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クレイジータンク通信 vol.225 『農業の未来を考え、学び合う』

クレイジータンク通信(通称:クレタン通信)は、2020年7月よりスタートし、現在まで毎週つづいている「クレタンの今」をお届けする2000-3000字程度の通信です。2021年10月までは、クレタン関係者やファンクラブの方、十数名の方に限定的にお送りしてきました。しかし購読者の皆さまからのフィードバックもあり、2021年10月下旬より、有料にてnote公開を行うことになりました。さらに、2023年10月からは、試験的に無料公開をスタートすることにいたしました。

毎週、クレタンが何をしているか、また、何を考え行動しているのかについてお伝えしていく場です。クレタンは常に未来に向かって自分たちが「挑戦をつづける当事者」になることを大切にしています。変化する社会を生きるみなさまにとって、挑戦へのきっかけや原動力となれば幸いです。気になったときにふと立ち寄ってみてください。


クレイジータンク通信 vol.225


先週末はやっとこの時期の正しい寒さがやってきた…と思ったのも束の間、東京では再度暖かい週明けとなりました。季節ごとに感じる正しい変化は人間にとって重要なバロメータになっているのだと感じる今日この頃です。

さて、今週の通信は…

先週末、長野県の佐久に、北は北海道、南は鹿児島まで全国から総勢40名を超える農家の皆さんが集まり「のらくら農場で“農業をする“を学び合う会」が2日間に渡り開催されました。



農繁期と言われるこの時期でありながら、募集定員を超える多くの農家の皆様がそれぞれの課題意識を持ち集まり、より良い未来に向けた真剣な議論がなされました。

クレイジータンクは農業分野にとどまらない社会全体の変化、AIやテクノロジーの進化についてお伝えする役割をいただきましたが、2日間、皆様ともに時間を過ごさせていただいた中で感じたことを、本通信で振り返りながらお伝えさせていただければと思います。

ぜひご一度ください。

【農業の未来を考え、学び合う】

2024年11月8日〜9日の2日間、「のらくら農場で“農業をする”を学び合う」会が開催されました。

本企画は、保けん野菜の提携農家でもあるのらくら農場の代表萩原さんの声かけにより、ミチクサ合同会社秋山さんによって企画・運営・実現に至った会です。

身近な農業仲間が廃業していく中で萩原さんが感じられてきた悔しい想いから「農業の継続を苦悩する仲間に何かしらのきっかけや次の一歩を踏み出す具体的な手立てを得る機会を作れないか」と、この会の開催へと繋がったとのこと。

数年前から続く資材の高騰。昨今の気候変動による生産環境の変化。人材不足。必要な設備の検討。……など、農家の皆さんを取り巻く事業環境の変化は昨今非常に厳しい状況にあることは、農業に直接関わっているわけではない消費者サイドからも、想像に難くないことかと思います。

2日間のじっくりとした議論に参加する中で、農家の皆さんのさまざまな角度からの悩みや苦悩が伝わってきました。



クレイジータンクは、農業従事者ではありませんが、今回、企画運営の秋山さんよりご依頼いただき、農業分野にとどまらない「AI・テクノロジーの進化による社会全体の変化」を中心にお話をさせていただきました。


農業分野だけの視点や議論に固執せずに、農家の皆さんが置かれる現状を多角的に理解、俯瞰することが、その後の具体的な行動と確かな希望につながっていくだろう、と、事前に秋山さんとも議論を深めながら準備していきました。


プレゼンを聞いていただいたあと、会場の皆さんとどのような議論ができるか、場合によっては内容が受け容れられないこともあるのではないか、など様々な想定をしていましたが、それは杞憂に終わりました。

農業分野におけるテクノロジー発展にも明るい久松農園代表の久松さんにファシリテートいただきながら、会場の皆さんから寄せられる多くの感想やさまざまな実体験などを元に議論は自然と深まっていきました。


すでにテクノロジーの進化に伴い、農業分野における「人間」の役割が変化している実感を持たれた方も数名いらっしゃり、短期的な話でいえば、目下事業における設備投資についてどうするかといった議論や、中期的には人材やチームの考え方をどうするか、といった議論など、クレイジータンクがお話したテクノロジー・AIの進化が進む先の未来の社会という広義の話から、現状の課題感へと落とし込まれていくような議論のプロセスを踏むことができました。


中には、AIの進化の情報を突き詰めていけば、誰もが恐怖心を抱くような話もあったかと思います。

しかし今回、お話させていただいた農家の皆さまは、情報や現状を冷静に受け容れられ、その上でじゃあ何をするのがよいか、と思考をめぐらせていらっしゃる姿勢が非常に印象的でした。

それは、農業、という仕事そのものが、特に、多くの操作ができない環境の変数に日々対峙し、抗えない自然への畏怖の念を常に持ち、人間として持ちうる頭・身体という機能を使い、一つずつ日々を積み上げる仕事の形態をとっているからなのではないか、と、会が終わったあとにクレタン内で振り返っています。

そういった仕事を通じて培われる「人間として生き、感じる豊かさ」は、これから来たるAI台頭時代において、非常に重要なスキルになると確信しています。だからこそ、会の中で、竹鼻より、

「農業こそが最後のフロンティアになりうる、と考えています」

と力強く、お伝えさせていただきました。


プレゼンの最後に、これまで約19年に亘り、竹鼻が危機感を持ちながら研究対象としてきた、

「AIが世界を席巻すると予測した2026年以降に、人間がそれでも人間として豊かに生きるには何が必要なのか」

という、全業界、全業種、そして私たち全員が向かうべき課題に対し、竹鼻が自身の経験から紡ぎ出した(現段階での)答えとなる5つのキーワードをお伝えしました。

あの場でお会いするご縁をいただいた皆さんにとって、この時にお伝えした5つのキーワードが、今後の未来を生きるヒントや迷った時の道標となればと強く願いながら、クレイジータンクとして今後も皆さまのために自分たちができることを模索し続けていきたいと考えています。




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