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総合職採用=都合のいい人募集

採用情報の要項を見て疑問に思うことが
クリエイティブ系の専門職は
給与や休日数など待遇が総合職と比べて劣ること。


保育や介護士、看護師など
国家資格保有者でないと就けない専門職も同様。

実力があり、スペシャリストな方が優遇されそうなのに。
資格取得に要した時間や実力向上の労力を考慮すると
就職後のリターンが低すぎる。



これら専門職に就く人たちは
数週間、中には半年以上実習をしたり
芸術性を磨く創作活動に励んだり、人一倍努力をしてきた人達だ。

一方、総合職は
テキトーに学生生活を送ってきた人、
特段優れた特技がない人でも就ける職種である。
(もちろん全員ではない)


では、なぜ総合職のほうが待遇がいいのか。


私が思うに、その会社の部門を幅広く熟知させ
会社のスペシャリストに育てると共に、全国転勤も任せるため
その点を考慮して待遇を良くしていると考える。

また幹部候補であり、労働時間が他部署・他職種と比べて多い
など、何かしら負担があることも理由だろう。


つまり、
『呼べばすぐ来る、与えるもの与えとけば素直に従う
都合のいい人』という見方だ。
会社にとって使いやすく、手の平で動かしやすい存在だ。


対して専門職は
特定の部門で特定の仕事のみするため、
会社の都合で簡単に人事異動などできず、融通が利かない。
また、勤務地も全国対象の可能性は低いため
言い方は悪いが面倒な人材だ。

その点で総合職は
転勤可能なため融通を利かせやすい。部署異動もできる。
「君のスキルアップのためだ」と言い聞かせて。

専門職でも
「君が好きで選んだ、やりがいを見出せた分野だから
多少待遇悪くても仕事してくれるよね」という意図がある。



よく『数千・数億円の投資を賭けて採用したのにすぐ辞める』
と聞くが、
「融通利くと思って採用したのに辞めたら
人件費と時間だけかかって利益が無かった」という意味だろう。


『学部不問・入社後から知識つければ大丈夫』の意味は
「今までやってきた努力過程は
弊社の仕事内容とあまり関連しないので不問です。
弊社のスペシャリストに仕立てるからこれから知識をつけて下さい。」
という未来へのギャンブルである。


本来、総合職は学んだ専門性を軸に
様々な仕事をこなせる職種のはずなのに
どんどん専門性が淘汰されていく。

専門職は国家資格や作品受賞歴など、
過去の努力過程が目に見えるため
即戦力だが、なにせ仕事の幅が狭い。
博士卒が就活に苦しむのも専門性高く、こだわり強いため
上手くコントロールしにくいからだろう。

知識・経験の面でも
高校・短大・専門卒だと未熟で、院卒だと過熟
大卒だと熟れどきだから採用割合が最も高い。



まとめ
総合職: 会社「給料や福利厚生、休日を保障して家族も守る。
その代わり会社が上手く機能するために、成果を上げて
希望しないことも何でもやってね。」

専門職: 会社「君自身の生産性は低いorすぐ分からないから
待遇は劣るけど、打ち込んできたことを仕事にできるのは本望だろう。”やりがい”こそが君への対価だ。」

選ぶ基準は各々違うから、正解不正解はないが
好条件の背景には、それ相応の理由や意図がある。

何かを得るには何かを犠牲にしないといけない。

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