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非機密『紙類保管計画』第一次報告書

今、人類は大きな変化の節目にいる。

我々合同会社クレイジータンクは、18年前(2005年)から人工知能が作り出す世界を想像し、2008年には大学の修士課程であるが、人間の思考を介入しない情報だけで都市計画論文と作品を提出。

そして7年前、建築家の登竜門と言われるUnder 35 Architects exhibition 2016で「無意識へのシナリオ」を発表。人工知能と人間の世界をより鮮明に描き出した。2018年にnoteに記載。

我々は常に誰の評価を受けずとも、人工知能と人間がどのように共存するかを意識した仕事やプロジェクトを生み出してきた。

そして、人知れず進めてきたプロジェクトを一つここで公開する。


『紙類保管計画』


2020年から秘密裏に進めてきた廃品が決定している紙を保管する企画。

近年、廃品・原在庫限りという言葉をよく目にする

しかも、紙の状態(平面状態)で保管するだけでなく、立体としても保管し、未来その紙が失われた時に、使用感も含めて保管する計画になっている。紙の種類と共にその保存形態にもこだわっている。

我々人類は、長い時間をかけて紙を進化させてきた。コミュニケーションツールや学習ツール、お金に至るまで、紙は人間の多様な要望に応えてきたのだ。しかし、デジタルの普及により、多くの紙が廃品となっている現状に、紙への敬意や価値の保存、投資的価値としても我々人間が次世代に向けてやるべきことと認識している。

そして、2000年代から紙を使ったアート作品を多く発表してきた我々だからこそ分かる「廃品」と書かれた紙サンプルの多さに驚かたことも、本プロジェクト発足の理由でもある。

折り紙作品「オリナスの樹」CCCカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社にて1年間展示

みんなで保存する試み


紙には機能的な価値だけでなく、記憶や紙自体の美しさといった付加価値も存在する。

紙を保管ケースに除湿剤を入れたり、紫外線対策をして保管するだけではなく、アクセサリーなどに製作し、多くの人に使用してもらいながら、その紙との触れ合いや美しさを楽しむ経験、すなわち「紙を心に保管する試み」を計画している。購入者にはアクセサリーと共に、素材である紙も個別に保有する。その紙はアクセサリーの補修用であったり、人によっては未来への投資用としても活用できるだろう。

10年以上前から実験的にアクセサリー制作を進め、2023年に完成している。

薄くスライスした木を織り込んだアクセサリー作品と保管作品


本報告書はここで一旦終了とする。

第二次報告書を近日中に公開する。


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