投資の用語解説 その2
投資を始めたい、あるいは始めたばかりの方にとって、高いハードルである
「難しい専門用語」
今回は、理解しづらい用語の解説をカタカナ編でおこなっていきます。
用語解説「カタカナ編」
ファンド
「投資信託」という意味で使われることが多いのですが、厳密に言うと投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が投資・運用する商品全般を指すもの。つまり投資信託はその一種ということになります。投資信託のように誰もが投資できる「公募ファンド」と、限定された対象(ほぼプロばかり)の「私募ファンド」があります。
ファンドマネージャー
ファンドの運用管理を行う人。ファンドごとに運用方針が異なりますが、その方針に従って市場調査や銘柄分析を行い、組み入れ割合の決定や売買のタイミングを決めていきます。後述するアクティブファンドでは、ファンドマネージャーの腕が問われます。
ベンチマーク
運用の目安となる指標のこと。日本株の場合、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などが代表的。特定のファンドの分析をする際にはそのファンドの値動きだけでなく、ベンチマークとの比較をしながら評価します。
アクティブファンド
ベンチマークを上回る運用方針のファンド。後述のインデックスと比較すると運用に手間がかかるので、信託報酬などの運用コストが高いことが多いです。
インデックス(パッシブ)ファンド
株や債券など、市場の値動きを表す指数のことをインデックスといいます。このインデックスと連動した運用方針のファンドをインデックスファンドと言ったり、アクティブに対してパッシブファンドと言ったりします。インデックスに含まれている銘柄、割合で運用するため運用の手間は少なく、コストが低いのが特徴です。
ETF
上場投資信託とも言い、名の通り株式市場など取引所に上場している投資信託です。指数に連動するので、運用方針はインデックスファンドと同じですが、上場しているので個別株式のようにタイミングによって変化する相場を見ながら売り買いができます。一般NISAではETFを購入できますが、つみたてNISAではできません。
アセットアロケーション
アセットは「資産」アロケーションは「配分」という意味です。運用する資産をどのような割合で配分するか、というような意味ですが、代表的なアセットとしては、株、債券、REIT(不動産)、現物(金、商品)そして現預金がありますが、相関性の低い(異なった値動きをする)アセットを組み合わせるとリスクが抑えられます。アセットアロケーションが投資成果の9割を決める、とも言われています。
ポートフォリオ
アセットアロケーションがざっくりと資産配分を指すのに対して、ポートフォリオはそれぞれの具体的な銘柄も指定したものをさします。本来の意味は紙挟みという意味で、書類入れに資産の明細を入れていたことがこの用語の由来になります。投資開始にあたってはつい商品ありきになりがちですが、まずはアセットアロケーションの方針を決めてから銘柄選びに移ることがおすすめです。
インカムゲイン
相関性の低いアセット組み合わせるにあたり、通貨、地域などを分散するのはもちろん、利益の性質が異なるアセットを組み合わせることがとても重要です。
インカムとは保有中に殖えるタイプの資産を指します。株なら配当、債券なら利子、不動産なら賃貸収入のようなもので、定期的な利益が見込まれるので基本的には安定しています。ただし、例えば債券を発行している国が破綻した場合は全く支払われない、というリスク(デフォルトリスク)もあります。
キャピタルゲイン
資産を売却することで得られる利益です。インカムゲインに対して変動が大きい傾向があり、例を挙げるとベンチャー企業の株式は倍になることもあれば半分になる(損をした場合はキャピタルロスと言います)こともある、というようなイメージです。
リバランス
きちんと勉強して、あるいは専門家のアドバイスを経てアセットアロケーションをおこない運用をスタートする場合、基本はほったらかしで構いませんが、相場の変動で資産の配分が崩れた場合に当初の割合に戻すことをリバランスと言います。まめにおこなった方がいいという考えもありますが、所有資産のうち何かを売って何かを買う場合は手数料もかかるので、私は必要以上に行わなくても良いと思っています。
トータルリターン
一定期間内に投資商品への投資から得られた総合収益。売買による損益だけでなく、手数料や分配金などを含めた総合的な投資成果がわかります。投資開始時には手数料分で目減りして見えたり、毎月分配型だと配当金しかチェックしていなかったり、ということがありますが、トータルリターンで成果が得られている、と感じられれば運用がうまくいっていることになります。