与えるごとに、ダメージが増加(1ターンに何度でも/累計50回まで)し、ターン数が延長(1ターンに3回まで)されます。
 1度の攻撃で複数回の火ダメージを与える技なら、ダメージを与えた回数だけダメージも増加し、ターン数も延長されます。

 速攻なら、連続火ダメージで一気に地形ダメージを稼ぎたいところです。
 耐久であっても、1行動で複数回の火ダメージを与えられるなら、その分だけフォトンドリブンに余裕が生まれ、フォトン事故にも強くなります。

■タムス

  • アタック:火ダメージ(リーダー時)

  • スキル:2連続火ダメージ(連結武器時)

  • 覚醒スキル(6ゲージ):8連続火ダメージ(連結武器時)

 炎上役としても優秀なタムスは、火ダメージ供給役としても優秀です。火ダメージが連続ダメージになるのは奥義使用後ですが、そもそもタムスを使うのは奥義で全体炎上にしたい場合でしょうから、問題ありません。
 連結武器時のスキルは覚醒+2の効果もあるので、「スキルばかり積んでしまって覚醒スキルに手が届かない」ということもありません。

■ベリアル(バースト)

  • 覚醒スキル(4ゲージ):積んだフォトンの数だけ火ダメージ

  • 奥義(4ゲージ):5連続火ダメージ

 純粋な炎上役としては必ずしも他のメギドに勝るものでもないベリアルですが、火ダメージ供給役としては優秀です。炎上・狂炎地形を発生させるたびに覚醒+1というユニークなMEも含め、PTの総合力では他の狂炎メギドに劣るものではありません。
 奥義は炎上・狂炎地形の上にいる敵に対して1.5倍の特攻があり、攻撃自体でもダメージを稼ぐことができます。
 覚醒スキルでは「焼夷砲火」状態によって、積んだフォトン分の連続火ダメージを与えつつ、即座に地形ダメージを発生(!)させます。地形ダメージが実質2倍。速攻寄りの狂炎では欠かせないメギドです。

■ナベリウス(バースト)

  • スキル:2連続火ダメージ

  • 覚醒スキル(5ゲージ):「前ターンの火ダメージ回」連続火ダメージ

 スキルで2連続火ダメージに加えて、覚醒スキルでは「前のターンに味方が与えた火ダメージの回数」だけ連続火ダメージを耐えるという、火ダメージ供給の専門家。速攻寄りなら。
 スキルの2連続火ダメージは、タムスは連結武器時限定、フルーレティはリザーブ効果なので1Tに1回(回数を稼ぎたいのに!)のみ、カイムはブレイク技なので任意に使用できないと、他のメギドはいずれも限定的。
 覚醒スキルは、連打するサイクルに入れば、1ターンに与える火ダメージ自体が指数的に増大していきます。

■フルーレティ(バースト)

  • スキル:2連続火ダメージ(リザーブ効果/3T)

 スキルのリザーブ効果で2連続火ダメージを3ターン行います。スキル1個で6ヒット分なので地形維持という面では優秀ですが、1ターンに何度も使って地形ダメージを一気に加速するような使い方はできません。
 耐久寄りなら。

■カイム(バースト)

  • スキル:3連続火ダメージ(チャージブレイク)

  • 覚醒スキル:火ダメージ(最大5回)

  • 奥義:2連続火ダメージ

 いずれの技も火ダメージ供給として優秀なメギド。特性で敵の覚醒を減らせるとあって、耐久ではアドい動きをしてくれます。
 ただし、スキルは任意に使えない上に機会も少なくなりがちなチャージブレイク、覚醒スキルは回数もターゲットも安定しないし、奥義は火ダメージ回数を稼ぐ手段としては大振り過ぎると、クセは強いです。

■3連続火ダメージオーブ

  • 火のザウラク:3連続火ダメージ(CT2)

  • 番犬ロクサーン:3連続火ダメージ(CT2)

  • ルッキオラ:3連続火ダメージ(CT2)

 火のザウラクはラッシュのRオーブ、番犬ロクサーンはバーストのSSRオーブ、ルッキオラは前述の通りバーストのSSRオーブ。いずれも、3ターンごとに使っていれば地形維持には困りません。ナベリウスやフォラスに装備して火ダメージ回数を稼ぐ手もあります。
 ザウラクはラッシュ用、ロクサーンは全体攻撃、ルッキオラは特性で炎上役の地形補正を上げてくれるのが特徴です。

パーティの実例

■耐久PTに最小限の狂炎パッケージ

  • 1:フィロタヌス(ルッキオラ)

  • 2:ザガン(ピーター)

  • L:リヴァイアサン(ファロオース)

  • 4:フォラス(ボーパルバニー)

  • 5:デカラビア(ソプラノキティ)

 狂炎は3つの役割をメギドに要求するタクティカルソートですが、耐久のためにメギドの枠を割き、狂炎役を最小(パッケージ)化させた編成です。

 バニーフォラスを潤滑油として挟みつつ、海魔の加護の自動回復、デカラビア奥義の自動蘇生、ザガンのかばうで防御を固める典型的な耐久型PT。フィロタヌスも基本的にはザガンの「かばう」を強化・延長し、HPを回復するために編成されています。
 ですが、バニーフォラスの余波でフィロタヌスが覚醒したら、2T目にはバニーフォラスで覚醒⇒覚醒スキルで炎上、3T目にはバニーフォラスで覚醒⇒奥義で狂炎⇒ルッキオラで地形維持、と最小限の動きで狂炎を展開します。
 あとはルッキオラを欠かさず、ひたすら耐久を続けていれば、勝手に相手が焼けてしまうことでしょう。

■狂炎で速攻を仕掛ける

  • 1:マルチネ(サタニックリブラ)

  • 2:ナベリウス(灼火蝶マヴィ)

  • L:ベリアル(ルッキオラ)

  • 4:ウコバク(地龍アテルラナ)

  • 5:フィロタヌス(地龍アテルラナ)

 狂炎は基本的に耐久向けのタクティカルソートです。しかし、迅速な狂炎へのアクセスと、火ダメージの追加によって、一気に相手のHPを削りに行くこともできます。

 連続火ダメージの専門家であるナベリウスと、連続火ダメージを気炎のオーラに変換するウコバクを組み合わせ、狂炎地形ダメージと火ダメージの両面から相手のHPを削り取ろうとする編成です。
 ベリアルは炎上役としては平凡ですが、MEによってスキル1個でナベリウスとウコバクの覚醒を+1できる上、覚醒スキルの焼夷砲火によって地形ダメージを実質2倍にする重要なポジションです。

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