純【メタルフォーゼ】雑感 ※2023/01/23 リプレイをyoutubeに置きました
2023/08/14 Notification I've written an English versoin.
2023/01/23編集 9.(おまけ4) でのリプレイ公開を、youtube に置く形に変更しました。再生リストのURLが置かれています。
2022/08/10追記 10.(おまけ5) として、本当に細かい話たちについて追記しました。似たデッキをお使いの方は参考になるかもしれません。
2022/01/23追記 9.(おまけ4) として、マスターデュエルで撮ったリプレイの情報を載せました。
2021/11/24追記 最新記事にて、2021年10月環境における使用感を軽く書きました。
2021/10/17追記 8.(おまけ3) として、イリュージョン・オブ・カオスについて追記しました。
0.はじめに
調整していた純メタルフォーゼデッキがある程度納得のいく形になったため、覚書と思考の言語化を兼ねてnoteにまとめました。従って一部過剰に細かい部分があります。レシピと目指す動きの概略は 1.レシピと短いまとめ までで、少し踏み込んだ基本思想とそれに基づく動きは 3-1.先攻の動きとアルカエストについて までで大体分かるようになっています。メタルフォーゼを使ったことがない場合は飛んで 6(おまけ1).具体的な動きなど も眺めてみると良いと思います。その他は細かい運用法や使用時の考え方になるため、そこまで興味のある方向けです。
本記事はテーマ紹介記事ではなくデッキ紹介記事です。メタルフォーゼカードの効果や解説は書かれていません。従って、「メタルフォーゼのことを全然知らない」「メタルフォーゼがどういうテーマか知りたい」という方向けではありません。「メタルフォーゼの効果は把握している」「混ぜ物や添え物でメタルフォーゼを使用したことはあるが、純構築がどうなるか知りたい」「自分のメタルフォーゼ以外にどのような構築があるか知りたい」という方にはオススメです。
カテゴリ紹介記事も書く気はあるので、元気が伴うときに書こうと思います。
そうはいってももちろん、様々な方に読んでいただければ嬉しい限りです。どうぞよろしくお願いします。
※7/24追記 5-1.苦手なカードが多い に、相剣が苦手という小話を追記しました。
1.レシピと短いまとめ
モンスター 31枚
メタルフォーゼ・ゴルドライバー 2
メタルフォーゼ・シルバード 3
パラメタルフォーゼ・メルキャスター 3
メタルフォーゼ・バニッシャー 1
メタルフォーゼ・スティエレン 3
メタルフォーゼ・ヴォルフレイム 2
レアメタルフォーゼ・ビスマギア 3
アストログラフ・マジシャン 1
クロノグラフ・マジシャン 1
バオバブーン 3
マジシャンズ・ソウルズ 3
増殖するG 3
灰流うらら 3
魔法 6枚
錬装融合 1
重錬装融合 1
混錬装融合 2
ハーピィの羽根箒 1
三戦の才 1
罠 3枚
メタルフォーゼ・コンビネーション 2
メタルフォーゼ・カウンター 1
EXデッキ 15
メタルフォーゼ・ミスリエル 2
メタルフォーゼ・オリハルク 1
フルメタルフォーゼ・アルカエスト 1
パラメタルフォーゼ・アゾートレス 1
ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム 1
閉ザサレシ世界ノ冥神 1
召命の神弓-アポロウーサ 1
アクセスコード・トーカー 1
トロイメア・ユニコーン 1
トロイメア・フェニックス 1
灼熱の火霊使いヒータ 1
サクリファイス・アニマ 1
No.3 地獄蝉王ローカスト・キング 1
幻影騎士団ブレイクソード 1
短いまとめ
・先攻の目標はミスリエル+重錬装+カウンターまたはコンビネーション
・後攻の目標はできるならP展開で勝ち、でなければ先攻に似た動きで4ターン目の勝ちに近付ける
・ミスリエルでデッキとEXデッキのメタルフォーゼカードを調整し、常に次のターン動けることを意識する
・エレクトラムが止められても、ミスリエル+重錬装、またはアルカエストは出せるように立ち回る
2.軽い解説
2-0.表記上の注意
メタルフォーゼ・○○は単に○○と書きます。×錬装融合は単に×錬装と書きます。そして全体的に、一度正式名称を記したカードのカード名は適当に省略します。特に、増殖するG、灰流うららはそれぞれG、うららと略します。
一部で盤面説明用の画像が用いられますが、上下が逆のカードは「このターンにP効果を発動した状態」を意味します。
2-1.基本思想
標語は「後続を用意しながら無理せず1妨害(アルカエスト)、できれば重錬装で」。具体的には、先攻終了時の理想盤面を「フィールドにミスリエル、重錬装、カウンター、コンビネーション、EXデッキにエレクトラム、手札に通常モンスター、さらに手札かPゾーンに共通P効果持ち」とします。ただし理想というのは本当に理想で、現実的にはコンビネーションかカウンターのどちらかということが多いです。この思想は、メタルフォーゼというテーマの以下の特徴に基づいています。
(i)最大限の展開をしても、そのまま勝てるような制圧盤面は敷けない。せいぜい汎用高リンクが置ける程度。
(ii)そもそも、1枚はもちろん2枚ですら満足に動き出せず、メインデッキの大部分をメタルフォーゼカードに割く必要がある。また、魔法罠ゾーンも多様するため大量の罠による低速ゲームも見込めない。
(i)について
相手の動きに単体で直接影響するメタルフォーゼカードはアルカエストだけです。もちろんこれ1枚で勝てるようなゲームではありません。また、例えばP召喚による大量展開を活かして4体素材のアポロウーサを出したところで、単騎ではあまりにも脆弱であり、リターンがリスクと釣り合っていません(アポロウーサが"他のついで"に出せるなら強いでしょうが、メタルフォーゼの先攻展開にそこまでの横並び性能はありません)。これにより、強初動によるショートゲームというプランが取れません。従って、一度の展開で勝ちに大きく近づくという欲を捨てます。どんな展開も、次の展開の準備であることを意識してゲームを進めます。
とはいえ丸裸では一瞬で負けてしまうため、もちろんアルカエストは狙います。アルカエストとカウンターからのバニッシャーで延命を試み、返しの再展開が叶うようお祈りします。
(ii)について
文字通りです。これにより、安定した弱初動あるいは重厚なリソースと汎用妨害罠によるロングゲームというプランも取れません。従って(i)も踏まえ、ある程度の強さを持つ展開を維持しつつその裏でリソースを溜めていき勝負の準備を進め、隙を見て攻めに転ずるというプランを取ることにしました。メタルフォーゼ魔法罠に容易にアクセスでき、短期的にはそこまでのパワーはないが確実にアドバンテージを獲得でき、かつそれを使い回すことも可能という強みに頼るわけです。そうして機が熟したところで意識を切り替え、P召喚の暴力展開で攻めに転じることができるという点がメタルフォーゼというテーマの強みだと考えます。
2-2.基本思想と、バオバブーンとマジシャンズ・ソウルズの関係について
上記の思想に基づいて、下振れ防止カードとしてバオバブーンを、上振れカードとしてマジシャンズ・ソウルズを採用しています。この二種は手札のメタルフォーゼ確保役としても活躍し、破壊P効果を持つメタルフォーゼが16枚という控えめな構築でもある程度の手数を確保できます。
(i)バオバブーン
手札に来たメタルフォーゼ魔法罠を戻しつつ、共通P効果の的及びX/L素材を確保します。効果の性質上"弱い引き方"がほぼなく、下振れ解消に大きく貢献する、思想通りのカードです。例えば共通P効果持ち1枚のみとバオバブーンという初手でも、バオバブーンを破壊した時点で合計3回の手札交換を行うことができ、そこでメタルフォーゼモンスターや増殖するG、灰流うららを引けば状況は大きく変わります。2回目と3回目の手札交換は、デッキから引きたくないカードを3枚も引き抜いた後に行うため、有効札を引く確率も上がっています。もちろん、素引きしたメタルフォーゼ魔法罠を戻すことの重要さは語るまでもありません。ただし特殊召喚効果にGが刺さりやすい点は注意。2体並んだ後、先攻ではローカストキングに、後攻ではブレイクソードや各種高リンクになります。特にブレイクソードは、1体目のバオバブーンを破壊してセットしたコンビネーションを破壊できるため、スケール再建に大きく貢献します。他にも惑乱のゴシップ・シャドーならニビルを気にせずエレクトラム展開もできますが、本構築では不採用です。詳細は 3-5.ゴシップ・シャドーエレクトラムの利点とは に譲りますが、結論から言うと、バオバブーンゴシップ・シャドーの後にエレクトラム展開をすることによるリターンが余り大きくないからです。
(ii)マジシャンズ・ソウルズ
メインデッキ内最強の上振れを担当します。錬装融合とコンビネーションは場から墓地へ行くことでそのまま手札を1枚増やすため、ソウルズと組むことで凄まじいハンドアドバンテージを生みます。メタルフォーゼが雑かつ確実に増えるためエレクトラムもほぼ確実になり、手数が一気に増えます。灰流うららや無限泡影を受けても魔法罠の墓地効果のおかげでマイナスにはならないため、比較的少ないストレスで運用できます。また、ここで無限泡影を釣り出せた場合、エレクトラムが通りやすくなります(ドローを嫌ってソウルズに使う方も、エレクトラムまで温存する方も見かけます。体感では半々でしょうか)。召喚用コストは主にクロノグラフ・マジシャンですが、デッキにアストログラフしかない場合は通常召喚します。
3.ちょっと細かい、具体的な解説
※ここにある全ての内容は先攻を想定しています。後攻時は繊細なことを考えている余裕はありません。手札で可能な最大展開を目指しましょう。でなければゲームが成立しません。
3-1.先攻の動きとアルカエストについて
前述の通り、メインの妨害としてまずはアルカエストを目指します。しかし、先攻で出すことは避けます。相手の初手無限泡影や、ちょっとした囮で無力化されてしまうからです。可能であれば、重錬装融合による相手ターンの融合召喚を狙います。
具体的には、例えばビスマギア込みのメタルフォーゼ4枚でエレクトラムを出しアストログラフをEXデッキに置いた後、
以下の盤面を経て、
ここへ辿り着きます。
先攻でエレクトラムを出した後、混錬装融合でアルカエストではなくミスリエルを出す動きは、1枚余計に融合(重錬装)が必要になる代わりに、以下の利点を生みます。
(i)エレクトラムと魔法罠をデッキに戻せる。
どちらも次の動きの強弱に大きく関わるため、重要です。
(ii)ミスリエルが融合素材となることで、蘇生したPモンスターの効果発動が狙える。
どこかでビスマギアかメルキャスターが絡んでいれば、それらを蘇生することで壁にしながらPカードの補充を見込めます。相手がそれを嫌って残した場合はエレクトラム召喚のハードルが下がるため、どちらに転んでも美味しいです。逆に言うと、ここで除外やバウンスを受けると敗北が一気に近付くということですが。
(iii)質の低い囮に釣られずに済む。
初手無限泡影に無力化されないことは上述の通りですが、そのほかにも安易な除去効果に耐性を持たせられます。アルカエストを出していれば対象をとる除去にも釣られざるを得ませんが、ミスリエルの場合はミスリエルを処理しにきた効果にチェーンして重錬装で対処することができますし、場合によっては効果を通し、ミスリエルの効果で蘇生したモンスターを融合素材にすることもできます。対象を取らない除外・バウンスであれば適切に処理されてしまいますが、それほど質の高い除去が相手では仕方ありません。
(iv)原始生命態ニビルの被害を軽減できる。
まず前提として、エレクトラムを最小回数で出した後、アストログラフを出したところで4体目の召喚・特殊召喚。この先はニビル圏内となります。ここで混錬装でアルカエストを出しニビルを受けると、妨害を失い、墓地のエレクトラムらは回収できず次の動きも弱いというほぼ詰みの状態となります。一方ミスリエルであれば、召喚直後にニビルを受けた場合エレクトラムの回収はできませんが、ミスリエルの蘇生効果でPモンスターを供給でき、ものによっては被破壊時の効果で次のターンの準備が期待できます。でなくとも、原始生命態トークンと融合してアルカエストを出せるため、ここの違いは大きいです。また、相手視点では先攻のミスリエル召喚時にニビルを使うのは勇気がいるため、ミスリエルの効果は通るということは結構あります(ミスリエルのバウンスで直接被害がないこと、「まだ展開の終着点ではなさそうだしアポロウーサ圏内でもないからもっと吐かせるまで待とう」という欲が出ることから)。そうなれば、エレクトラム回収を実現し、ニビルが来てもアルカエストは出せることになります。
3-2.エレクトラムが出ない手札での動き
バオバブーンかソウルズという手札調整カードがなく、共通P効果持ちが3枚しか無い場合、なんとか混錬金を絡めてアルカエストを出します。既に述べた通り避けたい動きであり、かなり苦しいです。より具体的な内容は 6-3.P召喚可能な3枚 に譲ります。
なお、共通P効果持ちが2枚しかない場合はいよいよコンビネーションを置いてエンドしかありません。
3-3.中盤以降の動き
常にミスリエルでデッキ内のメタルフォーゼカードをコントロールし、共通P効果を発動できない場面が起きないよう立ち回ります。この動きを保つために、2体目のミスリエルで1体目のミスリエルを戻すことも多いです。場合によってはエレクトラムを戻さない選択をすることもあります。
3-4.コンビネーションかカウンターか
中盤以降、または下記3点いずれかに該当する序盤ではコンビネーションを優先し、そのほかではカウンターを優先します。
(i)すぐ墓地へ送るアテ(ソウルズやブレイクソード)がある、
(ii)何もできない(共通P効果持ちが2枚以下)、
(iii)ミスリエル重錬装は揃うが後続のアテがない。
(i)については自明です、強いので。(ii),(iii)については、2ターン目を凌いでも3ターン目に展開できなければ勝てないからです。3ターン目の展開を円滑に行うための後続確保用にコンビネーションを置きます。ただし、カウンターの発動あるいは墓地へ行くことが見込める(相手の主要な除去が破壊である)場合はカウンターの墓地効果を期待してカウンターを置いてもよいです。
3-4'.カウンターの重要性について
まず前提として、2ターン目の攻防が勝敗を分かつという意識が重要です。より具体的に表現すると、相手の後攻展開を捌きつつ、スケールやコンビネーションを残して3ターン目を迎えることができれば一気に勝ちに近づき、それができなければ一気に負けに近付くということです。
それを踏まえると、カウンターは2ターン目の防御を固めながら3ターン目の攻め手を追加する重要な役割を担います。前述の通り、基本プランは「中速ゲームを心がけつつ、隙を見てP展開で勝ちに行く」です。カウンターを発動しバニッシャーを召喚することはこのプランの実現に大きく貢献します。除外効果で相手の攻め手を遅らせつつカウンターの墓地効果が後続を確保し、場合によっては3ターン目の攻め手にバニッシャーを追加することができます(カウンターで回収しP召喚後に自信の効果で特殊召喚してもよいですし、ミスリエルを展開に絡めてその効果で特殊召喚してもよいです)。従って、コンビネーションを置かずとも後続のアテがある場合は積極的にカウンターを置きます。ただし、カウンターの発動機会に恵まれなかった場合はまだしも、カウンターやその周辺を適切に処理された場合の損失は大きく、敗北に大きく近付きます。
3-5.ゴシップ・シャドーエレクトラムの利点とは
先に要点をまとめると、
(i)エレクトラム+アストログラフは(このデッキでは)盤面を強める動きではなく後続を用意する動き、
(ii)後続を用意する動きをニビルを踏まずに行えることが重要であって、踏んでしまうなら無理して行うべきではない、
(iii)従って、バオバブーンの後のエレクトラムは慎重に行うべき、
(iv)バオバブーン後に、ビスマギアやメルキャスターを絡められない場合は後続のために仕方なくエレクトラム展開を行う、
(v)ゴシップ・シャドーを置いてエレクトラム展開をした場合でも、勝つために重要な3ターン目の要求値はそこまで下がらない。
といった具合です。
エレクトラムとアストログラフの組み合わせはとてつもないアドバンテージを生み出す非常に強力な動きですが、それが本構築で何をもたらすかを考えてみます。前述の通り、メタルフォーゼ4枚からエレクトラムを出した後は、ミスリエルだけを残しターンを渡します。エレクトラムとアストログラフで増やしたカード(2枚、破壊するカードによっては3枚)を用いてさらに展開することはありません。重要なのは、P召喚可能なメタルフォーゼ4枚から動くなら、ミスリエル重錬装カウンター(+融合素材)を構えることは可能だということです。ただしメルキャスターかビスマギアを絡められない場合はアルカエストを出したところでメタルフォーゼを使い切る(Pゾーンのカードをミスリエルで戻してようやく1枚確保できるが、それはアルカエストの素材のために持っておく)ため、カウンターの墓地効果までこぎつけないと返しが相当辛くなります。そこでエレクトラム+アストログラフで手札にメタルフォーゼを抱えておくことで、融合素材だけではなく返しの札を事前に確定させておくわけです。従って、後続を用意できない手札の場合にやむなくエレクトラム展開に移行するわけです。
さてこの視点から、ゴシップ・シャドーエレクトラムを見てみます。
バオバブーンを2体並べ、効果を処理した後、後続を用意できないと判断しエレクトラム展開に移行します。ここでゴシップ・シャドーを出すことでニビルを気にせず展開できるわけですが、相手がニビルを持っていた場合、ニビルを手札に残したまま相手の手札を1枚増やしてしまいます。従って、こちらはその後、相手の6枚(ニビル抜き)展開を凌いだ上で、返しにニビルを受けない展開を強いられます。これはこちらの手札がゴシップ・シャドー込みで3枚増えることを考慮しても非常に重く、うまく増殖するGや灰流うららを引けてようやく現実味を帯びるレベルです(標準的なデッキと、本構築の"1枚の強さ"の差に由来します)。一方相手がニビルを持っていなかった場合は、無事素材持ちゴシップ・シャドーとミスリエルを並べつつターンを終えるわけですが、返しまで考慮した盤面強度はローカストキングとミスリエルが並んでいる方がやや上です。必要素材数の違いはもちろんですが、ここでもやはり相手がカードを1枚引くという事実が重くのしかかります。
以上を考慮すると、ゴシップ・シャドーが上振れを思いのほか引き上げない一方で、下振れを少し引き下げるわけです。これは基本思想に合いません。従って本構築ではローカストキングを優先し、後続を用意できるか否かによってエレクトラム展開を行うか判断する形にしています。ビスマギアかメルキャスターを含み上下スケールを揃えたメタルフォーゼが4枚ある場合、後述の 6-1.ビスマギアを含む、P召喚可能な4枚 または 6-2.メルキャスターを含む、P召喚可能な4枚 に記した手順でミスリエルを構えましょう(ローカストキングの召喚は後に回し、5体目の召喚がミスリエルになるようにします)。後続のために行ったエレクトラム展開の途中でニビルを踏んでしまった場合は、混錬装で原始生命態トークンを素材にアルカエストを直接出し全てを託しましょう。
なおバオバブーンの後ソウルズまで絡み、メタルフォーゼが5枚揃うような凄まじい上振れを迎えた場合、エレクトラム召喚前後にニビルが来ようと重錬装+ミスリエル+後続(+融合素材の原始生命態トークン)を実現できるため、そこまで来たら突き進んで良いです。
ついでですが、ソウルズから入りエレクトラム展開を行った場合、アストログラフが5回目となり、チェーン処理後や混錬装にチェーンでニビルを発動された場合は微妙です。少なくともアストログラフで調達したメタルフォーゼが1枚はあるため、全体に余裕があるならそれとEXデッキの何かでミスリエルを出し、重錬装を伏せます。余裕がなければ原始生命態トークンとEXデッキの何かでアルカエストを直接出します。
4.採用カードについて
4-0.Pモンスターの枚数
共通P効果を持つモンスターが上下8枚ずつで16枚、デッキの4割に相当するため、初手で2枚引くことが期待できます(ドロー確率計算サイトによると、2枚以上引く確率が約67%、3枚以上引く確率は約30%とのこと。約33%で1枚以下が発生するわけですが、Pの構造上の問題だと思って諦めましょう。ちなみにフル投入の18枚でも約25%で1枚以下になるようです。苦渋の決断や召喚師のスキルの採用によりもう少し下げることができます)。初手に1枚では何もできないため、この枚数は割れません。実際には残りの24枚の中にバオバブーンという調整役と、アストログラフ及びソウルズというかさ増し役がいるため、実質枚数はやや多いです。ゴルドライバーとヴォルフレイムが2枚しかないのは枠の都合です。本当は3枚ずつ採用したいので、三戦の才と3枚目のソウルズあたりを抜いてこれらを3枚にするのもありだと思います。
4-1.召喚権枠としてのバオバブーンvsレスキューラビット
(i)基本思想との合致、(ii)増殖するGと灰流うららの流しやすさ、の二点を理由にバオバブーンを優先しています。
(i)については単純で、上振れを強めるが同時に強烈な下振れ(Gうららの直撃)の危険もあるレスキューラビットよりも、下振れを回避するバオバブーンの方が思想に合っています。
(ii)について、灰流うららに関しては一目瞭然です。レスキューラビットは1:1交換ではありますが全てを失います。バオバブーンの場合、召喚時効果に使われれば0:1交換(普通は使われませんが)、破壊時効果に使われても既に手札交換+メタルの的という役割を果たした後です。ただし、うららを受ける危険を考慮して伏せるカードを考えることは重要です。
増殖するGに関してはバオバブーンもかなり痛いですが、レスキューラビットのそれに比べるとやや軽いです。手札交換は果たせますし、放置して壁にしても、的になり切らず残るものがいても良いためです(感覚的な話ですが、ラビットがGを受けたとき程の"対処や不自由を強いられている"感覚がバオバブーンの場合にはありません。大げさな言い方をすれば、"選択権がこちらにある"感覚すらあります)。
なお、無限泡影やエフェクト・ヴェーラーに関して、バオバブーンの優位性は一目瞭然です。PSYフレームギア・γに対してはうららと同様。
4-2.墓穴の指名者、抹殺の指名者
最大展開で叩く/潰すという狙いはなく、Gとうららを程よく流すのが理想なので不採用です。もう少し正確に言えば、枠を割いてまでGとうららの被弾を避けたいカードはバオバブーンとソウルズだけであり、それらは既にGとうららの受け方を内包しています。具体的には次の通りです。
ソウルズvsG...1:1交換の上、ドロー効果に影響なし。なおその後は、特殊召喚を行わずアルカエストの素材と重錬装を構える必要があります。コンビネーション×2の方がその実現には近いですが、デッキリソースを考えるとコンビネーション+錬装融合とする方が望ましいです。従って、何を伏せるかを決めるために、共通P効果の前にソウルズを発動しGチェックをするという手もあります。
ソウルズvsうらら...ドロー効果のコストを必ず錬装融合かコンビネーションにすることで、0:1交換に持ち込める。
バオバブーンに関しては直上(4-1)の通り。
従って、墓穴とバオバブーン/ソウルズを揃えて使うことは「上振れの強化」となり、基本思想に反します。実際、上振れといってもそれだけで勝てるような上振れではありません。ただし、エフェクト・ヴェーラーが広く見られる環境では、エレクトラムへの被弾が無視できないため検討の価値があります。現状はそれよりも無限泡影の被弾が深刻な問題なので、優先して検討すべきは抹殺の指名者です。それも無限泡影を追加する枠がないため断念しています。
4-3.三戦の才
好みです。それらしい理由を挙げるなら、先攻の混錬装やバオバブーンに増殖するGを受けた後、(i)重錬装まで置ける→ハンデスでアルカエストの強度を高める、(ii)重錬装が確定していない→ドローで手数を増やす、という保険に用います。他にもスケールを置いたところで増殖するGを受けた場合、一方的に枚数差をつけることもできます。また、引き方と盤面によっては3ターン目のイージーウィンに繋がります。
4-4.ミスリエル
重要です。デッキ内のメタルフォーゼカードを保つために必須なので、ミスリエルがなくなることは避けたいです。実際は墓穴の指名者が直撃し2枚目が無力化され、同時に1枚目の回収に失敗する場面もままあることから、一部リンク枠を削って3枚目の投入も検討の価値があります。また、共通P効果で伏せた重錬装を戻してそのターン中に発動という小技もあります(がら空きなので決めに行きたいが、ニビルを警戒してバトルフェイズ中に打点を伸ばしたいときなどに有効)。
4-5.オリハルク
稀にイージーウィンを生みます。オリハルクだけでなく全てのメタルフォーゼが倍貫通になるため馬鹿にならない火力を秘めています。一時期デュガレスによるワンショットキルを夢見ていましたが、夢のまま終わりました。また、盤面に触ることが重要になる相手では、最初のアルカエストの素材としてミスリエルより優先されることもあります(もちろんエレクトラムを出した後にオリハルクアルカエストをしてしまうとエレクトラムを戻せないため、オリハルクを出す場合はエレクトラムを介さないようにします)。
4-6.アゾートレス
重いです。積極的には狙いません。しかし、次の二点で局所的に重要な役割を持ちます。
(i)コンビネーションがあるときにミスリエルを素材に出すことで、破壊効果、コンビネーションの蘇生効果、ミスリエルの蘇生効果の3つを起動する。
アゾートレスがレベル7であるため、素材にしたミスリエルをコンビネーションで蘇生できます。これは重錬装でミスリエルアルカエストの準備はしたがアルカエストを出さなかったエンドフェイズや、2ターン目のミスリエルが生存し混錬装が手元にある3ターン目などに活躍し、大量のボードアドバンデージを生みます。特に前者では事前に伏せなどを払い、次のターンはエレクトラムから入ることができ、ニビル前にアポロウーサも成立し勝ちが一気に近付きます。
(ii)ミスリエルを素材にすることで、蘇生したモンスターと共にエレクトラムの素材になれる。
P召喚前にエレクトラムを出す方法の一つです。ただし、先攻でこれを行うと様々な裏目が生まれるため、3ターン目か、覚悟を決めた後攻のゲームで狙うことにしましょう(エレクトラムに無限泡影、アストログラフ前後にニビルなど、消費したエレクトラムと融合魔法の回収もかなわず展開が潰れる危険があります)。
4-7.各種リンクモンスター
エレクトラム以外は、使えそうなものを採用という感じです。P召喚を考慮してマーカーやリンク素材を選び、あとは好みです。
(i)アポロウーサ
詰めの場面で出します。大量P召喚の場所を確保しつつニビルを無力化します。先攻では出しません、脆いので。
(ii)アクセスコード・トーカー
アポロウーサを出す余裕がない、またはP召喚から展開を始めた場合の詰めでよく出ます。ミスリエルを巻き込んでトロイメア・ユニコーンを出せば召喚できます。
(iii)閉ザサレシ世界ノ冥神
厄介な耐性を貫通する除去枠です。エレクトラム+アストログラフ+何か+相手モンスターか、ヒータ+ヒータで出したうらら+何か+相手モンスターで出すことが多いです。
ここは適当な高リンク枠としていくつか選択肢があります。例えば双穹の騎士アストラムはアクセスコードと同じくミスリエルを巻き込んだユニコーンで召喚できますが、それにより召喚可能タイミングが被ったため抜きました。詰めの場面とそうでない場面とで使い分ける場合は有用です。
(iv)トロイメア・ユニコーン、フェニックス
強いです。
(v)灼熱の火霊使いヒータ
マーカー確保枠です。相手のうららを奪ってリンク数を伸ばすことができます。マスカレーナと選択(アストラムを採用するならマスカレーナ優先)。ただしマスカレーナによる相手ターンユニコーンは、手札コストが重いため積極的には狙いません。
(vi)サクリファイス・アニマ
ソウルズとビスマギアを素材にできるリンク1枠。サイドからニビルを入れた場合などは積極的に利用できます。
(vii)リンクリボー
今回は採用されていませんが、見た目以上のいい働きをします。リンクリボーがいるとほぼ確実に最初の攻撃がリンクリボーへ来るため、そこで効果を使わず戦闘破壊されることでカウンター+バニッシャーをかなり強く使えます。また、トロイメア・フェニックスとの相互リンクも狙えます。アニマを使いたい強い理由(環境に強い上マーカーがいる、ニビルを積極的に使いたいなど)がない場合はリンクリボーの方が強いと思います。
5.ちょっとネガティブな話
5-1.苦手なカードが多い
流行の暴力カード天霆號アーゼウス、一部環境デッキのメタとして採用されるコズミック・サイクロン、罠デッキと共に復権しつつある神の宣告・通告…など、Pの構造上苦手なカードが多く見られ、"ついでに刺さる"事件が頻発します。鉄獣の抗戦メタを中心に採用が増えている屋敷わらしも、ミスリエルの回収効果が止まるため刺さります。また、より強力なPデッキ(魔術師やエンディミオン)へのメタカード(魔封じの芳香や醒めない悪夢、王宮の勅命など)も当然刺さります。プレイでカバーできる範囲を超えるとどうにもなりません。元々最高展開ではなく6割程度の動きを繰り返すことを目標としているため、妨害を受けて2割程度の動きになるか、無理矢理6割まで引き上げても次の動きが取れないというということになります。
また、シャドール、エルドリッチ、LLのように、メインの動きに(実質)スペルスピード2の墓地除外が組み込まれている場合、メタルフォーゼ魔法罠を除外され、基本思想どころかカテゴリのコンセプトまで崩壊します。言うまでもなく、フィールドを除外・バウンスしてくる場合も非常に辛く、特に鉄獣戦線のシュライグや双龍、召喚獣のメルカバーなどが致命的に刺さります。南無。
(7/24追記ここから)
BODE新規の相剣相手はかなりきついです。手数が多く重錬装アルカエストでは追いつかず、カウンターの発動条件を満たす頃にはバロネスがいて無意味。またこちらが後攻の場合でも赤霄+バロネスの構えが非常に重いです。極めつけは承影で、対象を取らない除外が信じられないくらい刺さります。墓地のメタルフォーゼ魔法罠を除外されることでプランどころかコンセプトまで崩壊します。これはもう構築レベルで重いの域に達しており、相剣が多くなることを想定するなら何らかの手立てを打たなければなりません。
もしかしたらもっとマッチを重ねると何か見えてくるのかもしれませんが取り急ぎ。
(ここまで)
5-2.下振れが無視できない
何もできない初手(例:Pが1枚以下、2枚あっても他に的やソウルズがない)が、ある程度無視できない確率で発生します。これにより、先攻を取ったのにコンビネーションを伏せておしまいという、勝ちを捧げるだけのゲームがそれに近い確率で起こります。これは致命的な欠陥で、感覚的には事故率が高い割りに展開力/制圧力がずっと低い電脳堺という感じです。上振れだけを狙っては現代のゲーム性に合っていないため欲張らない展開を目指すデッキとしたわけですが、その結果下振れの幅が強まってしまった感じがします(負けにくいデッキを目指した結果、絶対に勝てない場面が生まれる確率が上がってしまったといいますか)。いつか、これを考慮した別の思想に基づくメタルフォーゼの構築を考えようと思います。
なお本構築の"思想枠"は、バオバブーン3枚、マジシャンズ・ソウルズ3枚、クロノグラフ1枚、微妙ですが三戦の才1枚の合計8枚です。基本思想を変えて別のプランを軸にしたデッキを考える場合は、まずはこれらを抜いてできた枠で色々考えることになります。考えます、いつか。
6.(おまけ1)具体的な動きなど
エレクトラムを出せない/出さない場合を紹介します。
※基本的に4枚揃っていればエレクトラム展開を行いますが、バオバブーンやソウルズから入っている場合はニビルの直撃を警戒して出さない選択肢もあります。
6-1.ビスマギアを含む、P召喚可能な4枚
ラッキーです。ビスマギアで1回、P召喚後にビスマギアを破壊して2回、
EXモンスターゾーンを巻き込んでミスリエルを出した後、3回目の破壊を行うことで、EXデッキ、手札に1枚ずつメタルフォーゼを確保できます。
さらに、ミスリエルでPゾーンのカードを戻せば手札には2枚残ります。
6-2.メルキャスターを含む、P召喚可能な4枚
ラッキーです。先にメルキャスター以外で1回破壊、メルキャスターで2回目の破壊を行った後P召喚、
メルキャスターを破壊した後EXモンスターゾーンを巻き込んで融合することで、EXデッキ、手札に1枚ずつメタルフォーゼを確保できます(メルキャスターの破壊と融合は逆でも確保数は変わりませんが、後にミスリエルの効果でメルキャスターを蘇生できる可能性を考えると、EXデッキにはメルキャスター以外を置いておく方がよいです)。
さらに、ミスリエルでPゾーンのカードを戻せば手札には2枚残ります。
(追記): 最近(2021年10月、2022年1月環境)はハイスペックな中速ギミック(相剣やふわんだりぃず、中速デッキの勇者や烙印など)に抗うために、エレクトラムが通った場合は可能な限りカードを集めにいきます(もちろんミスリエルでエレクトラムコンビネーションを戻し次に備えるという基本は変わらない)。具体的には、ミスリエルでアストログラフを戻し先攻中にもう一度アストログラフを起動します。罠が強い環境になりつつあるので、(デスフェニが環境から消えた今でも)コンビネーションアゾートレスは狙いに行くこととも関係しています。普通はエレクトラムアストログラフを1回通したところで手札に新品のPがあるので実行可能です。これに失敗しないよう、メルキャスターで拾うカードやアストログラフで手札に加えるカードには気を付けます。
6-3.P召喚可能な3枚
このあたりから厳しくなり、コンビネーションを置くことも考慮する必要があります。また、ビスマギアを含まず、他に的も無い場合、重錬装ミスリエルを揃えても、Pゾーンのカードを戻してようやくアルカエストの素材が揃うだけで、他に罠も置けません。仕方がないので、コンビネーションを置き、混錬装でアルカエストを直接出してターンを渡します。
ビスマギアがある場合はラッキーで、(i)混錬装でアルカエストを出す動きの後、手札に1枚メタルフォーゼが増える、または(ii)重錬装、混錬装を起き、重錬装+ミスリエルに全てを賭ける(ミスリエルで戻したPゾーンのカードと、ビスマギアの効果で手札に加わるカードが融合素材及び後続になる)動きが取れます。3枚のメタルフォーゼ以外に、コンビネーションかカウンターを素引きしていれば(ii)は理想盤面に近いです。素引きがなければ(i)が丸いと思います。
7.(おまけ2)サイドチェンジについて
使用する環境の上位シェアや苦手相手を意識して行います。
メタルフォーゼ特有の利点としては、超融合(+カーディナル)を広く使えることです。また、禁じられた一滴は錬装融合とコンビネーションをコストにすることで損失を回復できます。
むしろ相手からのメタをメタることが重要かもしれません。例えば先攻想定であれば、王宮の鉄壁やアーティファクト-ロンギヌスは、一部の主要デッキをメタりつつ相手側のコズミック・サイクロンやマクロコスモスを無力化でき(る可能性があり)ます。
問題は抜くカードで、メタルフォーゼモンスターの枚数を減らすと自分の動きを阻害しかねません。なるべくそれらは抜かないことにして、次の意識で抜くカードを決めます。
(i)先攻用チェンジ
相手のデッキタイプや予想されるメタカードに応じて細かい調整を行うだけで、大きなプラン変更はありません。
(ii)後攻用チェンジ
単純に後攻で弱いカード...2枚目のコンビネーション、重錬装、カウンター。
ゲームが成立しないと役に立たないカード...コンビネーション、2枚目の混錬装、バオバブーン(後攻で手札を入れ替えつつブレイクソードになりコンビネーションを破壊という動きは強いので微妙なところ。コンビネーションを減らした影響が無視できない場合や大きな入れ替えが必要な場合に抜く)。また、バオバブーンを抜いた場合はソウルズを通常召喚しても困らないためクロノグラフも抜きます。
ただし後者(ゲームが成立しないと役に立たないカード)は低速デッキ相手には重要な役割を持つので抜きづらいです。
8.(おまけ3)イリュージョン・オブ・カオスについて
BACHで追加されたサーチカード。性質上うららに0:1交換を強いることができ、下振れを嫌うこのデッキに合ったカードです。言うまでもなく、本構築ではソウルズのサーチカードとして使用します。クロノグラフの、ソウルズのコストとしての役割をイリュージョンに任せることもできるため、ヴォルフレイムを1枚追加できるようになります。このカード自体については至るところで語られていると思うので、ここでは本構築での採用についてのみ語ります。発売直後で使用感はまだ掴み切れていませんが、間違いないと思われる考察だけを書いていきます。
結論からいうと、ソウルズ1枚をイリュージョン1枚と入れ替えるのが良いと考えています。しかし、下記 ソウルズとの合計枚数を増やす場合 についての考察・試験運用が未だ十分でないため、これが最良の選択かは判断しかねます。
ソウルズとの合計枚数を3枚から変えない場合
ここで検討するべきは、採用の仕方を変更することによって新たに生まれる"弱い引き方"です。デッキ全体としての運用自体は、手札にあるイリュージョンをソウルズと読み替えるだけでほぼ変わりないからです(一応、イリュージョンでメタルフォーゼ魔法罠を戻すという新たな選択がある分微妙に異なってはいますが)。従って、以下引き方別に考えていきます。
(i)ソウルズ1枚をイリュージョン1枚と入れ替えた場合
ソウルズとイリュージョンいずれかが1枚だけ手札に来る場合は入れ替え前と変わりません(むしろうららの受け方の面で入れ替え後の方が強いと思われますが、そこは今回は議題にしません)。よって検討すべきはI.ソウルズ1枚とイリュージョン1枚、II.ソウルズ2枚とイリュージョン1枚、を引いてしまう場合の二つです。
I.について これは明らかに入れ替え後の方が強いです。まず、イリュージョンをデッキ内のソウルズと変換することでソウルズの特殊召喚効果が(アストログラフを消費せず)2回使えます。これは元構築に対する明確な利点です。また、相手がうららを持っている場合にこちらの有利を生む可能性があります。すなわち、イリュージョンにうららが来た場合はソウルズがうららを受けずに済みます。こちらにサーチ先がソウルズしかないと相手が分かっている場合はまずうららは来ないでしょうが、知られていなければ可能性があります。
II.について これも入れ替え前の方が強いです。というのも、ソウルズ3枚を引いた場合、1枚目は特殊召喚、2枚目は通常召喚、3枚目は通常召喚という未来がほぼ確定します。2枚目までは戦力に加算してもよいですが、3枚目は既に腐っているとみなすべきです。それがソウルズであろうとイリュージョンであろうと大差ありません。そして実際にこの手札を手にした場合、1枚目を特殊召喚の上P効果の的にし、通常召喚した方が効果を発動という流れになると思うので、3枚目はまだ次のターンに活躍の可能性があります。その点イリュージョンは場に出て的になることができないため、入れ替え後の構築では的か次のターンのソウルズどちらかを諦める必要があります。
上記二つの場合を考慮したうえで、II.が起こる確率はI.が起こる確率より低いため、設定(i)の下では入れ替え後の方が強いと考えられます。なおここでは同時引きの場合しか考慮してませんが、ターンを跨いで段階的にこうした引き方をする場合でも大きく変わりません。しかし実際には、ソウルズを引いた時点でデッキのイリュージョンがコストになるためそうしたことは起きないはずです。
(ii)ソウルズ2枚をイリュージョン2枚と入れ替えた場合
これは明らかに入れ替え後の方が弱いです。詳細を記すまでもなく、ソウルズとイリュージョンを1枚ずつ引くという新たな弱い引き方を生みます。またそれは段階的に引く場合でも発生します、すなわち、ソウルズだけを引いた場合、それ以降完全に死に札となったイリュージョンを引く危険があります。以上から、細かく議論するまでもなく(ii)は悪手です。
ソウルズとの合計枚数を増やす場合
これはまだ考察・検討不足です。合計4枚くらいであれば基本思想と構築を崩すことなく上振れのチャンスを増やせると思うので、試す価値はあると考えています。5枚以上の場合と併せて、十分な考察と運用を終えた後に改めて追記しようと思います。
9.(おまけ4) サンプルリプレイ(随時更新)
筆者(ID: 320-117-332)がマスターデュエルで撮った何本かのリプレイを公開しています。フォローなしでもプレイヤー情報からリプレイを再生できるので、具体的な動きなどが気になる方はご覧ください。なおミッション消化やスコア稼ぎのため一部不自然な動きをしている部分があります。普通にプレイミスということもあります。ご了承ください。(2023/01/23 追記) 録画したものを Youtube に置く形に変更しました。こちら( https://youtube.com/playlist?list=PLX44RHVtmboeHqw8VrQxn7MR9UDFIkiXi ) をご覧ください。なお当該アカウントをリプレイ置き場以外の用法で使う予定はありません。また、近い将来当デッキのリプレイを増やすかは未定です(現在はランク戦にて他のデッキを使用しているため)。イベントではよく使うのでイベントレギュレーションの動画は増えるかもしれません。
移行を受け現在マスターデュエル上で公開しているリプレイは近いうちに削除します。また、下記の説明文も削除します。
2022/01/23 19:10:26 (VS【@イグニスター】)は、中速型構築なりの上振れ展開(「バオバブーン」と「マジシャンズ・ソウルズ」が両方先攻で通る)の例で、やり取りはほとんどありませんがこのデッキの最大値が分かります。
一方後攻時の最高展開(バオバブーン+ソウルズ+メタル4枚)は 2022/04/02 04:18:46 (VS【転生炎獣】)で見ることができます。
2022/05/03 21:23:07 は長期戦サンプルとしてのVS【エルドリッチ】です。VS【エルドリッチ】の後攻は 2022/01/23 18:33:22 のように捲ります。スキルドレイン+御前試合程度なら、2022/03/15 13:50:41 のように処理します。
対罠デッキ以外でやり取り/捲り合いがあるのは 2022/05/07 00:58:14 (VS【召喚ドラグマシャドール】)や 2022/05/07 00:25:23 (VS【召喚デスピア】)です。
2022/04/10 16:50:32 (VS【シンクロ召喚】)は初手にメタルが3枚しかない場合のサンプルです。
2022/06/27 03:35:52 (VS【相剣】)は様々な幸運が重なってドラガイト赤霄バロネスを捲ったリプレイです。
10.(おまけ5) 本当に細かい話
ここでは 10-1.Pをサーチする順番(優先度)、10-2.魔法罠をセットする順番、10-3.3ターン目の動き、10-4.その他小ネタ について書いています。表題の通り非常に細かい話ですが、事前に考えておかないとプレイ中にちょっと迷う問題たちです。このあたりを詰めることは、75点のプレイングを78点のプレイングにする程度の問題であり、早い段階から取り組むことではありません(ある程度回数をこなすと身に付く内容でもある)。しかし微妙な違いとは言えカード1枚分の差を生むことも、それが勝敗を分かつこともあります。この内容で迷ったことがある方も、逆になんとなくでこなしていた方も、余裕があればどうぞ。
なお、以下の内容はあくまで基本であり、流行のカードや対面に応じて細かい部分は変わります。環境内の採用カードに強い偏りがない、または影響度の小さい偏りしかない場合を想定した内容です。
10-1.Pカードをサーチする順番(優先度)
簡易版
手札・場に無いスケールを持つもので、アルカエストの素材に困らない(そもそも重錬装に届かない、または既に通常モンスターを持っている)なら効果モンスターをサーチ。手札・場の上下スケールが同数ならデッキ内枚数の少ないスケールをサーチ。
詳細版
最初にかなり細かい注をしておくと、下記のような優先度判定は正確ではありません。実際には各要素に戦況に応じた重さを割り振り、それが最大になったものをサーチという感じです。しかし、そこに拘って違いが生まれるのは非常に稀です。
次の順番で(0,1)スケールが上か下か、(2)効果か通常か、(3)どの名前か、を決定していきます。
0.手札・場の中で少ないスケールを選択
手札内でスケールが偏る場面を避けるためです。合計は同数だが、手札内では差がある場合は手札内で少ない方をサーチします。例えば場に上1下0,手札に上1下2のような場合は上とします。
1.手札、場それぞれで上下が同数(0枚を含む)ある場合、デッキ内で枚数の少ない方を選択
ドローで上下が揃う確率を高めるためです。
2.アルカエストの予定があり、その上で通常モンスターが手札に無い場合は通常モンスターを選択。でなければ効果モンスターを選択
当然アルカエストの素材を供給するためです。フィールドに通常モンスターがあるが手札には通常モンスターがない場合は微妙です。万全を期して通常モンスターを選択してもよいですが、後の手札枚数を考えて効果モンスターにする方が多いです。
3.デッキ内の枚数が0枚にならないよう名前を決定
アストログラフでのサーチができない場面を避けるためです。例えば下の通常とまで決定している状態で、デッキの中身がシルバード2枚ゴルドライバー1枚だった場合、シルバードを選択します。ゴルドライバーをサーチした場合、後にゴルドライバーしか破壊されていない状況で発動したアストログラフの効果で1枚損をする可能性があります。
10-2.魔法罠をセットする順番
簡易版
1枚目→(P召喚→)→混錬装→重錬装→2枚目
※1枚目は、3-4.コンビネーションかカウンターか に基づいて優先する方を選択。そこで選択しなかった方を2枚目とします。
詳細版
1.混錬装を置くタイミングについて
混錬装は、Gの危険がある内は置きません。また、G適用状態では基本発動しません。というのも、こちらが融合して弱い1妨害を構えて得るリターンが、相手が攻め手を1手増やすことのリスクと釣り合っていないからです。従って、使わない魔法を置いても得にならない(罠を置けない分次のターンの損に繋がる)ため、それを避けます。
一方、エレクトラムが泡影やヴェーラーで止まった時のために混錬装を用意することは重要なので、エレクトラムの召喚前後で混錬装を置くことは必要です。従って、P召喚が通った後に、混錬装を置きます(下記~の理由でエレクトラム前としてありますが、P召喚が通った後でもGを警戒する方は先にエレクトラムを召喚してもよいです)。
2.1枚目に何を置くかについて(3-4.コンビネーションかカウンターか の詳細版)
1枚目は必ず、コンビネーションかカウンターです。4枚のメタルからエレクトラムルートを狙っている前提では、カウンター優先です。というのも、コンビネーションの後続供給を狙わずとも、最低限のリソースが保証されているからです。また、Gで展開を止められた際にも最低限の妨害を構えられるという事情があります(ただし、手持ちが上級ばかりでP召喚無しにカウンターの的となるモンスターを置けない場合は、カウンターを相手ターンに起動できる可能性が低くかつ、後続確保も困難な状況であるためコンビネーションとします)。ただし、ソウルズを持っている場合は上振れを目指してコンビネーションとします。Gをチェーンされても相手の手札枚数を変えずに、1ドロー1サーチコンビネーションカウンター(ビスマギアメルキャスターの絡み方によっては重錬装)まで見込めるためです。
10-3.3ターン目の動き
0.理想のフィニッシュ
まず、最も簡単かつ理想的なフィニッシュはユニコーン込アクセス(5300)+バニッシャー(2900)です。このために必要なことを逆算してみます。まず、エレクトラムアストログラフを通した場合、フィールドにエレクトラム+アストログラフが、手札にアストログラフでサーチしたメタルが1枚あります。EXデッキにはエレクトラムの素材になったカード(とエレクトラムで破壊したカード)があるので、混錬装があれば最低でも エレクトラム+アストログラフ+ミスリエル が揃うため、ミスリエルの蘇生効果を考慮すればリンク数が足ります。よって、(1ターン目にアストログラフをEXデッキに送った前提で)3ターン目に出したエレクトラムでバニッシャーを送れば理想を実現できます。1ターン目に必ずエレクトラムを戻すよう試みるのはこの辺の事情も絡んでいるわけです。
1.理想のフィニッシュのために
理想のフィニッシュのために必要なことを逆算します。まず、当然エレクトラムは通す必要があります。(カウンターが通ってない場合の)バニッシャーの供給、リンク数のかさ増し、アストログラフの起動という3つの役割を持つ最重要モンスターだからです。ヴェーラーや泡影をはじめとする効果無効はもちろん、ドランシアや幽鬼うさぎのような破壊すら痛いです。その一方、3ターン目の勝ちを狙う場面でミスリエルは(1ターン目と異なり)リンク素材+バニッシャーの供給という役割しか持ちません。つまり、バウンス効果が浮いています。よって、ミスリエルをP召喚前に伏せ除去要因に使うことができます。P召喚やエレクトラムへの妨害を事前に払うという意味でも、伏せがあるなら最初に混錬装でミスリエルを出して伏せを釣るところから始めるのが基本です。蘇生効果が1ターンに複数回使えるため、妨害を踏む段階で除去を受けてもエレクトラム後の役割に大きな影響はありません。エレクトラムさえ通ってしまえば、2体目のミスリエルを出してリンク数のかさ増しを狙うことができます(下記2.も参照)。
2.ミスリエルの供給
3ターン目にミスリエルを出す場合、融合召喚するよりもコンビネーションで蘇生する方がEXリソースを節約できて得です。よって、1ターン目にコンビネーションを置けている場合はオリハルクを融合召喚しコンビネーションでミスリエルを蘇生します。これを行うと、(状況にもよりますが)オリハルクを素材にトロイメア・フェニックスをリンク召喚することで2枚に触りつつEXデッキのミスリエル消費を抑えることができます。
3.最高の動き(アゾートレスの宣伝)
以上を踏まえると、2,3ターン目の最高の動きは2ターン目の相手エンドフェイズに重錬装でミスリエルを素材にアゾートレスを出し、ミスリエルを再建しながら盤面に触ることです。これを行うと、安全に伏せを除去しながらターンの開始時にミスリエルで伏せをバウンス、ミスリエルを巻き込んだフェニックスで伏せ除去を行いつつリンク数確保、オリハルクでミスリエルを再建しリンク数をかさ増しした状態でアポロウーサと、かなりの裏目を潰しつつEXデッキからの大量P召喚で理想の動きに繋げることができます。まあなんというか、この節はアゾートレスの宣伝のために書きました。シクが80円で売られているアゾートレスに救いを。
10-4.その他小ネタ
1.メルキャスターのモンスター効果は、なるべくエレクトラムのドロー後に発動する
メルキャスターで手札に加えたカードの同名カードを、エレクトラムで引かないようにするためです。しかし、これはなかなか難しいです(メルキャスターは積極的にPゾーンに置かれているため、破壊を後回しにするということが難しい)。その場合(その後ドローする可能性が残ってる状態でメルキャスターを破壊した場合)は、デッキ内に残る枚数の少ないメタルを拾います。
2.P召喚後にPゾーンに発動済みと発動前のメタルが1枚ずつ存在する場合、エレクトラムを出す前に、発動前の方で発動済みの方を破壊する
エレクトラムによるドローの質を高めるためです。しかしP召喚直後に、使用済みのメタルがメルキャスターである場合は事情が異なります。メルキャスターが使用済み状態でPゾーンに置かれている場合、(普通は)メルキャスターを破壊しても手札に加えるカードがないため損だが、それを供給するためにはエレクトラムをリンク召喚する必要があるためです。この場合、メルキャスターの起動を優先します。すなわち、先にエレクトラムを召喚します。メルキャスターで拾ったカードの同名カードはデッキ内に多くて2枚しか無い一方で、Gうららはデッキに多くて6枚入っている(+発動できないメタルを引くデメリットを差し引いてもGうららを引き当てたリターンが大きい)ためです。
しかし実際のところ上記1.2.については手札の状況にもよるため、臨機応変というくらいがちょうどいいとも思います。
3.コンビネーションはギリギリまで開けない
特にミスリエルを蘇生する場合に、墓穴の指名者を回避できる可能性が生まれるからです。このゲームのルール上、モンスターの誘発効果や公開状態の永続魔法・罠の発動確認を終えた後に非公開状態の魔法罠の発動確認が行われます。そのため、ミスリエルを素材にアゾートレスを出す際にコンビネーションが未発動であれば、アゾートレスとミスリエルの効果を好きな順番で発動し、その後相手の発動確認へ移ります。ここで相手が墓穴をミスリエルを対象に発動した場合、コンビネーションを開いてその場で効果を発動し、ミスリエルを対象にすることで墓穴を回避できます。これがコンビネーションが開いていると、アゾートレスとミスリエルと同時にチェーンを組むことになるため、最後に墓穴をチェーンされて損失大です。正直相手のミス読みともいえますが、逆に墓穴のチェーンがなく、かつ墓穴が致命的な場面では、相手がこのプレイを理解している可能性を考えて、コンビネーションを我慢する選択肢があるともいえます(このプレイを理解していなくても、ミスリエルの蘇生効果だけは通すつもりでも、そこにコンビネーションによるミスリエルの蘇生が重なると墓穴を打ちたくなるという心変わりもある)。
11.最後に
長くなりましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございます。メタルフォーゼは拡張性の高いテーマです。私は上記のような基本思想で構築・プレイを固めていきましたが、ちょっと思想を変えるだけで様々な構築・プレイを生みます。枠を取るという特徴と裏腹にこうした幅広さを持つ、不思議で奥深いカテゴリです。例えば筆者は中速型の構築にしましたが、相性の良いPテーマと合わせた高速型・展開型もよく研究されています。筆者は浅学非才故にその方面には全然手を付けられていませんが、あんだるさん(参考: noteのホーム)は展開型のデッキをよく研究されています。レシピと解説をいくつも公開されているので、展開型の【メタルフォーゼ】に興味がある方は参考にしてみると良いと思います。
是非、読者の皆様方もあなただけのメタルフォーゼのあり方を追及してみてください。もしもその際にこのnoteが少しでもお役に立てば喜ばしい限りです。改めて、ありがとうございました。