数学的に不利なギャンブル
公営ギャンブルの控除率は25%。
わざわざ言う必要もない常識だと思います。
しかし、この25%という数字について、いまいちピンときていない人も多いのではないでしょうか。
私が初心者だった頃はそうでした。
頭では理解しているものの、直接 "自分のお金から引かれている感覚" をなかなか持つことができませんでした。
3000円賭けたら、3000円そのものが増えるか減るかだけの感覚で、控除率はどこか遠いところでの出来事のようにさえ、錯覚していたように思います。
しかし、今になって思うことは、
予想を学ぶよりも、先に正しく理解しておきたかったということです。
そして、早い段階で理解していれば、失わずに済んだお金も沢山あっただろうと後悔もしています。
そこで、今回はこの控除率が、私たちの収支にどのような影響を及ぼしているかをまとめてみたいと思います。
あくまで、過去の "もっと早くに知っておきたかった時の自分" に向けた内容になっているので、既知の項目が多くなっていることをご理解ください。
そもそもなぜ、こんな話をするのか。
ギャンブルをしていて、こんな悩みを抱えたことはありませんか?
朝から晩まで沢山やって、気付けばいつもお金がない。
そんな方はこの記事の内容を理解して、日頃の賭け方を見直すきっかけとなればと思います。
※稼げる系noteではありません。
大数の法則
突然ですが、こんなギャンブルを提案してみます。
パッと見ただけで、有利か不利かイメージできますか?
そうですよね。これはシンプルに考えると、勝つ確率の高いギャンブルです。
100回程度では確率に偏りが生じることもあり、必ず勝てるとは言えませんが、だいたいは下図のような形になります。
ランダムな出来事は、回数をまわせばまわすほど、統計的な理論値に近づきます。
これを「大数の法則」と呼びます。
試す回数が多くなれば多くなるほど、理論値と誤差の差が小さくなっていくわけです。
例えばコイントス。
表と裏が出る確率は50%。
少ない試行回数であれば、ブレは生じるものの1万回2万回と試せば、表と裏が出た割合もほぼ50%の数値に落ち着くこととなります。
サイコロも同じで、少ない試行回数だと出目に誤差はありますが、600万回振ると、それぞれの出目がおよそ100万回ずつ出現し、出目の平均は3.5となることが考えられます。
回数を重ねれば重ねるほど、統計的な理論値に寄っていくものであると考えれば、次のようなことも言えてしまいます。
大数の法則により、やればやるほど理論値に近づいていく。
例えば、ボートレース。
控除率は25%なので、回収期待値は75%となります。
極端な結果を出せていたはずなのに、何度も繰り返しているうちに、トータルでどんどん理論値(平均値)によってしまう。これを平均回帰といいます。
なんども繰り返せば、平均回帰と大数の法則によって、収支は "75%" にどんどん近づいていきます。
つまり、やればやるほど負けやすくなる。
レース数を絞ることが大切、厳選が大切だとよく言われるのですが、それはこのような数学的根拠に基づいているのです。
話をはじめに戻しますが、提案したコインのギャンブルがもし一発勝負だった場合、結果はこうなります。
期待値は同じでも、結果は全く違うものとなります。
極端なリスクの大きい事例ですが、このように分散を大きくすることで大きくプラスで終えることも可能ではあります。
豆買いだと金銭的な負担が少ないので、ついつい何レースも買ってしまいがちなのですが、それによると分布が期待値周辺に集まりやすくなるので、収支はマイナス25%付近に落ち着きやすくなります。
100円の配分なしで賭けていることも、分散が小さくなることから、期待値周辺に収束しやすくなります。
ボートレースは特に、圧倒的に私たちに不利な効率の悪いギャンブルです。
しかし、レースを我慢し、資金配分をしていくことで分散を大きくすれば、プラスで終える可能性も少なからず残されていると考えられます。
大数の法則と平均回帰から考えれば、マイナス期待値のポジションで無数に試行を重ねていくことは合理的ではありません。
小さく数を回すように沢山のレースに参加し、それなりに的中を重ねても、なかなかプラス収支にはなりにくいのは、このようなカラクリがあるのです。
昔の豆買いで一日中賭けていた頃は、結果はいつも悲惨なものでした。蟻地獄のようにお金がなくなっていたのも、これを知っていると防げたのかもしれません。
最後に
公営ギャンブルの控除率の25%という数字は、(宝くじを除けば)実は世界のギャンブルの中でもかなり高い部類です。
控除というよりは、もはや搾取のレベルにまで達するとさえ言われるのですが、
私たちはボートレースというギャンブルを選択し、没頭しているからには、この控除率に抗う意思を持ち、胴元に搾取されないような感性を身につけていかなければならないのではないでしょうか。
さらに言うと、
これは意外と忘れがちなのですが、例えば "予想屋に乗る" というギャンブルでは、予算10,000円の場合に予想代が300円なら、
25%の控除率に加えて、3%のロスが加わります。
いつも買い目を買う人は、こういった "経費" についても考えて戦略を立てていくと良いのではないでしょうか。
目先の勝負で勝っても、不利なポジションで回し続けていれば、長い目で見た時に、ほぼ確実に負けることはご理解いただけたと思います。
ギャンブルに限らず、この世の中は常に『一寸先は闇』です。
自分の今いるポジションを理解して、賢く立ち回りたいものです。
※初心者の方に、先に理解しておいてほしいと思い記事にしました。不必要に負けすぎてしまう前に気づいて欲しいので、よかったら拡散いただけると助かります。
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