Webディレクター視点で考える『新しい検索体験 Google SGEのニュース紹介』
デザイン×エンジニアリングをベースに「新しい価値観」を創造するクリエイティブ集団、crage(くらげ)株式会社のディレクションチームです。
今回はまつおが執筆を担当します。
あっという間に今年も残り2ヶ月となりました。個人的には年初めに立てた『本を100冊読む』の目標をどう考えても達成できそうもありません😅
積読本がたくさんあるので、残り2ヶ月で少しずつ消化していこうと思います。
ディレクションチームでは日頃から気になったニュース、記事、SNSの投稿等の情報を共有してチームとメンバーの成長に繋げるようにしています。
ジャンルは「ディレクション」に関わるものから、「デザイン」「マーケティング」「Webサービス」「トレンド」等を幅広くピックアップしてますので、ぜひご覧ください!
Google検索×生成AIの「SGE」が日本語で試験運用開始
私が気になったニュースは、生成AIによる検索体験(SGE -Search Generative Experience)です。
ユーザーの検索体験を向上させることを目的として開発された新しい技術となれば、この仕事をしていると試してみたくなるもので、日本語版が試験運用されたニュースを知ると同時に使いはじめました。
そして、クライアントにSEOについて尋ねられる機会もあるため、SGEがWebマーケティングにどんな変化をもたらすのか知っておきたいと思い、noteのテーマに選びました。
SGEの機能とは?
試験運用中と言うこともあり、これからもアップデートされると思いますが、現時点(23年10月)で押さえておくと良いと思った機能は『スナップショット』です。
スナップショット
Web上の情報を元にSGEが生成した回答をスナップショットと呼びます。
スナップショットを構成している要素は主に3つ。
①回答
アコーディオンを開くと引用元のリンクが確認できる
②関連リンク
回答の引用元となったリンクリスト
③追加質問
会話モードで検索が続けられる
質問は、サジェストされた質問とフリーワードが利用できる
9月には回答に設置されたアコーディオンから、引用元となったWebサイトを知ることができるようになり、さらに便利になりました!
知りたいことを深掘りする「会話モード」が便利!
SGEで1番便利だなと感じたのは、吹き出しになっている追加質問エリアの「追加で聞く」やサジェストされた質問をクリックすると起動する、会話モードです。まるで会話をしているように、会話の流れや意図を理解してSGEが回答を生成してくれるため、知りたいことを探す時間や手間が省けたことに感動しました。
例えば「肉じゃが 上手に作るコツ」について調べると、以下のスナップショットが生成されました。
「追加で聞く」へ「関西風」を入力すると会話モードへ移行!
これまでは、検索結果の中から情報を探しに行く流れでしたが、ピンポイントで情報を絞り込む流れに変わったのは、大きな変化だと感じています。
これは個人的な感想ですが、会話モードをスマートフォンで使うと、LINEのトーク画面に似ていて使いやすいなと思いました。また、SGEを使ったことがなくても、学習コストをかけずに「こう使えば良いんだ!」と思えるUIになっているところも、すごく良いですよね。
「SGE」を知っている人の割合は?どんな風に使っている?
ナイルの調査では、SGEの認知度は過半数を割っていますが、「スナップショット内に表示された記事コンテンツを見た」と回答した人が約5割もいたことが、とても興味深いと感じました。
この記事の見解でも触れられていましたが、スナップショット内の情報量が多いので、引用元となったページまで見に行く人は少ないのでは…と私も思っていました。そうなると、SGEに引用されやすいように、記事を作ることも今後課題になってきそうですよね。
「SGE」にSEO対策は必要なのか?
本格導入されるまでは、SEOにどんな影響が出てくるのか、わからないことが多い…。とは言え近い将来、SGEに引用されるための対策も含めた、SEO対策が重要視されるだろうなと感じています。
SGE内引用元リンクの表示基準調査結果
https://www.bring-flower.com/blog/seo-sge/#index-14
先ほどのナイルの調査で「スナップショット内に表示された記事コンテンツを見た」と回答した人は5割いましたが、「SGE直下の自然検索結果を見た」と回答した人は2割でした。
その結果から予想できることは、SGEに引用されず、自然検索の結果だけでは、Webサイトへのアクセス数の減少率が高くなるということです。
今からできるSGE対策がないかな…と考え調べてみたところ、下記の記事が参考になりそうだと思ったので紹介します😊
この記事では、各検索クエリ(Knowクエリ、Goクエリ、Doクエリ、Buyクエリ)のタイプ別に考えられる、影響や対策が書かれています。それぞれ要約すると以下の通りです。
Knowクエリ(知りたい)
影響
影響が大きいクエリタイプ
「ゼロクリックサーチ」が増えることでサイトへのアクセス減少
対策
SGEに引用されやすいようにコンテンツの質を高める
検索結果で上位を獲得する
SNSなど検索結果以外からの流入を確保しておく
Goクエリ(行きたい)※ 記事執筆時点では日本語版未対応
影響
会話モード内でニーズに合わせた店舗選びが活発になる可能性あり
対策
Googleビジネスプロフィールの写真やレビューを充実させる
Doクエリ(したい)※ 記事執筆時点では日本語版未対応
影響
Googleビジネスプロフィールを元に生成される可能性あり
対策
Googleビジネスプロフィールを充実させる
ターゲットに向けた情報を掲載
SGEの追加質問対策用にオウンドメディア等で情報発信
Buyクエリ(買いたい)※ 記事執筆時点では日本語版未対応
影響
最も影響が大きいクエリタイプ
法律で規制がある業界や商品への影響は不明
対策
SGEのショッピングリストに参照されるようにMerchant Centerを更新
今回はSGEについて気になったことを調べてみましたが、正直なところ、どうなるのか未知数なことが多く、誰でも欲しい情報をピンポイントで探せるようになるイメージが、個人的には強くなりました。
だからこそ、自分たちのターゲットとするユーザーが「どういうシチュエーションで、どんなキーワードを使って検索するのか」を整理し、コンテンツを作っていくと良いのかなと考えています。
試験運用から本格導入されるまで、これからも動向を追いながらクライアントに還元できるように、知識をアップデートしていきたいと思います。
最後に
ディレクションチーム内であがったニュース、記事、SNSの投稿等の情報の一部をご紹介させていただきましたが、まだまだ他にも様々なニュースを日々共有してディレクターメンバーで盛り上がってますので、そちらはまたご紹介させていただきます!
今回もお読みいただきありがとうございました。
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