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【タカマ二次小説】取り残された世界で君と見たものは#4 真実の伝達者

「伽耶さん、無事で何よりです。
闇が消えて、世界に光が戻ったのに、
誰も戻って来なくて、心配したんですよ」

お茶を差し出す圭麻の言葉に、
伽耶が申し訳なさそうに口を開く。

「天照様が本調子に戻るまでは、
天珠宮を離れられなかったのです。
皆さんには早くお会いしなければと、
思っていたのだけど……。
心配をおかけしてごめんなさい」

伽耶の言葉に、
颯太はわずかな引っ掛かりを覚える。

天照の世話は、
思兼神である鳴女がするのではないのだろうか。

伽耶までもが足止めを食らうほど、
天照が瀕死に陥っていたのだろうか。

この3日間、
太陽は燦々と大地を照らしていたというのに。

「天珠宮で、いったい何があったんですか……?」

誰もが気にしていた疑問を、
単刀直入にぶつける。

そんな颯太の言葉に、
伽耶がおもむろに語り出した。

彼女がその目で見た、
「真実」を――。


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