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ネタバレ有り『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』が向かった終着点

 先日記事にしましたように、『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』を昨年12月20日の公開日に鑑賞してきました。

 この記事ではネタバレ有りでEP9の感想を書いていきたいと思います。

 以下、ネタバレを含みますので、ご了承の上で読み進めてくださいませ。

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 感想は、①圧倒的なドライブ感、②代償としての割り切り、③過去作品との関係あれこれ、に分けて書いていきたいと思います。

①圧倒的なドライブ感

 前回の記事で、

日本版ポスターに書かれている「――すべて、終わらせる」というコピー、これに尽きますね笑。EP8で新たに生じさせた革新性をあえて封じ、一気に保守路線に引き戻したため、EP8での賛否がそのまま拡大した賛否両論になっているように思います。個人的には、EP1~8の回帰線上の1点に一気に収斂させたのは見事だと思い(EP8が割を食っているとは思いますが)、かなり高評価です。

と書きましたが、EP9はオープニングロールの1行目「死者の口が開いた!」をスタート地点、レイがあのタトゥイーンに降り立つシーンをゴール地点として、わき目もふらずにフルマラソンを全力疾走するような2時間半でしたね。

 なにせオープニングロールの1行目からです。パルパティーンがなぜ復活したのかの説明は割愛し、復活したのは既成事実にしてからのスタートですよ。もうスタートラインから足が出ちゃってて、フライングです笑

 冷静に考えると、パルパティーンが生きていたとするなら、EP6でアナキンが身を挺してもたらしたバランスとは何だったんだというツッコミもしたくなりますが、そこはもうとにかく2時間半のジェットコースターに観客を乗せるための優先度付けの結果だったんでしょうか。

 スターウォーズと言えば、星から星へと移動しながらストーリーを重ねていく構成が特徴的ですよね。前作EP8でのフィンとローズがカント・バイト(カジノ都市)に赴く下りのように、全体のストーリーからすると大いなる蛇足と言えなくもない(ハイパースペーストラッカー無効化作戦も失敗するし)ケースもありますが、今回のEP9ではそういったサブストーリーは小粒にまとめられている印象で、例えば惑星キジミ、ゾーリのエピソードにもあまり時間が割かれなかったですよね。

 前半に時間が割かれた惑星パサーナ、オリジナルトリロジーの第2デススターの残骸が印象的なエンドア星系の星(名前失念…)、冒頭から登場してしまうシスの星エクセゴル。これらを舞台にしたメインストーリーに重きが置かれた印象です。

 歴史あるスカイウォーカー・サーガをこの2時間半で完結させるんだ!寄り道している時間はない!という制作側の強い思いが溢れ出まくっていたように感じています。

②代償としての割り切り

 メインストーリーを疾走するために、また、EP8からの揺り戻しで、割り切られたように感じる点は、先ほど言及した点のほかにも結構ありますよね。

 EP8では、血筋と関係なくフォースの使い手になりうることが強調されていました。EP8では何者でもないとされたレイや、ラストの少年の演出もそうでした。今回は一気に血統重視となり、やっぱりスカイウォーカー家、それでなければパルパティーン家、のような設定となってしまいました。

 EP7からライトセーバーを握っていたフィンがフォースの感じ手であることを示唆するシーンが何度か出てきますが、それ以上突っ込んだ描写はありませんでしたね。

 ローズはEP9での扱いはちょっと可哀そうでしたね。主役陣の出発時に置いてけぼりにされるわ、エクセゴルでの地上作戦でも帰ってろと言われるわで、ジャナに完全に取って代わられてしまいました…。

 パルパティーンがカイロ・レンにプレゼントしようとした大艦隊も若干説明不足な感じがあります。乗組員たちは誰??

③過去作品との関係あれこれ

 レイとカイロ・レンがそれぞれフォースの力で傷を治癒するシーンがあり、フォースなんでもあり感もありますが、個人的には、かつてパルパティーンがアナキンをダークサイドに誘惑したときに語った、生命をも操ったというシスの賢人ダース・プレイガスの力のことだったのではと解釈しています。そういう描写があれば納得しやすいのですが笑

 劇中に何度か出てくるライトセーバーがどの個体かも、初見ではわかりづらいですが、これはファン向けのちょっとした謎解きですかね。若いルークとレイアが訓練の時に使っていた緑と青。レイがパルパティーンと対峙するときの2本の青、ラストシーンの黄色。長い歴史の中で、落としたり壊したりもしてますから、複雑ですね。

 レイは過去のジェダイたちの声を聴きますが、その中にアナキンの声もありました。ヘイデン・クリステンセンが声の出演でエンドロールにクレジットされていましたね(リーアム・ニーソンもいた!)。ファンにはうれしいですが、少し前までダークサイドのカイロ・レンが崇拝していた対象でもあるので、若干の違和感もありますよね。

 個人的には、ユアン・マクレガー演じるオビワンが霊体出演してくれると嬉しかったですが、これは叶いませんでした。年齢的にも悪くなかったのではと思ったのですが笑

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