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コラム「地方都市・札幌のコワーキングスペースにおけるコミュニティマネージャーの役割」

はじめに

2018年、日本のコワーキングスペース業界を驚かせるニュースが届きました。それは、アメリカで誕生し世界中様々な地域でコワーキングスペースを展開し急成長を遂げていた WeWork の日本進出です。あくまで私の感覚ですが、この進出をきっかけに 「コミュニティマネージャー」 という職種の認知度が広がったと感じております。従来のレンタルオフィス、シェアオフィス、コワーキングスペースには、”管理人”として “箱” を管理する人はいても、コミュニティマネージャーはいませんでした。WeWork の進出から3年が経ち、今では都心にコワーキングスペースが建てられる際には、さも当たり前かのようにコミュニティマネージャーが常駐しています。ただ、彼ら彼女らは本当にコミュニティをマネジメントしているのでしょうか

02_コワーキング全体

コミュニティマネージャーは新しい職種と言えます。そして新しいが故に、人それぞれ職業の指す役割がバラバラな職種でもあります。
同じ新しい職種と言われるマーケティングという部門の指す役割が企業によって違うように(マーケティングという職種が生まれたのは50年以上前ですが)企業によって、仕事によって役割も求められる価値も違う新しい職種特有の難しさがコミュニティマネージャーという職種にはあります。

「都心で広まったものは地方にも流れていく」という通説があるように、北海道でもコミュニティマネージャーという職種は少しづつ増えてきています。そしてこのコロナ禍によりリモートワークやワーケーションが促進されたのもありコワーキングスペースが増え、そしてその施設の管理をするコミュニティマネージャーのような仕事が増えたのも後押しとなり北海道でもコミュニティマネージャーという仕事が増えてきています。

今回はそんなコミュニティマネージャーとはどんな職種なのか。そして、地方都市 札幌のコワーキングスペースの今を見た上で、札幌におけるコミュニティマネージャーの役割を深ぼろうと思います。

コミュニティマネージャーとは

11_イベントスペース

前述した通り、コミュニティマネージャーは新しい職種であり、役割において正解はございません。私は 体系的にこのコミュニティマネージャーという職種を現在勉強している身ですが、以下で話すことはあくまで私の個人的な意見であることをご了承いただいた上で読み進めていただければと存じます。

まず、ここで使用するコミュニティマネージャーの定義ですが、ここでは「ある特定のコミュニティの代表者であり、そのコミュニティの価値を最大化する人」と置かせていただきます。

そのため一般的にコミュニティマネージャー=マッチングをサポートまたは促進する人と捉えられがちですが、コミュニティマネージャーだから必ずそれらをしなければいけないかと言われたらそうではございません。コミュニティの価値を最大化するにあたってマッチングが必要であれば、する。そうでなければしないだけです。

近年、コミュニティマネージャーはコワーキングスペースだけではなく、メーカーにも非常に多くなってきております。しかしながらこちらでは、コワーキングスペースのコミュニティマネージャーの役割に特化して話を進めさせていただきます。

コワーキングスペースのコミュニティマネージャーには大きく6つの役割があると言えます。「施設管理」「メンバーマネジメント」「イベント企画から実行」「財務管理」「広報」「セルフマネジメント」です。上記の役割を一定水準満たした上で価値を最大化することが、コミュニティマネージャーの役割だと考えます。

高輪さんnote


札幌のコワーキングスペースの今

私は、2021年3月に北海道札幌市に約8年ぶりにUターンをしてきたいわば、新参者です。その点をご理解いただいた上で読み進めていただきますようお願い申し上げます。

北海道にUターンをしてきて、コワーキングスペースを見て回った感想は「今がコワーキングスペースの転換期だ」ということです。4-5年前、コワーキングスペースは北海道ではまだ主流ではなく、場所自体も少なくコミュニティマネージャーが存在しているなど持っての他でした。しかし、これは体感ですが2019年頃からコミュニティマネージャーが常駐しているコワーキングスペースが増え、コロナ禍を機に更にその数は増えたように感じています。

私が知っている限りでもコミュニティマネージャーが常駐し比較的規模の大きい札幌市内コワーキングスペースは以下の6つです。

EZOHUB
es 札幌
es すすきの
大人座
CONTACT
SAPPORO Incubation Hub DRIVE

前述している通り上記コワーキングスペースにはコミュニティマネージャーが常駐しておりますが、過去コミュニティマネージャーの経験がある人が担当しているわけではありません。中には、コミュニティマネージャーという役職を他の業務と兼務している方も多いです。だからこそ誰しもが試行錯誤をしながら、コミュニティマネージャーの役割を果たそうとしているのが現状です。

札幌のコワーキングスペースのコミュニティマネージャの役割

前項でも述べたとおり、私が知る限り札幌の多くのコワーキングスペースには経験のあるコミュニティマネージャーが誰1人としておりません。そのためコミュニティマネージャーとはどんな役割を担うべきなのかわからないからこそ、常に不安と隣り合わせです。そしてその現状が1年間続いてきたからこそ、今が転換期だと筆者は考えます。

なぜなら、コワーキングスペースは、コミュニティを活性化させなくてもある一定のお金は入ってきており様々な企画を考え実行する工数を考えるとわざわざやらなくてもいいのではないか?と考え始める人も中にはいるのではないかと思うからです。

私自身も過去外資コワーキングスペース企業に勤めていたものの、当時はコミュニティの部署ではなく、マーケティング部署だったためコミュニティのことに精通しているわけではございません。しかしながら、コミュニティマネージャーが与える影響を間近で見ていた経験があるからこそ、その知見を札幌でも生かしたいと思い活動をしております。

06_コワーキングスペース

転換期である札幌のコワーキングスペースのコミュニティマネージャーにまず必要なのは、コミュニティマネージャー同士の知見や悩みを共有できるコミュニティだと考えます。そのためまだ明確に札幌のコワーキングスペースのコミュニティマネージャーの役割を断言することは難しいと言えます。既に札幌では、コワーキングスペースのコミュニティマネージャーが集うようなコミュニティの動きがあり、徐々に拡大をしております。少しづつ札幌のコワーキングスペースコミュニティマネージャーのコミュニティが広がり、知見を共有することで明確な札幌ならではのコミュニティマネージャーの役割が出て、それぞれのコワーキングスペースに良い影響出ればいいと思います。

おわりに

04_コワーキングスペース

札幌のコワーキングスペースはまだまだ盛り上がり途中ですが「今」が転換期であり、良い方向にも悪い方向にも転ぶと考えます。それにはコミュニティマネージャーが大きな鍵を握っていると確信しております。これから札幌は新幹線の開通もあり都市開発が進む中でハードの面でのコワーキングスペースは続々と増えていくでしょう。同時に、だからこそソフトの面をどれだけ充実させれるかによって札幌が単なる地方都市から、よりオモシロい地方都市、そしてゆくゆくはサッポロバレーと呼ばれ様々なスタートアップが生まれた90年代のような新しいことが次々に起こる札幌に変えていく一助になるかもしれません。私はその一端を担いたいと考えております。

そしてその第一歩となるイベントが 6/21(月)に開催されます。
100BANCH や SHIBUYA QWS のコミュニティマネージャー務め、他分野のコミュニティを横断する事業を多数手がける加藤翼さんをお招きし、地方のコミュニティやコミュニティの中から生まれるクリエイティブな取り組みはどうしたら活性化するのか探ります。コミュニティデザインに興味のある方はぜひご参加いただければと思います。

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▶︎Knowledge・Talkのご参加はこちらから

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筆者紹介

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SAPPORO Incubation Hub DRIVE / コミュニティマネージャー
高輪 健人
1993年北海道札幌市出身。アイルランド共和国 国立トリニティ カレッジ ダブリン大学卒業後、(株)大塚商会 マーケティング本部、WeWork Japan ブランドマーケティング、Fun Group Inc. 海外事業開発を経て、2021年3月、北海道にUターン。現在はSAPPORO Incubation Hub DRIVE にて コミュニティマネージャー をしながら行政や民間と場づくりや教育の文脈でプロジェクトベースで関わる。
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コラム内でご紹介した札幌市内のコワーキングスペース

EZO HUB SAPPORO▶︎https://satudora-hd.co.jp/ezohubsapporo/

es 札幌▶︎https://es-village.com/village/16/

es すすきの▶︎https://es-village.com/village/42/

大人座▶︎https://www.otonaza.com

CONTACT▶︎https://contact-sapporo.com

SAPPORO Incubation Hub DRIVE▶︎https://sih-d.jp

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