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【神籬の世】へ

これよりの世は社はいらぬぞ

社あるから物入りじゃ

金のかからぬ世となるから物もてば苦しむぞ

社に仕えるものおろかなる

祈る心とぞ重きなること

祭る御しるしは柱である

祈る心根こそ神は見届ける

神の氣の降りるところは人の心の氣にぞありける

人の心の氣集まりて澄み切りてこそ神の白庭となる

社ではないぞ人の心の的が大事ぞ

なんとなれば社でもよい

はじめに心ぞ

次に的じゃ

神の柱は人の心の中に立つものぞ

人の体はみやしろ神の御魂代じゃ

奉る心もちて真直ぐに立つときそのままがみやしろ神の御社となる

手を合わせるぞ神と人の心はひとつとなる

この世の目に見る柱はあくまで的じゃ

そこのところに集まりくるためのものにすぎぬて

人の美しい心が美しい神庭を作るのじゃ

美しい心で祈れよ

美しいものばかりが寄りてくる

見た目に惑わされてはならぬぞ

美しいとは清々しいことじゃ

すっとしておることをいう

澄み切りて水晶のような心じゃな

玉である神の御柱の立つ神庭には浄まった玉が集まるぞ

もはやそのときは神主を仕事としておるものはおらぬぞ

社は崩れてもよい

はるか昔の神籬の世にもどすのじゃ

ひもろぎの世に物はいらぬぞ

金はかからぬ

人の美しい心がいるのじゃ

人の美しい声が結びゆく世

(『つちぎみのみことのり』より)


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