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【タカマ二次小説】想い出のララバイ~隠し味を添えて~#1 君とカルボナーラを

高天原。

神王宮からほど近い自宅で、
那智は鼻歌を歌いながらパスタを茹でる。

居間では、わんぱく盛りの少年が
おもちゃ片手に怪獣ごっこに勤しんでいる。

「ねえママ~!ママはいっつもその歌を歌ってるね!」

怪獣のおもちゃを抱えたまま台所にやってきた少年に、
那智は菜箸で麺をくるくるかき回しながら答える。

「パパが一番好きな歌だからね」

「え~!?だってそれ、子守歌でしょ?パパ、大人なのにおかしいね!」

僕だって子守歌はもう卒業したのに、と威張るその顔が、
昔の彼とどことなく似ているような気がして、
那智は思わず吹き出しそうになる。

けれどそれをこらえて、
ほんの少しだけ口を尖らせてみせる。

「こら、そんなこと言っちゃダメだぞ。
この歌は、パパとママの想い出の歌なんだから」

ふ~ん、と不満げに呟く少年のそばで、
那智は茹で立ての麺を出来合いのソースに絡めて皿に盛り、
パセリを散らす。

「さぁて、そろそろパパを呼んできてくれるかな?」

少年が頷いて、パタパタと駆け出していく。

その背中を見送りながら、
那智は食器をテーブルに運ぶ。

チーズと卵のクリーミーな匂いが
部屋中に広がった――。



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