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チューリップと多賀神社
福岡県直方(のうがた)市の遠賀(おんが)川河川敷で毎年チューリップ祭りが開催されますが、今年は祭り期間に間に合わず一週間後に訪れました。
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まだまだ綺麗に咲いているチューリップもたくさんありました。
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チューリップの名前もわかります。
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濃いピンクのチューリップがちょうど見ごろでした。
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青い空にチューリップのストライプが映えて綺麗でした。チューリップ祭りは3月末から4月7日でしたが、1週間後でもこれほど咲いてるとは思いませんでした。
ちなみに以前チューリップ祭り期間中に訪れた時は、こんな感じでした。
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チューリップの絨毯ができていて、素晴らしかったです。毎年市民ボランティアの人によって植えられ、約15万本あるそうです。
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遠賀川にかかる木の橋を渡り、直方駅方向に向かいます。
チューリップは写真の左奥に見えます。
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アーケードの中にお洒落なレストランがありました。アートスペース谷尾と書かれていました。
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美味しそうだったので中に入りました。
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ガラスの器がたくさん展示されていて素敵でした。ショーケースの中には陶器もあり、店の奥の方にはエミール・ガレの作品もありました。
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メインを選べたので夫はスペアリブのバルサミコ煮込み、私は舌平目の香草パン粉焼きにしました。隣のテーブルの人たちのハンバーグも美味しそうでした。
お店に入る前に祭りの太鼓の音が鳴り響き、お神輿をかついだはっぴ姿の人たちもみかけたので、近くの多賀(たが)神社に歩いていきました。
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ちょうど桃祭りのようでした。
後で調べて分かったのですが、この一の鳥居は4代藩主黒田長清が寄進したそうです。直方市は江戸時代の初期、福岡藩の支藩(東蓮寺藩)が置かれた城下町でした。
初代福岡藩主黒田長政が亡くなると、その遺言で四男高政に東蓮寺藩4万石が与えられました。前回のブログでは三男長興には秋月藩5万石が与えられたとお知らせしましたが、四男にも遺言があったのです。
1692年4代東蓮寺藩主黒田長清の時代に1万石が加増されたそうです。しかし長清の子長好(福岡藩6代藩主継高)が福岡本藩を継ぐことになったため、1720年長清が没すると廃藩となりました。
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花桃が満開でした。
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馬の銅像の横に林芙美子の原点直方と書かれていました。芙美子の母親が多賀神社近くでバナナの露天商をしていたころ、芙美子は多賀神社に遊びに行き、境内の馬の銅像に「いい事がありますように」と願いをかけたと「放浪記」に書いているそうです。
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花手水が綺麗でした。
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直方城下町の鎮守として知られる多賀神社は、日本の国土を造り、八百万(やおよろず)の神々を生んだという、伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)と伊邪那美大神(いざなみのおおかみ)の夫婦神を祀る神社です。天照大神(あまてらすおおみかみ)のご両親に当たります。
古くは「日の少宮・日若宮(ひのわかみや)」、奈良時代には「妙見大明神多賀大神」と称されたこともあるとか。
御神紋は日本書紀に登場する夫婦の鶺鴒(セキレイ)、夫婦円満や家内円満などの福が授かるのだそうです。
また難厄除け、開運の御利益があることで有名です。これは伊邪那岐大神が黄泉(よみ)の国から逃れる際に、桃を投げたところ追っ手が退散災難を逃れたという故事に由来しています。
セキレイの御神紋はよく見えますが、写真だと中央の桃の置物が少し見えづらいと思います。
桃祭りでは桃菓子と小餅をまくそうで、御朱印をお願いすると、一緒に小餅もいただけました。
境内ではカラオケ大会も開催されていて、多くの参加者でにぎわっていました。
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境内には約400本の花桃の木があるそうです。かなり咲き終わっていましたが、満開の木もありました。
秋まつりでは、御神馬に御神霊を戴く御神祭、御神馬御錦蓋(ごしんめぎょきんがい)があり、県指定の無形民俗文化財となっています。京都の葵祭に倣って行列を整えられたと言われているそうで、300年以上の歴史を持つのですが、平成4年から中止になり30年ぶりに令和4年に復活しました。次回の執行は数年後らしいのですが、平安時代の衣冠から江戸時代の直垂(ひたたれ)まで着用した300余名の行列をいつか実際に見たいと思います。