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togemaki
業務改善の手引き
闇雲な改善案は状況を悪化させる。
全体としての改善
最も重要な要素から書き始める。それは、組織あるいは関係機関などを含めた全体として状況の改善が図られている、というところである。ある部署において業務が簡素になり負担が減っていたとしても、他の部署の仕事が増えているならそれは改善とは言えない。自分の仕事を他人に押し付けただけである。
コストの範囲
コストと表現されるとき、たいていの場合は金銭コストを指す。目先の出費が減ったコスト削減ばんざい!となってアホちゃうか、と現場に不満が溜まっていくというのはよく見られる光景である。労働者を稼働させるのも組織にとっては金銭コストである。労働者がめちゃめちゃ頑張って目に見える金銭がちょっとだけ減るような改善は、労働力を消費し、労働意欲を擦り減らし、労働環境を悪化させているわけで、全体で見ると大損をしている。
時間稼ぎ
持続可能であることも重要な要素である。しばらくの後に重大な問題を引き起こす改善は、時限爆弾を設置したようなものである。ただし、未来永劫有効となる改善なんてものは存在しえないので、これは全体としての改善を図ることと比べるとそこまで重要ではない。より長期間持続可能にするアップデートは後から実行可能である。もっとも、後からアップデートができるように設計されていなければ、それは爆発するまで触れない時限爆弾なのであるが。雑にまとめると、次のアップデートが完了するまでの時間稼ぎを行うのが、アップデートの目的と言える。
統合可能なすべてを含む全体
つまり、組織・関係機関・未来を含めた上で改善するという考え方が重要なのである。世の中の関係している全体を、今は知りえないことも含めて、全体を改善し続けるという大きな目標を持つことがより良い改善に繋がる指針となる。