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オッズ


こんにちは、さるすべりです。

今回の「いまさら聞けないボートレース」のテーマは
オッズについて。

オッズ、合成オッズ、期待値、資金配分。
基本的な項目ながらよく分からないという方や、苦手としている方は多いのではないでしょうか。

私も特に資金配分とやらには随分と頭を悩まされてきましたし、そもそも計算は苦手な分野です。
また、合成オッズ?期待値とは何ぞやって方も居るのではないでしょうか。


少し長いですが、賭け金の使い方やギャンブルでの考え方をまとめてみました。



1.オッズとは?

まずオッズとは、予想が当たった時に、賭け金の何倍が配当として払い戻しされるのかを示した数字をいいます。

基本的には、起こる確率が高いほど配当は安く、確率が低いものほど配当が高い、というものになります。

日本の公営ギャンブルでは、パリミュチュエル方式という方法で最終オッズが決められています。
(イギリスの競馬やカジノなどではブックメーカー方式という方法がとられているそうです。)

それぞれの違いについて、簡単に。
例えば胴元Aがあるスポーツで2つのチームのどちらが勝つか賭けを提案します。

パリミュチュエル方式は、賭ける人が投票を終え締め切った後に、胴元が集めたお金から利益分を回収し、残りのお金を予想を的中させた人に分配するというものです。
これはつまり、胴元は絶対に損をしない方法であり、締め切るまで投票数に応じてオッズが変動することを意味します。

ちなみにブックメーカー方式は、チームBが勝てば2倍の配当、チームCが勝てば3倍の配当といったようにあらかじめ配当を決めておき、配当金を分配した後に残った差額が胴元に収められるような方式をいいます。
これは、下手をすれば胴元が損をする可能性もあり、また購入時からあらかじめ配当が決まっているため、参加者は払い戻し額も想定しやすい方式です。

ボートレースではパリミュチュエル方式が採用されているので、売り上げ金の25%が胴元に回収され、残りの75%の売り上げ分から的中者に分配する仕組みとなります。

このように投票された額を分配する方法をとっているため、投票数が多い舟券は当然に配当が安くなり、投票数が少ない舟券が高い配当となります。

オッズは勝つ確率が高いと低くなると冒頭で述べましたが、ボートレースにおいては私たち一人一人の投票数がオッズを左右させている、つまり大衆の人気によって配当が決まります。
したがって、人気の選手が勝てば当然配当が安くなってしまいます。

この大衆の人気がオッズを形成しているため、時には特定の選手が過剰に人気を集めることで負けた時に高い配当となることがあります。
ネームバリューやグレードが目に見えて分かりやすい基準となるため、一般戦なんかでは特にA級選手中心に人気が集中することがあります。

舟足が悪いのに過剰に人気を集めているような選手であったり、舟足が良いのに売れていないといったような、人気の盲点を見つけることができれば、美味しい配当に巡り会えることがあるかもしれません。


本来は選手の力量、モーターパワーで確率が決まるべきものですが、実際は人気だけで決まってしまうことが多くあるため、そこにギャップが生まれることがあり、オッズ妙味を生み出します。

人気以上に走る選手、乗り手に恵まれなかった良モーターなど、まだ多くの人が気付いていない要素を予想に取り入れて、それを信じて買い続けるといい事があるかもしれませんね。

さて、オッズについては大体理解したところで、次に考えていく必要があるのが、
ここからどのように資金を配分していくのか、
そもそもそれは買うべき舟券なのか、
ということでしょう。

ここで合成オッズというものを考えてみたいと思います。

2.合成オッズ
①合成オッズとは?

ここからのお話は、あまり得意な分野ではありませんが避けては通れないお話です。

さて、合成オッズとは、的中時の払戻額が同じになるように資金配分した時の払戻倍率を言います。
簡単に言うと、複数の舟券を買った時にそれぞれの舟券を複合させると単勝○倍を勝ったの同じ払い戻しになるよ、みたいなものです。

では、その求め方。

÷((÷)(÷)(÷)・・・)

こんな計算式は嫌いです。

1をそれぞれのオッズで割る。
出た数字を全部足す。
1を足した数字で割る。

噛み砕いた方が分かりやすい気がしますね。
例を見てみます。

1-2-3が10倍
1-2-4が20倍
1-2-5が30倍
という買い目に決めたと仮定します。
1を10、20、30倍のそれぞれのオッズで割り、逆数を求めます。

1/10=0.1
1/20=0.05
1/30≒0.03

次にこれらを全て足すと、0.18となり
1をそれで割ると、
1/0.18≒5.

となります。
つまり、これら3点の買い目の払い戻し額が均等になるように資金配分すれば、どの目が来てもおよそ5.5倍前後の払い戻しになるように調整が可能となります。

これで、この買い目の合成オッズは5.5倍ということがわかりました。

でも、毎回計算するのは面倒くさいですね。

そこで、テレボートにはこんな機能があります。

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ベットリストから四角で囲まれた資金配分の文字を選択。出てきた画面で購入金額を入力すれば、自動で資金を配分してくれます。

これを見れば、おおよその合成オッズが一目でわかるので便利です。

他にも、ネットで調べればいくつも計算ツールが出てくるので、自分で計算したい方は使いやすいものを使えば良いと思います。

このように、合成オッズを把握することで的中した場合の払い戻し額がイメージしやすいので、資金配分で損をせず、トリガミを防止することにも役立ちます。

ただ、このままの均等配分だと安定している反面、単勝○倍を買ったと同じ感覚になってしまい面白味には欠けますね。

そのため、戦略として合成オッズを把握しながら本線と抑えの配分に強弱をつけることも1つの手だと思います。

②合成オッズと資金配分

先ほどの例。
合成オッズは5.5倍。
軍資金を3000円とします。

1-2-3が10倍
1-2-4が20倍
1-2-5が30倍

この場合、払い戻し額がだいたい均等になるように配分すれば、

1-2-3×1700円=17000円
1-2-4×800円=16000円
1-2-5×500円=15000円

このような感じになりますかね。
ここから、
例えばこの中でも1-2-4の目が特に自信がある場合。
1-2-3と1-2-5は抑え。

「合成オッズが5.5倍。抑えの払い戻しの目安を投資の4倍程度に下げて、本線にその分を上乗せしよう。」

1-2-3(10倍)×1200円=12000円
1-2-4(20倍1400円=28000円
1-2-5×(30倍400円=12000円

というように合成オッズを把握したうえで強弱をつけていけば抑えの払戻し額、本線の払戻し額をイメージしやすいですし、計画的にメリハリのある資金配分ができます。 あくまで一例です。

均等配分、強弱をつけることのどちらが正解とまでは言えませんが、感覚で資金を配分するよりは合成オッズを意識することで効率的な資金配分ができるのではないでしょうか。ご自身の予算に合った方法を取り入れていくと良いと思います。

③保険舟券の必要性

突然ですが、ここで質問です。
例えばこんな経験はありませんか?

先ほど3000円投資した後の締め切り3分前。
「投票したけど、1-3-2の5倍も来そうだな。不安だから保険で追加購入しよう。

・・・結果は置いておき、その舟券は本当に必要だったのでしょうか?

この保険で買った1-2-3のオッズは5倍。
逆数1/5=0.2を先ほど①で求めた
1-2-345のそれぞれの逆数の和の
0.18に足してみると0.38となります。
すると、合成オッズは
1/0.38≒.6倍となります。

なんとなくの保険を1点加えることで5.5倍あった合成オッズが、保険舟券を追加することで合成オッズが2.6倍まで低下しました。
仮にたまたま保険が当たったとしても、この保険を含めて、長期的に見てこのレースは買うべきものだったと言えるのでしょうか?

ここで的中率と合わせて期待値というものを考えていきたいと思います。

3.期待値
①期待値とは?

期待値とは、簡単に言うと、
賭け金に対して戻ってくる払戻の見込みの数値
をいいます。

確率(的中率オッズ=期待値

で求めることができます。
これを元に購入の判断をするならば、

期待値が1未満なら見送り
期待値が1以上なら買い

という考え方となるのではないでしょうか。

ここで、仮にあなたの平均的中率を25%とします。
大体4回に1回の割合で的中する計算と考え、先ほどの合成オッズを見てみましょう。

まず、買い足した保険舟券を含めた2.6倍の合成オッズ。
これをあなたの的中率25%と掛け合わせると、

25%×2.6=0.65
パーセンテージで表すと65%

となります。

つまり、長期的に見たあなたの平均的中率と回収の見込みからこの舟券を見た場合、このレースでの期待値は0.65(または65%)であることが分かると思います。

では、保険舟券を買わなければ?
合成オッズは5.5倍でした。
これに平均的中率25%を掛けてみると、

25%×5.5=1.375
パーセンテージで表すと137%。

この場合は長期的なあなたの的中率から見た場合、期待値は1(または100%)を上回っているため高い期待値となっていることがわかります。

つまり、安易に買い目を追加することで合成オッズは下がるので、それに伴って期待値も下がることがあります。

途中から分けて投票しようが、そのレースに加えた買い目であることには間違いないので、最初から期待値が1を下回っているレースに手を出したことと変わりません。

このことから、なんとなく足したその一点の積み重ねが収支の不安定化を招いているおそれがあるとも考えることもできます。

わざわざ合成オッズ、期待値を下げてまでトリガミ覚悟の舟券を根拠なく購入するくらいなら、その分を勝負目に振るか次の期待値の高いレースに回す方が良いと個人的には考えています。

ただ、長期のあなたの平均的中率から見込んだ期待値が低いと考えられるレース(≒合成オッズが低いレース)であっても、
そのレースに自信があれば買ってはいけないというものでもないと思います。
先程の保険を含めた買い目で十中八九当たるだろうと見込んでいるならば、十中八九の確率を80%と仮定すると、

80%×.6倍=2.08(208%)

と考えることもできるかもしれません。
そのレース単体で見た場合では期待値が1以上となるため的中率の想定ができれば買いと判断することもできます。
ただし、この80%は確率ではなく、自らの予想から見積もった推測の数値でしかない点には留意する必要があります。

客観的に、より正確に想定的中率を見積もることができれば、賭けるべきレースの指標となるかもしれません(それが難しいのですが。)。

合成オッズが低いから悪いということを言いたいのではなく、戦略として1点加えることと、無意識に1点追加することは同じように見えて全然違うということが伝わると幸いです。

特に本命サイドで絞りを考慮せずに多点買いすると合成オッズはおそろしく下がります。
その一点は本当に必要なのか。
ここで思考停止すると、いつのまにかマイナスの領域へ足を突っ込んでいるというのは、よくある話です。
この1点の取り捨ては永遠の課題のように思います。

このように的中率の想定と回収の見込みを無視し、無意識に期待値が1を下回っているレースばかりを買い、その行為を積み重ねていくと、収支も自然とマイナスへと収束していくと考えられるため注意したいところです。

この収束という言葉ついて、ご存知の方も多いと思いますが改めて大数の法則というものを考えてみたいと思います。

②大数の法則

大数の法則とは、試行回数が多くなればなるほど、確率の理論値に収束するというもので、つまりやればやるほど、期待値の数値に近づいていくという法則が働くことをいいます。
よくコイントスやサイコロが例に挙げられます。

コイントスで表が出る確率は50%。
回数が少なければ偏りは見られるが、回数を増やせば増やすほど表と裏の割合は50%の確率に収まっていく。

ボートレースにおいては、還元率が75%となっているため、やればやるほど大数の法則の力が働き、回収率は75%近辺に収束していくと一般的には考えられています。
つまり、やればやるほど損をするという圧倒的に不利な条件で私たちは日々予想し、賭けていると考えられます。

では、この大数の法則に抗うにはどうすれば良いのでしょうか。

まず、大数の法則の力が働くためには、多くの数の試行が必要となります。少ない試行回数では法則は働かず、必ずブレが出ます。

そのため、そもそもの賭けの回数を減らすことが対策の1つと考えられます。
自信のないレースや期待値の低いレースは見送ることが懸命ではないでしょうか。
やればやるほど損なギャンブルです。見が大事。

次に、資金の配分
常に一定額でプレイすることでよりマイナスの期待値へと収束していくことが考えられるため、戦略的な資金配分が求められます。

そして、期待値の高いレースに限定して勝負する。
大数の法則がマイナスに働かないように賭けの回数を減らすことが大事だと述べましたが、それでも毎日賭けている人は、年単位で見た場合には相当数のレースに参加していると思います。
そのため、少しでも期待値に収束する力が働くと考えるならば、期待値が1を超えるところで勝負し続けることで理論上はプラスになると考えることもできます。
不利なギャンブルから統計的に有利なゾーンへとポジショニングを変え、期待値がプラスのところで回していくと理論上はプラスになるというものでしょうか。あくまで数値上の話ですが。

もはや、ギャンブルは大数の法則との戦いと言っても過言ではないと思います。

あれこれと考えていると私も既に何を書いているのかわからなくなりつつありますが、
イメージとしては

「5回に1回あたるなら、せめて5回に1回挽回したいよね。
じゃあ合成オッズが毎回合成5倍以上のところだけ賭けて1回当たればトントンだね。」
「5回に1回しかあたらないのに1回の払い戻しが合成5倍ないなら挽回できないね。」
みたいなものです。(投げやり)

最後に

今回の話から年間収支でマイナスとなるパターンを考えると、

・ハイリスクハイリターン思考で大金を賭け爆死
・期待値がマイナスのゾーンに長居する

といったことが考えられます。

合成オッズや期待値等の考え方は一般的なものですが、はじめて目にした方にとっては、もしかすると必勝法のように感じてしまうかもしれません。

しかし、今日から無理に期待値が1を上回るように都合よく買い目を調整したところで、普段のスタイルを崩してしまうのであれば的中率は下がってしまうため、皮算用に終わってしまうと思います。
ここでいう"期待"という言葉ですが、私たちが日頃使用する「何かに期待する」というような願望という意味での期待ではなく、あくまで数学的意味合いで使用されている言葉に過ぎません。

自分の都合の良いように予想し、計算上だけ期待値が1以上になるように買い目を調整してしまうと、かえって裏目にでてしまうこともあるので注意したいところです。

つまり、期待値の高いレースは自分でつくるのではなく、期待値が高いレースを待つ、選ぶことが大切なのでしょう。

そもそも期待値を見積もるためには、
自信の予想スタイルを確立し、的中率を少しでも正確にする必要があります。
そこがブレてしまうと本末転倒です。

これから初めて意識しても、すぐに結果として現れるというものではありません。
しかし、考え方の一つとして意識しておくと、無計画に賭け続けるよりは、戦略的に資金の配分やレースの選別ができるのではないでしょうか。

合成オッズや期待値を意識することで、損するレースも見えるため、リスク回避にも役立つと思います。

最後に、よく「的中率より回収率」という言葉を目にします。
これについて思うのは、それはただ最後に勝てばいいという結果論に過ぎないのではないでしょうか。

そもそも的中がなければ回収はありませんし、
反対に的中が多くとも買い目を考慮せず期待値の低いレースばかりに手を出していればが回収率も付いてきません。

大事なのは、的中率の見積りと期待値感覚のバランスであり、その結果としての回収率ではないでしょうか。

そのバランスを保つためにも合成オッズや的中率の想定、期待値の感覚を日頃から意識しておき、少しでも有利なゾーンに居座ることをお勧めします。
毎日のようにギャンブルをするなら特にそうするべきだと個人的には思います。


うまくまとめきらずに長くなってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。


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