【授業ディベート入門3】 政策論題を選ぶ(後編)
前回ご紹介した3つの前提をクリアしたうえで、今回は「今取り組むべき論題とは何か」について考察します。
今(2020年夏)にディベートをする場合、どんな論題が良いのでしょうか。
オリンピック、コロナ禍、米中関係などホットな話題が多い今、どんな論題を選択すべきなのか、大変悩ましい問題です。
日本語ディベートのオンラインイベントなどで、最近行われているタイムリーな論題は、オリンピックの返上(2021年も開催しない)、青少年のゲーム規制(香川県のゲーム条例の全国版)、9月入学 などです。
タイムリーな論題にもオーソドックな論題にも魅力もあります。
表からわかるように、そもそも長所と短所は表裏一体なのです。
また、安楽死論題は今週までもっとも「オーソドックスな論題」の1つでしたが、京都のALS患者さんの殺人幇助の事件が報道され、急に「タイムリーな論題」となりました。
現実世界は日々刻々と動いています。
ディベートを続けることが難しくなるような事態が生じたときは、論題を変更する必要もあるでしょう。
実際に、2011年のディベート甲子園の論題は、原発問題から道州制に変更になりました。
しかしながら、一般的に、途中から新しい論題に取り組み直すというのは、参加者にとっても指導者にとっても大きな負担です。
それぞれの論題の特徴を把握したうえで、成功する可能性の高い論題を選定したいものです。