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人生100年時代
人生100年時代とは言うが、私たち世代が生きられるのはせいぜい80年程度。というか、そんなに長く生きたくはない。無理矢理「生かされる」くらいなら、適当なところで命尽きたい。
数年前に親父が79歳で亡くなった。当時私は44歳。
「自分の残りの人生も、あと30年ぐらいなんだろうな。」
こんなことを思うと同時に、残された自分の人生を少し本気で考えるようになった。
地元の公立高校を卒業して、そのまま地元の地方公務員になった。
「ウチには進学させられるようなお金はないから。」
幼い頃からずっと言われ続けていたので、高校を卒業したら就職する以外の選択肢はほぼなかった。
公務員という安定した職に就いたが、はっきり言ってそこに喜びはない。
「公務員になればいいんでしょ。」
そんな気持ちの方が強かった。誰かを安心させるため、ただそれだけ。一体、だれの人生だ。
就職してから約30年、あっという間だった。
それなりに様々な経験もさせてもらったが、「何か身についたか?」と問われるとよくわからない。
いわゆる昇進ルートには縁がなく、先も見えてきた。
「このままこの仕事を定年まで続けるのか。」
親父が亡くなったのは、そんなことをぼんやりと考えていた頃だった。
「なんか、もういいや。」
そんな気持ちになると、もうその方向にしか考えが向かなくなる。
勤続30年をむかえ、抱えていた業務も少し落ち着いたタイミングに併せて早期退職を申し出た。
辞めると決めて、そして実際に辞めた。次のことは何も考えずに。
仕事を辞めて半年が経過した。あっという間だ。
この間、何かをしたわけでもなく、ただただ、時間だけが過ぎていった感じ。
だが、何とも言えない爽快な気分でもある。
生活のために何かしなければとは思うが、正直言ってなかなかそんな気分になれない。今はただ、人生の充電期間を過ごしたい。そんな気分。
私が、親父が亡くなった年になるまで、あと30年。
これまでの30年があっという間だったように、この先の30年もあっという間だろう。もちろん、その年まで生きられる保証はないのだが。
人生に、遅すぎることはない。こんな言葉を言っていたのは誰だったか。
他人からどう見られているか、どう思われているかなんて知らないが、もうそろそろ、自分の人生を歩んでもいい頃だろう。
残された人生、他の誰のものでもない、自分自身の人生を歩んで行こうではないか。