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【タカマ二次小説】月と星のセレナーデ#4 行き違いばかりのサンタクロース
――明後日会えないか?
話したいことがあるんだ――
送ったメッセージは
すぐに既読になったのに、
一向に返信が来ない。
(まさか、昨日のあれを見られているとは
思わなかったからなぁ・・・・・・)
那智のことだから、
変な誤解をしているのだろうか。
それとも。
頭をもたげた不安を振り払って、
颯太は再びスマホの文字をタップする。
――明後日、那智の家に行くから――
精一杯の覚悟を決めて、
メッセージを送る。
相変わらずすぐに既読の文字が浮かび、
そこからは特に何の反応もない。
(反応を期待するのが間違ってるんだ・・・・・・)
そう自分に言い聞かせて、
スマホを視界から遠ざける。
たとえ反応がなくても、
明確な拒絶がない限りは、
行こうと決めている。
たとえ、あの大きな瞳が、
颯太のことを映してくれなくても。
それでも、存在だけは、
忘れてほしくないから。
心に留めておいてほしいから。
だから。
軽く息を吐いて、
スマホを自室に置いたまま、
居間に向かう。
クリスマスの飾り付けが
きらびやかな居間では、
「赤鼻のトナカイ」と
「あわてんぼうのサンタクロース」の
オルゴールが賑やかに鳴り響いていた――。