HYPNOSONIC 小説迄を読み終えて

お初にお目にかかります。柊木茜音です。

以前から棗いつきさんの曲は聞かせて頂いていたので今回2023秋M3の際、初めてLYRICFLASKさんでCDを買わせて頂きました。
いつも聴いていた曲を実際にCDとして手元に置けるのは嬉しいことですね。
そして今回の9thアルバム HYPNOSONICを聴いて所謂クソデカ感情を得て、是非詳細な感想を書きたい!
と強く感じたので筆を取らせて頂きました。初めての感想ということで、至らぬ点もあると思われますがよろしくお願いします!



・夏の残り香

初めてアルバムを通しで聴いた時は「ここから雰囲気変わったな」という感じでした。前3曲とは打って変わってここからがストーリーの3曲かなと。
イントロから高度に発展した科学と混沌が支配する近未来を表しててHYPNOSONIC、始まったなという印象。
最初曲名を聴いた時は、夏の終わりを感じさせる切なめのメロディかと思ったら思いっきり裏切られましたね…w
XFDを聞いた時もこんなに不穏な始まりだとは思ってませんでした。多分いつきさんもそう思って切ってたりする?w
インストver.の2番Aメロの不協和音の様な音もディストピアと化した未来の街を示唆している様に感じて聞けば聞くほど小説が楽しみになる曲でした。



開演前 ─ 夏の残り香

「やっぱりここからHYPNOSONIC始まるのかよ!!」

アルバムを初めて通しで聴いた時、これは直ぐに小説読んだら申し訳ないなと思ったので1週間ほどしっかりアルバムを聴き込んでからいざ小説。

と思ったら2ページ目でもう驚きましたw
トラックリスト順じゃないのね…。(いつもこうだったら申し訳ないです!今回のM3で旧譜全て買わせて頂いたのでこの後全て読みます!許してください!)

超有名アーティストの娘として生まれた春樹麗生。そんな彼女の腕は評価されないままだった。しかしそんな彼女を唯一拾ってくれたのが有栖川歩楼。
文武両道で容姿端麗、更には御令嬢。
麗生の境遇でそんな彼女に拾われようもんならこのチャンスを物にしない訳には行かないですよね…。

それがどんな悲劇の始まりであろうと───。



・イノリゴト

前述の通りここからストーリーが始まるんだろうなと思ってました。どんな事が待っていようと立ち向かわなきゃ行けないことがあると力強い意志を歌った曲なのかなと。
MVはCDで初見の感動を味わいたかったのでM3の後に聞いたんですが、MVの時点では透き通っていて綺麗な曲の印象を受けると同時に、この曲がHYPNOSONICというアルバムの一曲である事を考えると、急に窮屈な曲に聞こえてきて付属の小説がより一層楽しみに、そして少し恐ろしくなりました…。



第一楽章 ─ イノリゴト

小説を読み始め、イノリゴトが何を祈る曲なのかが分かって曲への印象がガラッと変わりました。

まさか妹さんの無実を祈る曲だったとは…。

穏やかで優しい最愛の妹が殺傷事件など起こすわけない。妹の無実を証明する為に「歩き出さなきゃ」と。そして知る事件の内容。不可解な事件への真相を解き明かしに行く。「物分りの良い大人にはなりたくない」から。

そして、夜日の相談を真摯に受け止めこの事件の相談相手になってくれた心井露李
個人的にこういうキャラが一番好きです。幼なじみでいつでも頼りになる相棒の様なキャラ。
でもこういうキャラって不幸な目に会いがちなんですよね…。自分もこういったキャラに重なる様な過去を持ってるので共感が半端ないですね。で、バイク乗りときた…。

これはもしかして…。



・Secret of my Heart

この曲が先行公開された日から2日ほどはこの曲の事ばっかり考えてましたね…。

流石音の貴公子と言わんばかりのaranさんの音といつきさんの歌唱力…!素晴らしすぎますね!

そして歌詞!

特に「あたしの隣が君じゃなくても」の部分!!

何この歌詞!
どんな生活してたらこんな歌詞思いつくんだ!!

……失敬。
あまりにも天才すぎる歌詞に取り乱しました。

とある他の方のツイートを見た時に自分もこの歌詞の素晴らしさに気付かされまして…。

普通なら"私の隣に貴方がいて欲しい"というのが一般的ですが、この歌詞は"こんなに良い女が近くに居るのに物にしなくていいの?”という気の強い女アピールが散りばめられてるんですよね…。

「淡い初恋が終わるその前にキスして」

なんて泣ける歌詞なんだ…。

そして最後の
「I‘m ready to move on.」ってもしかして…。




第二楽章 ─ Secret of my Heart

あぁ、勿論泣いたよ!!!!


そんな気はしてた!


してたけどさぁ!そりゃ無いよ!!

でも、そうだよね…。露李ちゃん自信もダメって言われるのは分かってたことだろうし…。

いやでもハグ位はしてやれよ夜日!!

…まぁあの超シスコン野郎の夜日くんにはそれすら無理なんでしょうけどね…。
スラスラと進んでいた小説を捲る手もしっかり86頁で止まりまして…。本文から逃げるようにページ数の86という部分を拡大して見つめていました…。
ここで1回休もうかとも思いましたが現実を受け入れなければと涙をふいて続きを読み進んでいくのでした…。
そして小説を読み終えた後、この曲を聞く度に目に涙が浮かぶようになってしまったのはまた別のお話。



・Son macabre

いつきさんの感情を打ち付けるような曲。
大好き。

いつぞやの配信でも仰られていたけど「楽しく歌うだけでは楽しそうには聴こえない。楽しく聴こえる様に歌わなきゃいけない」(意訳)と。

その話を聞いてから歌詞に感情を載せるのが本当に上手い方だな…と声を聞く度に思ってます。
歌詞も悪の感情剥き出しで、macabreとjoyeuxの対比と言いこの曲がHYPNOSONICというアルバムの中枢なんだろうなと感じれる曲調。

個人的には「壊れろよ Casse-toi」や「何もおかしくなんてない」の歌い方が大好き過ぎます…!
ライブで是非やって欲しいですね…!




・第三楽章 ─ Son macabre

物語の中枢へ迫る、
第三楽章 Son macabre、基《死の旋律》

この真相を見破った夜日君、というか御崎屋家。流石ですね…。
自分も謎解きやミステリーがそこそこ好きなので世界観に引き込まれながらも少しは真相に着いて考えを巡らせていたのですが綺麗に点と点が繋がることはありませんでした…w

そしてそんな夜日君を見事に救った霊叢君もお手柄でしたね!一個下のちょっと面倒な後輩が救ってくれる展開…分かってますね!!(何様)

そして開演前の伏線を回収する生徒会室・第1音楽室のシーン、麗生ちゃんの心情を完全に汲み取った夜日君のお手柄でした。

あんなに綺麗に服従していたのに「友達になろう」なんて軽い言葉掛けられないですよ…。しかも縛り付けられてる状態で…w
正直最初に読んだ時は、「いや流石にそのお願いは通らないでしょ!見下されるだけじゃん!全然分かってないな!」と思いましたが分かってなかったのは自分でしたね…。
麗生ちゃんがどんなに苦しい思いで歩楼の傍に立っていたかをしっかり分かっていた夜日君。流石、女心の分かる男はモテますね。

このSon macabreという曲も読み終わった後に聞くと、ただのかっこいい曲で留まらず歩楼の悪の心がびっしり詰まった歌詞で正に《死の旋律》。人間の皮をかぶった化け物である有栖川歩楼を表す曲として描かれた曲と言うのがひしひしと伝わってきますね。

麗生の事を表すであろう可愛いモルモットの部分も本当は可愛いとすら思ってないんでしょうね…。
本当に可愛いと思ってるのはハルキ・キョウゴの研究資料だけ…。
名前の通り心まで空っぽ。
ほんとに恐ろしいヒトですね…。



・Son joyeux

2023年、秋。棗いつきの曲で私が死ぬ!!

いや!

この曲聞いて!

泣かないのは!

無理でしょ!!

配信で「AIとCodeQの果てが好きな人は絶対刺さる。なんならあの曲を超えたかもしれない」(誇張された意訳)とまで言われた時は「いや、AIとCodeQの果て超えるとか無いでしょ〜w あれ相当すごい曲ですよ?超えるなんて無理無理…w」とか思ってました…w
あの圧倒的なカリスマ楽曲。
棗いつきという存在を証明するかのような曲調と歌詞。あれを超える曲は存在することはないと思ってました…。


まぁしっっっかり超えられたんですけどね!!


イントロの時点で「あ、これは超えずとも並ぶ曲確定したな」と感じたのも束の間。

畳み掛けるように連ねる感情を打ち付けた歌詞に自然と涙が。

そのまま1サビに突入し感情をめちゃくちゃに揺さぶられたまま半分方針状態で2サビへ。


勿論泣かないわけわけがなく…。
というかサビの入りの歌い方が本当に上手くて、窮屈ながらも力強い感情がダイレクトに心にくるんです。




…ん?ちょっと待って…


これ、ラスサビ前のタメじゃない!?


待って待って今そこでもう1つ上行かれたらヤバいって!
今ならまだ考え直せる────




うわああああああぁぁぁ!!!!!棗いつきの楽曲で私が死ぬ!!!!!(2回目)


……いや、無理…あの演出で泣かないのは…。

既にあれだけ泣かされてる所にあんな壮大で迫力のあるサビ入れたら人死んじゃうって。
まぁ見事に死にましたけどね…。

というかこの曲を聞いた全員があの声に焼き払われたと思います…w

流石あの"AIとCodeQの果て"を引き合いに出せる曲ですよ…。
小説を読むまでの約1週間このアルバムをループ再生し続けた訳ですが、毎回この曲が流れると泣いていました…。ここまで来ると私の涙腺の問題すらありそうですね…w

あ、そうそう。この後176頁ある小説でこの曲に肉付けされるんですって…。
皆…生きていたらパラレルショットで会おうね…。



・第四楽章 ─ Son joyeux

うわああああああぁぁぁ!!!!!棗いつきの作品で私が死ぬ!!!!!(n+1回目)



この章泣けるところが多すぎる!!



麗生がハルキ・レオとしてコンサートをする事を決めるシーン、悲愴の楽譜を見つけたシーン、そしてコンサートの歌い始め…!!

歌詞書くのはずるいよ!!!
泣かない方が無理な演出だよ!!(2回目)

麗生が歌ったのは勿論Son joyeux。

アルバムのラストトラックの曲にして、有栖川歩楼の支配から離れ、居場所を与えてくれた新たな仲間と共に紡ぐ反撃の歌!!

親と比較され自分の存在に厭世感を感じていた麗生にとって唯一の味方であった有栖川歩楼。ただしそれは仮初の友情であり、本当の居場所をくれた夜日達と共に全てを償うための「しあわせのうた」────!

うん、何度でも言いたい。
泣かないわけないよ…。

全て読み終えた後にもう一度この曲を聞き直したんですが、見るだけでも泣けてくる歌詞を歌で聞こうもんならどうなるか。

皆さんお分かりでしょう。
しっかり大号泣しました…!

歌を聴いてここまで泣いた経験なんて後にも先にも無いんじゃないかって位泣きましたね…。棗いつきさん…いや、棗いつき先生ならこの曲を超える感動を生み出してくれるのかもですが…。
こんなに泣かせられたら死にますよ…?一体どっちが《死の旋律》なんだか…w


しかし、そんな冗談すらも心配する必要は無いみたいですね。
この”Son joyeux”という曲名。最初は読み方すらも分からなかったのですが、色々調べてみた結果「これじゃないかな」って言うのが当てはまりました。


《死の旋律》Son macabreを作るきっかけとなった曲。
麗生の弾いた、”ピアノソナタ第8番『悲愴』第二楽章 L・V・ベートーヴェン”
そんなベートーヴェンの作曲した別の曲に答えがありました。

第四楽章 Son joyeuxの名にふさわしい楽曲。
それが──





ベートーヴェン交響曲第9番
第四楽章

ソーン・ジョワイユ
《歓喜の歌》




・無条件Surrender

後ろ2曲の圧倒的カリスマを除けば、この曲が自分の中では一番好きです…!

やっぱりハードコアの様なアップテンポな曲で義務教育を終えた自分にとってこういう曲は大好物です!!
特に「La la la Lovin‘You」の所だったり「無条件サレンダー」の歌い方が本当に大好きで…!

明るくて元気な声質を持ついつきさんならではの良さですよね!

この高揚感、是非ライブでやって欲しい!と思いながら日々爆音で聴いて気分を上げていました!w


…なのでちょっと怖かったんですよね…。

殺人電子ドラッグを巡るミステリー小説においてこの”無条件降伏”なんて冠したこの曲がどの様に描かれてしまうのか…。

こんな楽しい気持ちではもう聞けなくなっちゃうんじゃないかって…。



・終演後 ─ 無条件Surrender

一生お幸せにしやがれぇ!!御崎屋兄妹!!

いやー!良かった良かった!w
暗い話じゃなくて本当に良かった!

まぁこんな曲調で暗い話にする方が無理でしたね!!
ということで真相は夜日君が蝶花ちゃんに無条件降伏でした!w これが有栖川に無条件降伏じゃなくて本当に…w
「どんな蝶も花も君には叶わない」「夜も日もなく想うどうしてこれが愛じゃない?」

そりゃお前らのことなんて邪魔できやしないよ!!

これには露李ちゃんもお手上げですかね。
まぁ心の強い彼女はそれでも夜日君の事が好きなんでしょうけど。


でも、これで本当に良かったです…!

今なら疑いなくこの言葉が言えます!





自分、やっぱりこの曲が大好きです!!




と、そんな感じでいかがでしたでしょうか。
こういった感想を書くのは初めてだったので読みにくい分も多々あったでしょうがここまで読んでくれて恐悦至極てす…!
ここまでの文章を書きたいと思わせてくれる棗いつき大先生の時間作への期待がまた一段と高まってしまいましたね…!

さて、後語りが長引いても何なのでここらでお開きにしておきましょうか。

それでは読んでくれた皆さん!本当にありがとうございました!

また何処かでお会いしましょう!
柊木茜音でした〜!

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