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周回展示

〜周回展示〜

こんな人にオススメ
✅周回展示の見方がわからない。
✅自分で予想ができるようになりたい。
✅まわり足などイマイチ良くわからない。

こんにちは、さるすべりです。

今回の
「いまさら聞けないボートレース」
のテーマは周回展示の見方について。

それでは、早速はじめていきましょう。


まずはじめに、「まわり足」とは、
言葉のとおり「ターンまわりの足」を指すのですが、初心者の方にはなかなか理解がしにくい項目なのではないでしょうか。

私自身も特に周回展示の見方を独学で理解するのには良い題材が無く、理解するまで多くの時間を要したように思います。

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ざっと簡単に説明すると、上の画像の右部分の初動のかかりから、ターンの返り、立ち上がりまでを見ていくのですが、それでもどんなターンがいいか分からないという方が多いように思います。

「展示を見る」ことは予想の要素の中でも最重要項目と考えていますが、それぞれの項目について正しく理解をしていなければ、「展示を見る」効果も半減してしまうでしょう。

特に最初のうちは、展示タイムや伸びばかりを見てしまうという方が多いのですが、理解を深め、目展示力の向上に役立てて頂ければと思います。

まず、まわり足を理解していくうえで必要になるのが、ターンについての理解です。
基本的なことからおさらいしていきます。

ボートレースはターンが命と言われるほど、
ターンが重要なものとなります。

第1ターンマークを通過した時点でほとんど勝負が決まってしまうので、選手はこのターンに磨きをかけていく必要があります。

このターンと切り話すことができないのが「遠心力」です。
わざわざ説明不要でしょうが、
車に乗っている際に急カーブをすれば体が傾き、
外に飛ばされそうになる力をイメージしてもらえればわかりやすいかと思います。

ボートレースでもスピードをだしてターンをすれば、当然外へと力が働くのですが、この「遠心力」に負けないターン=鋭いターンと考えることもできます。

もう一度、車で例えてみます。
カーチェイスものの映画等の急カーブのシーンを思い浮かべてみると、「ドリフト」という技術を駆使し、急カーブでもコンパクトに回っているシーンを度々目にすることがあります。

これはブレーキでタイヤをロックしながら横滑りする力を利用して曲がる高等技術であり、ドリフトで回りきる頃にアクセルを踏むことで、前へと進む推進力によって車が返り、カーブを曲がりきることができる、というものです。

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車の向きはほとんど中心を向きながら回っていることが分かると思います。

例え方が少し無理やりかもしれませんが、ボートレースでのターンにおいても、舟の向き方を見ることは重要な要素の一つとなります。

以下、良いターンと悪いターンを見比べたうえで透過合成した場合、どれだけの差があるかを確認することで、より深く理解ができるようになると思います。

それでは、いくつかのポイントに分けて具体的に解説していきたいと思います。ここから本題に入ります。

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良いターンができている選手を見てみると、ターンマークに差し掛かる初動、ブレーキのかかりが良く、舳先がしっかりブイへ向けられながらターンすることができていることがわかります。
また、ターン後期では前へと進む推進力(出足)によって舟が返り、その後の直線へとつながっていきます。まるで綺麗なドリフトのようです。

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これに対し、こちらはターンマーク手前のブレーキのかかりが悪く、舳先はほぼ進行方向を向いたままターンに差しかかっているため、ターンマークを外すような動きを確認することができます。スピードはあるものの大回りになっていることが分かります。 

静止画で確認してみましょう。

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左が①の選手、右が②の選手です。
こうして見ると、①の選手の舳先はしっかりブイに向いているのに対し、②の選手の舳先は少し外側に向いていることが分かると思います。

では①と②のターンを透過合成してみましょう。

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少し画質が荒く見にくいですが、ターン一つで大きく差が開くと言うことは分かると思います。

次に、2マークのターンも見ていきましょう。

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こちらについては旋回半径はそこまで大きく見えていないものの、ターンの起点としたいブイから離れてターンしてしまっていることが分かると思います。

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「行きたいところに行けるまわり足」として仕上がっていれば、ここも距離は離れずによりコンパクトに回れるはずです。

次のターンと見比べてみましょう。

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見慣れていない方でも、なんとなく②のほうが良いことは分かるのではないでしょうか。

これも透過合成してみるとこのような形になります。

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かかりが甘くターンで外してしまう、ターンから出口にかけてのつながりが弱く舟がしっかり返らない等によってターンにロスがあると、一つのターンでもこれだけ差が生まれてしまいます。

また、遠い位置からターンに入っているような動きについても、まわり足が弱いことが多いと思います。まわり足が良ければ、より近い位置でコンパクトかつスピーディにターンすることができます。また、遠い位置からターンに入るということは舟の向きも変えやすいことになります。
この点、近い位置からターンに入ってターンを決めていると、より「かかりが良い」と判断することができます。

次に、ターンを曲りきったところで、舟が返るための推進力を見ていく必要があるのですが、こちらも出足が弱ければ遠心力に負けてしまい、ターンの出口で流れてしまう要因となります。 

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舟の返り、推進力は良い表現が思い付かないのですが、「前に引っ張られると後ろもキュッとついてくるのでターンがバシッと決まるイメージ」とでも言っておきましょうか、、語彙力がないですね。

ターン後期から立ち上がりにかけてググッと前へ出る力を確認し、しっかり舟が返りスムーズに直線へとつながっていれば◎!

【確認しておきたいポイント】
✅よりブイに近い位置での初動ができているか
✅舳先がブイに向いてターンしているか
✅ブイを外していないか
✅横流れせずに、グッと前に進んでいるか

ここで終わってしまうと、ある誤解を招いてしまうおそれがあります。

ここまででは、舟の向き、初動の位置、ターンの位置などについて触れていますが、「ターンスピード」については触れていません。

極端な話、スピードをしっかり落として小回りを心がければ、舳先をブイに綺麗に向けて、小さい旋回半径でとりあえず「綺麗なターン」は可能となります。

逆に言えばスピードが出ていれば遠心力も比例して大きくなるので、旋回半径はどうしても大きくなってしまいます。

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上の動画では、大回り気味に走っている茅原選手のほうがターンスピードが早く、渡邊選手より速く走っていることが分かります。

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旋回半径は茅原選手のほうが大きいのですが、その分ターンスピードも速いことがわかります。この旋回半径の大きさは、全速ターンによるものによる大きさなので、「流れている」のではありません。

つまり、「旋回半径が大きい=流れている」ではないということです。
ここは混同してしまいがちですが、気をつけたいところです。

(図:JLCレジャーチャンネル【ボートレースを科学する#1 速さの検証】より引用)

まとめ

良いターン=遠心力に負けないターン
周回展示では次の点に注視したい。

①初動の位置を確認。
→遠い位置からターンに入っていれば、まわり足がないことを意味している場合がある。

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②初動のかかりから舟の向きまで確認
→かかりが悪ければターンマークを行きすぎてしまう可能性がある=ターンの舵が効かない。

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③ブイとの距離感を確認。
→行き過ぎていればかかりの悪さにも直結。

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④ターン後期の推進力、舟の返りを確認。
ここの力が弱ければ遠心力に負けてターンで流れやすくなる。

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⑤回ってからの立ち上がりを確認
→ここが弱ければ引き波を超える力がないことにも直結。

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※「旋回半径が小さい=鋭いターン」ではないことに留意する。
かかりから返り方、つながりの部分が重要。

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ターンの出口でしゃくり、ウィリーによる出口での加速が見られれば注意◎!

以上。

もし参考になったよ!という方がいましたらRTなどしていただけると嬉しく思います。

参考

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用語


【初動のかかり】:ターンの入り口のかかり具合。これが悪いと舟の向きが悪くターンマークを行きすぎるなどのデメリットがある。
類似:「かかりが〜」、「舟の向きが〜」、「ブレーキが〜」

【ターンの返り】:ターンの出口のかかり具合。これが悪いと遠心力で外に流れやすくなる。
類似:「舟の返りが〜」、「ターンの出口で〜」

回ってからの足(立ち上がり)
ターン後から直線までのつながりの部分。引き波を超える力に直結する。
類似:「スムーズさが〜」、「回った後が〜」


まとめ画像↓

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スタート展示の詳しい見方については、こちらの記事の中でも詳しく解説しています。

ありがとうございました😊

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