
【タカマ二次小説】陽炎~玉響の記憶~#15 君とスリルを
やがて訪れた週末。
颯太と那智は、
様々な色に彩られ、
まさに虹色に輝くその場所へと
足を踏み入れる。
「うわ~、来たの久しぶりだっ!!
……って、おまえはそうでもないのか」
無邪気に喜んだと思いきや、
言葉の端々に
含みを持たせる那智に、
颯太はたまらずにこぼす。
「……言いたいことがあるなら言えよ」
「べっつに~。
オレが風邪で寝込んでいる間に
おまえが誰と何をしようが、
知ったこっちゃないけどぉ~」
嘘だ。
明らかに、ひがんでいる。
「まあでも、オレもおまえに黙ってること、
あるし?」
さらに含みを持たせたその言葉が、
颯太が知りたいことの
鍵になっている気がするのだが、
那智の機嫌が直らない限り、
まともに教えてはもらえないだろう。
颯太はそっと息を吐き、
マップを広げる。
ここは彼の希望を叶える方が先だ。
「――何に乗りたい?」
「そーだなぁ、
まずはミラクルコースターだな!!」
高さ45メートル、
最高速度は90キロにもなる絶叫マシーンを
指さして、那智が笑う。
「いいだろ?」
その笑顔に、
颯太は観念して頷いた――。