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ゴミ袋は、ゴミ捨て場へ。

世界はメタファーだ、カフカ君。

これは僕の敬愛して、崇拝して止まない村上さんの作品、『海辺のカフカ』の名台詞です。
当時高校生の時はなんのこっちゃって感じでしたが、今となっては少しだけ意味がわかります。

世界は、メタファーなんです。
いや、説明なってへんがなって話ですよね。

世界、僕らの認知し、生きているこのせかい、というのは、あくまでもメタファー(比喩・暗喩)であるということです。

挨拶が遅れてしまいました、みなさんこんにちは。
おはよう、こんばんは。
初めましての方は初めまして、常連さんはまいど。

今回は、他人の家のゴミ袋を五つか六つ捨てたお話です。
お願いしてきたのは、僕の素敵なお友達の一人、他人の悩み事を聞くのを生業としている方です。
その相談を聞く俺はなんて呼ばれるんだろうな~、とか考えながらとりあえずヘルプコールがあったおうちへ向かったわけですよ。

目が浮かんでくるの、私の後ろにね。

ゴミ袋の中身は本当に簡単なものです、フライパンとかそういった生活に使うもの、あとは、テディベアみたいな。
そんな依り代になり得るものたちです。

差出人は訪問先のご夫妻の姑さん。
お嫁さんはすごく感受性の強いかたで、僕じゃ感じられないような念のようなものまで感じれるお方です。

その念のこもったよく言う「呪物」に近いものの処理を僕にお願いしてきた、という運びになってきました。


俺今日めっちゃハッピーハッピーなんすよ。

当日の僕ね、なかなかハッピーボーイやったんですよ。
新しい仕事決まりまして、しかも惚れた会社から結構アツめのラブコールをいただきまして。
最高やないの、と。

それでお友達が困ってるなら、なんかできることあるならやりましょか、と足運んだわけですわ。
とにかく、僕がそんな念とかよくわからんもんになんかされるわけあらへんやろ~wガハハハッゆーテンションやったわけですわな。

閑話休題。

話題をさらうはインターフォン。

ピンポーン。

僕とご夫妻、声を潜めながら状況を説明してもらっている中、突如その流れなど関係ないかのように、閑静な部屋の中をパニックの渦に変えます。

来た、と。

なんでも、ここ一週間ほど毎日毎日毎日毎日、時間帯に関係なくインターフォンが鳴り響く、そんな毎日を送らされているとのことです。

そりゃここまでまいりますわな~。
という気持ちになり、インターフォンは無視しつつも、応対しにいくことに。

詳細は省きますが、「おはなし」をしました。
それもご納得いただけるよう、にこにこしながら相手の目を見て。
最終的にすみません、しか言ってくれなくなったので優しい僕は言いました。
「すみませんってゆーて欲しいんちゃいますのよ、言葉なんていらんから二度と顔見せんといてくれ、ゆーてるんですわ。」って。

一応、現実的な処理はしつつも、きちんと見送ったわけですよ。

それにて、一件落着。
とはならずもね。

翼は寝るのに邪魔だから、もいであげるわね。

うちのカレー、優しい味がするらしい。

みなさんは親から子への愛が、どのようなものか知っていますか?
僕はまだ親にはなったことがないので、子どもとしてその愛を日々感じています。
安い唯物論者曰く、僕はまだ自立できていないそうなので、うるせーな!

また、お世話になったある子にも言われました。
あんたは愛されて育った人間なんだから、しゃっきりし!とも。
すんまへん。
その子と食べた、僕の母からおすそ分けしてもらったカレーは仲のいい家族の味がしたそうです、嬉しいね。

話を戻すと、僕が知っている親からの愛というのは、
・育むこと
・許し、赦すこと
・気づきを与えること
・たくさん抱きしめてあげること

ぐらいです。

ま、僕の知ってる愛はそんな感じで、世の大人たちはもっと素敵な答えをもっているのでしょう。
僕はまだまだガキなもんで、こんぐらいしかしりません。

絡みつくことはことは愛ではない。

ようやく大見出しの「翼は~」の話。

翼、およそ可能性とか才能と言い換えてもいいでしょう。
ご夫妻のお嫁さんがこう言っていました、「姑は旦那の翼をもいで手元に置いておくことを愛だと思い込んでいるのよ。」と。

それを聞いて少し合点がいき、寒気がしたものです。
だって、さきほど僕が「おはなし」をした旦那のお母さんの目には、息子に対する心配ではなく、手元から離れてしまうという「焦燥」しか映っていなかったのですから。

翼をもいで、足枷をはめ、ケージに入れて管理しようとするのは愛ではありませんね。
少なくとも今回、それぞれ親子とお話をしてそう思いました。
代わりに窓を開けてあげ、飛び方を教えてあげるのが愛でしょう、たぶん。

飯食って、掃除して、ゴミ捨てて。

夜も更けてきて、お腹が空いてきました。

まだ、僕のもともとのお友達である奥さんは興奮冷めやらぬといった様子だったので、先にご飯を食べることにしました。

3人でテキトーにウーバーしたヤンニョムチキンでチキンパーティをしました。
ごちそうさまでした。

二人は文字通り憑き物が落ちたように涙を流していました。
僕はそこに、愛を見ました。
夫婦の愛を。


愛ってなんだと思う?

奥さんが、僕に聞きました。
テキトーに三つ四つ並べましたが、ポロっとでたものが一番よかったそうです。
それが、「心に雨が降ったときに、自分の傘に入れてあげること。」でした。

僕ね、こないだぶっ壊れた時に母親に言われたんですよ、「人の心なんてお天気みたいなものよ。」って。

ハイ?

とはなったけど、僕は今ならその言葉がすごくわかります。
だって、この間の大嵐の時に、両親は僕に傘を渡してくれたから。

愛とは、一緒にいること。

これは、旦那さんが前に言っていた答えです。
そして、新しいものがこれ。

大切なもののために、選択すること。

手一杯、って言葉ご存じですか?
文字通り手の上がいっぱいになって手が回らないという意味です。

今回、ご夫妻は手一杯だったんです。
だから、僕に頼った、ゴミ捨てをね。

掃除に意味なんてないやろ。

僕と旦那さんの過去の共通意見。
掃除めっちゃ嫌いやったんすよ僕。
それこそ埃がうっすら積もるのが当たり前みたいな部屋にしてたし。
でも、掃除ね、やってみると結構気持ちいいんですわな。

部屋の掃除で床が見える

言葉の掃除で真実が見える
心の掃除で暖かさが見える


これは僕じゃなく、旦那さんが今回のことから気づいたことだそうです。
あまりにも素敵な言葉だ。
見習わないといけないネ。

ゴミ袋は、ゴミ捨て場へ。

ここまで読んでくれたなら、ある程度タイトルの意味もわかるんちゃうかな~とは思います。

俺さ、さっき気づいたんやけど、昨日口縛った生ごみの袋、玄関に出してたのに3回ぐらい捨て忘れてたねんな。
あーこわいこわい。


ほなまたね、ありがとう。
みんなも窓開けて掃除機かけや~。

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