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休眠預金草の根支援助成2019 活動紹介               自然と生きる若者集団プロジェクト (岐阜県中津川市加子母地区、下呂市馬瀬地区)

中部圏地域創造ファンドは休眠預金草の根支援助成2019「NPOによる協働・連携構築事業」を通じて、3つのチーム(各チームはコーディネート団体、現場実行団体から成り、全12事業)の活動を支援させていただきました。そのチーム活動の1つ「自然と生きる若者集団プロジェクト (岐阜県中津川市加子母地区、下呂市馬瀬地区)」について紹介します。

■コーディネート団体 NPO法人かしもむら
■課題実行団体 NPO法人馬瀬川プロデュース
        一般社団法人aichikara
        学生団体 加子母木匠塾

学生たちが改修してきた古民家「松屋」

背景

中津川市の加子母地区・下呂市の馬瀬地区は、清流や豊かな森林に恵まれる一方で、2010年~2020年の10年間に、各々3,071人→2,705人、1,390人→1,106人へと人口が減少、地域コミュ ニティや自然環境を守る担い手不足が深刻です。集落ベースの取り組みだけでは打開が難しい中、地域課題解決につながる連携プログラムを創出すること、また、しがらみのない外部の若者の存在によって、地域の意識に変化が生まれ、地域活性化の手段や担い手を豊かにしていくことが重要です。ICT等の技術も活用し、地域のファン・関係人口を広げていくことも課題になっています。

出典:休眠預金 草の根支援助成2019 事業レポート
ラジコン草刈り機実演(2021年8月)

活動内容

岐阜県中津川市加子母地域は、過疎化の一方で、森林資源を活かして大学生が木造建築の実習をしながら地域で交流体験を行う域学連携事業を1995年にスタート。そのOB・OG数は4,000人を超えます。この蓄積を土台に、地域課題に持続的に係わり続けられる共創関係をつくるプログラムの創出、建築分野以外の若者集団による取り組み、さらには近隣の馬瀬地区への活動展開も目指すチャレ ンジが始まりました。地域理解・交流を行いながら、地域に必要な木造建築物をつくるという基軸活動を継続しつつ、地域活性化に向けた新たな取り組みに地域住民と若者とが共に取り組んでいきます。

◆特産品サイト等のWEBやSNSを活用した地域ファンの拡大。これらの
 取り組みにおける地元の若者・子育て層との連携強化

◆馬瀬地区の交流事業の創発 ~草刈等の地域環境を整備するニーズ対応と、鮎釣り・キノコ狩り等の楽しみが両立する活動の事業化。空き家を活用した交流拠点整備~

◆木造建築実習以外の地域貢献活動の開発 ~地元の子どもを対象とした地域の魅力再発見等の教育活動、農産物収穫や観光行事の運営支援等~

◆木匠塾のOB・OGの組織化、地域と係り続ける仕組みづくり、OBとの連携による新たなビジネスづくり

【活動地域】岐阜県中津川市加子母地区、下呂市馬瀬地区
【助成期間】2020年4月~2023年3月
【助成額】30,664,920円(3年間)

出典:休眠預金 草の根支援助成2019 事業レポート
馬瀬での原木しいたけ栽培のための木材の運び出し

活動の成果

◆特産品サイト「カシモール」への出店数出品数 
                     ー 29事業者・224品目 ー
朴葉(ほおば)ずし・お茶菓子や、花木雑貨等を通販する他、見学ツアー等も企画。生産者を地元ライターが取材・紹介しています。

◆馬瀬地区で、地域の景観整備を始めた人々の数     ー 150人 ー
地域への誇り・愛着の再認識が進み、円山公園づくり、里山づくり、林道の整備等に、地域の多くの住民が参加するようになりました。

◆地域資源・人的ネットワークを活かした多様な若者参加プログラムの開発
                        ― 14プログラム ー
草刈り支援、農業体験&お手伝い、観光施設・イベント補助等、地域での様々な活動が実現しました。

◆馬瀬地区の全世帯アンケートで回答が得られた割合 
                      ー 45%(185/408通) ー
地域の魅力や課題、都市の若者との交流への期待・関われそうなこと等についての馬瀬で初めての調査。都市との連携活動に活かします。

◆加子母木匠塾が大学・OB間で協議を重ねた回数
                    ー 39回、参加延べ313名 ー
例年のように各大学幹事が毎月現地に集えない分、オンラインを活用して協議を重ね、その熱意はアイディアコンペ等を通して地元にも伝わりました。

◆加子母木匠塾のOB・OGで社会人になっても地域と係わり続けている
 若者の数                      - 152人 -
長年の活動を土台に、加子母木匠塾同窓会を設立し、木匠塾史編纂、現役大学生へのサポート、地域特産品オンラインショップ支援等で、頼もしい関係人口になっています。

*事後評価報告書から抜粋・編集

出典:休眠預金 草の根支援助成2019 事業レポート
森林整備・木材搬出状況の実地確認
2022加子母木匠塾製作 ベンチ

今後の展開

◆持続可能なコミュニティ及び森林の公的機能の維持と、若者が社会に参加する力の向上に取り組む包括的な事業体が確立する

◆加子母・馬瀬地区の魅力が再認識され、地元に愛着を持ち住み続ける自信を持つ人・子どもが増え、外部から移住や継続的に訪れる人も増える

◆外部の若者が地域資源へアクセスし、活用しやすい環境が整備され、これにより地域の諸機能の持続性が保たれている

コロナ禍で今後も広域移動が難しい状況が予測される中、少人数短期間での交流活動を蓄積しつつ、地域に係り続けられる関係を築ける交流プログラムを!と新たな視点で練っています。木匠塾OB・OGによる地域貢献活動の創出、地元の若者の柔らかい発想を活かした交流活動、特産品サイトを使った発信活動、リモコン式草刈活動など、若者の力が活きる新たなタイプの地域活性化活動が芽吹いてきました。これらを地域の人たちと丁寧に育み、成果につなげていきたいと思っています。

出典:休眠預金 草の根支援助成2019 事業レポート
学生らによる馬瀬での看板製作実習

https://www.kashimo.jp/

中部圏地域創造ファンドが助成した団体一覧です↓

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