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2024年個人的ベスト映画ランキングTOP20~11!
はじめに
2025年になってから数週が経過し、今回もやっとこのランキングを完成させることができました。
完全自己満足、需要度外視の「個人的ベスト映画ランキング」。
今年からは少し省エネで、文字数を減らしていこうかなと思います。
読みやすさと、分かりやすさを重視して。
今回も、誰かの楽しい映画鑑賞の参考になれば、幸いです('ω')
年間鑑賞本数
〇新作:108本
〇旧作:85本
◎合計:193本
【総評】
2024年も、我ながら鑑賞しすぎだと感じました。
新作は昨年から2本、旧作は4本の増加。
来年あたりは200も目指せるんではないかと…。
ただ、新作を多いものでは8回ほど(馬鹿)観ているものがあるので、「映画を観た」で、換算すると、200本は越えます。馬鹿です。
ありがとうございます(?)。
2024年は目が肥えてきたのか、「ちゃんと映画が観れてきた」と感じる1年になったなぁ、と感じました。
ただ「このシーンが良かったから上位!」「キャラクターが魅力的だから上位!」といった感じが少なくなり、監督の意向やエンタメ性、繊細さなど映画の楽しさに気づけてきた2年目になった感じがします。
ありがとうございます。
年間ベストTOP20~11!
では、今年はTOP20からの発表になります。
今回も、前年以上に、かなり悩みました。
鑑賞の仕方が変わってから、ランキングのつけ方にも、さらに頭を抱えるようになりました。
今回も言っておきたい事としては、「これはあくまで個人的なランキングである」ということ。
他人には刺さらない作品もあるかもしれません。
でも、個人的には、是非観て欲しい、鑑賞してほしい良作ばかりです。
今年鑑賞した108本の新作映画に大きな感謝を込めて。
第20位:『侍タイムスリッパー』
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「ありきたりな設定でも、こんなに面白く。1館上映から全国へとブームを起こした、粋すぎる時代劇」
【あらすじ】
時は幕末、京の夜。 会津藩士高坂新左衛門は暗闇に身を潜めていた。 「長州藩士を討て」と家老じきじきの密命である。 名乗り合い両者が刃を交えた刹那、落雷が轟いた。 やがて眼を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所。 新左衛門は行く先々で騒ぎを起こしながら、 守ろうとした江戸幕府がとうの昔に滅んだと知り愕然となる。 一度は死を覚悟したものの心優しい人々に助けられ 少しずつ元気を取り戻していく。 やがて「我が身を立てられるのはこれのみ」と刀を握り締め、 新左衛門は磨き上げた剣の腕だけを頼りに「斬られ役」として生きていくため撮影所の門を叩くのであった。
【総評】
第20位は、安田淳一監督、『侍タイムスリッパー』!
昨今の現代日本では、あまり表舞台には上がらなくなってきた“時代劇”というコンテンツは、今や、観られることも、放映されることも少なくなってきています。言ってしまえば、話題にはなりづらいものの一つ。
しかし、2024年公開されたこの作品は、「江戸末期を生きる侍が、現代にタイムスリップしたら?」という、誰しも一度は見たことのある設定、シナリオにも関わらず、都内のたった一つの劇場から公開され、口コミで話題を呼び、全国公開へとこぎつけた超話題作です。
監督はこの作品が初監督作品、制作費も平均よりも、かなり低い。
それなのに、面白い。
監督や役者さんたちが、いかにこの作品に賭けているか、を感じることのできる殺陣のシーンなどは、圧巻の出来です。
また、設定や分かりやすいコメディ描写もあり、老若男女、誰しもが楽しめる作品となっています!
第19位:『ツイスターズ』
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「超常的な自然現象の一つ、“竜巻”。全てを吹き飛ばし、抉り取る力に、人類はどう立ち向かうのか」
【あらすじ】
気象学の天才ケイトはニューヨークで世界の自然災害を予測し被害を防ぐ仕事に熱中していた。そんな中、故郷オクラハマで連続して巨大竜巻が発生していることを知る。学生時代の友人ハビと、新たに出会った気象の知識も性格も全く違う竜巻インフルエンサーのタイラーとともに竜巻内部に秘密兵器を仕掛けるという前代未聞の“竜巻破壊計画“を立て、巨大な竜巻を倒すために立ち向かっていくー。
【総評】
第19位は、リー・アイザック・チョン監督、『ツイスターズ』!
この世界における、超常的な自然現象はいくつもありますが、今作はその中の一つである、日本ではあまりなじみのない自然現象、“竜巻”にフォーカスを当てた作品。
なじみのない事だから、感情移入がしづらいかと最初は思っていましたが、あまりのスケールと迫力、人間側の無力さに呆然とするオープニングアクトから、この作品に一気に引き込まれました。
人間ではどうすることもできないような、全てを破壊する、天災とも呼べる相手に、科学の力で立ち向かうその様は、ハラハラとドキドキの連続。
インフルエンサーや現代的な科学技術が発展してきた現代だからこそ観ることのできる、最先端の古典的作品。
ただ、映画館映画なので、劇場で観た方が数倍も良くなる作品です。
第18位:『陪審員2番』
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「まさに、地獄を体現したような舞台設定。後悔と罪悪感、逃げられない運命と、最後に下す決断とは」
【あらすじ】
ジャスティン・ケンプは、雨の夜に車を運転中に何かをひいてしまうが、車から出て確認しても周囲には何もなかった。その後、ジャスティンは殺人罪に問われた男の裁判で陪審員をすることになるが、やがて彼は「事件当事者」としての強迫観念に苦みだす。
【総評】
第18位は、クリント・イーストウッド監督、『陪審員2番』!
劇場公開は無く、U-NEXTのみで観ることのできる今作は、「グラン・トリノ」や「運び屋」、「パーフェクトワールド」など数多くの名作を世に送り出してきた巨匠、クリント・イーストウッド監督の最新作です。
「夜が更けた雨の中、僕が車で引いたのは、鹿ではなかったかもしれない」
この作品の面白いところは、人を裁く立場、陪審員となった主人公が、開幕からずっと地獄に落とされ続け、作品が終わるまで、誰からも、どうやっても救われることは無い、というところです(それは面白いのか?)。
人間が自分自身を正当化しようとし続ける葛藤や、他者を貶めて良いものかという罪悪感、そして自身に置かれた社会的な立場。
もしも、自分がこの主人公の身に立たされたら…、また、この裁判での関係者となってしまったら…と、いろんな人間の立場になって考えることのできる面白さもあります。
果たして、最後に、主人公が下す決断とは。
「うわぁ」と声を漏らしてしまう事、間違いなし。
第17位:『ブルーピリオド』
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「ただ、淡々とした日々を送る空虚に流れ込む、“青い色”。格上の天才たちに、凡才が努力で牙を剝く」
【あらすじ】
生きてる実感が持てなかった。あの青い絵を描くまでは―これはからっぽだった俺が、初めて挑む物語。 ソツなく器用に生きてきた高校生・矢口八虎は、苦手な美術の授業の課題「私の好きな風景」に困っていた。 悩んだ末に、一番好きな「明け方の青い渋谷」を描いてみた。その時、絵を通じて初めて本当の自分をさらけ出せたような気がした八虎は、美術に興味を持ちはじめ、どんどんのめりこんでいく。そして、国内最難関の美術大学への受験を決意するのだが…。 立ちはだかる才能あふれるライバル達。正解のない「アート」という大きな壁。経験も才能も持ってない自分はどう戦う!? 苦悩と挫折の果てに、八虎は【自分だけの色】で描くことができるのか。
【総評】
第17位は、萩原健太郎監督、『ブルーピリオド』!
山口つばさ氏著の同名人気コミックスの実写映画化。
学業成績は悪くなく、しかしどこか満ち足りていない、いわば「自分自身の色がない」生活を送り続けていた青年が、絵画、美術を通して「自分だけの色」を見出していく、激熱の努力型エンターテイメント。
キャスト陣のこの作品への力の入れ方、演技から出る強いメッセージ性もさることながら、作品内で出てくる発言の一つ一つが、作風に合った芸術的で美しい事も特徴の一つと言えます。
本作の主人公である、眞栄田郷敦さん演じる矢虎には、芸大受験の前に、いくつもの壁が立ちはだかります。「芸大に進学することは、果たして自分にとって正しい事なのか」という迷い、「自分の前を行く天才たちを超えることはできるのか」という自己への消極的思考。それらを全て乗り越えて、“芸大合格”という夢を掴み取ることはできるのか。
これから、夢や目標に向かって邁進していくなかで、不安や恐怖を抱えている、また、夢や目標が無く熱の無い日々を自分も送っているかも、と感じている。そんな方にオススメできる一作。
第16位:『数分間のエールを』
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「モノを創り、生み出していく全ての人へ向けて。フルCGアニメーションの新たな可能性と独創性」
【あらすじ】
高校生の彼方はミュージックビデオ製作に没頭していた。ある日、ストリートライブに感動した彼は、歌われた曲のMVを作りたいと強く思う。そして、歌っていた織重夕は、音楽の道を諦めた教師で、出会いを通して彼方はものづくりの楽しさと苦しみを知っていく。
【総評】
第16位は、ぽぷりか監督、『数分間のエールを』!
全編フルCGアニメーションという、まさに現代的、今風の作品。
作品全体を通して語っている主題は、「モノづくりの楽しさと苦しみについて」。音楽や芸術、創作に一度でも関わったことがある、または、誰かの、不特定多数の評価を得るために何かをしたことがある方には、この作品の内容はかなり刺さるものとなっています。
本作の主人公は、ポスタービジュアルの二人ですが、それぞれが創作に関して思い描くものがある者同士の二人です。
自分なりのミュージックビデオ制作を始めたばかりの青年、“彼方”と、過去に自分だけの音楽を表現しようと夢見ていた“夕”。
創作に関して、二人にはそれぞれ、別の、対極的な思惑があります。
自分がまだ知らない、創作の世界。創作における“才能”とは。
この世界に生きる人の分だけ、評価があふれる、そして、その評価を簡単に顔を隠して表すことができるようになった世界だからこその利点と欠点。
タイトルでもある、“数分間のエール”に、貴方も背中を押される。
第15位:『憐れみの3章』
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「『訳が分からない』が、こんなにも可笑しく。3つの濃密で混沌としたストーリーを、存分に味わう」
【あらすじ】
自分の人生を取り戻そうと格闘する、選択肢を奪われた男、海難事故で失踪した妻が、帰還後別人になっていた夫、卓越した宗教指導者になるべく運命付けられた特別な人物を懸命に探す女……という3つの奇想天外な物語。
【総評】
第15位は、ヨルゴス・ランティモス監督、『憐れみの3章』!
鬼才、ヨルゴス・ランティモス監督が生み出した、1つの映画で3つの異なるストーリーを展開する、といった斬新な設定の本作。
開幕から訳が分からなく、後半から終盤にかけても訳の分からない本作は、とても奇妙で可笑しく、そしてどこか可愛げのあるような作りになっているから不思議で仕方ない。
3つのストーリーで共通する内容としては、どれもが“愛”が存在する作品であることと、“信仰対象”が存在する共通点がある。
まるで聖書の一文ような共通点だが、そこを堅苦しく、説教臭くしないのがこの監督で、見事に3つのストーリーを「馬鹿馬鹿しく」仕上げている。実際、劇場で鑑賞している中で、「バカだなぁ」と笑いがこみあげるシーンが何度もありました。
奇抜な内容と設定、始まってからの「こいつらは一体、何をやってるんだ」と考えてしまう部分が人によってはありますが、最後には伏線回収や落としどころがあり、変な爽快感があるから癖になる。意味のありそうなことに意味がなく、意味がなさそうなところに意味がある。
劇中音楽や、恐らく監督お気に入りの主演、エマ・ストーンの奇妙なダンスにもご注目。
第14位:『パスト ライブス/再会』
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「『その時、その瞬間、私たちは惹かれ合っていた』。人と人の縁、運命に翻弄されていく、一つの初恋の結末」
【あらすじ】
ソウルに暮らす12歳の少女ノラと少年ヘソン。ふたりはお互いに恋心を抱いていたが、ノラの海外移住により離れ離れになってしまう。12年後24歳になり、ニューヨークとソウルでそれぞれの人生を歩んでいたふたりは、オンラインで再会を果たし、お互いを想いながらもすれ違ってしまう。そして12年後の36歳、ノラは作家のアーサーと結婚していた。ヘソンはそのことを知りながらも、ノラに会うためにニューヨークを訪れる。24年ぶりにやっとめぐり逢えたふたりの再会の7日間。ふたりが選ぶ、運命とはーー。
【総評】
第14位は、セリーヌ・ソン監督、『パスト ライブス/再会』!
「24年越しに再会した彼女は、既に、別の誰かと結ばれていた」
昨年の最高に切ない恋愛映画であり、鑑賞している側が、二人のすれ違いや立場に、もどかしさを感じること間違いなしの一作です。
物語は、二人が出会う12歳の頃、再度、ネットの画面越しで出会う24歳の頃、そして再会を果たす36歳の頃、と、3分割の構成になっています。
どの歳の二人も、互いが互いに惹かれ合っていることは、画面を通して明確であるのに、様々な事情が重なり言葉や行動に移すことができない。
「今すぐにでも、僕は(私は)、君が(あなたが)好きだと伝えたい」
映画館のスクリーンを通して、お互いの目線から、表情から、会話の絶妙な間からその気持ちが伝わってくるので、もう居たたまれない。そして、妻の好きだった相手に対して、夫はどう感じ、どう接するのか、と言う部分も見どころの一つ。
クライマックスのノーカットシーンは必見です。
第13位:『哀れなるものたち』
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「劇的で、ドラマチックで、ファンタジックに。新たな生を授かった女性が目にし、耳にし、体感する、世界のあり方」
【あらすじ】
自ら命を絶った若き女性ベラは、天才外科医ゴドウィン・バクスターによって胎児の脳を移植されたことで奇跡的に蘇生する。世界を自分の目で見たい、という欲望に駆られたベラは、放浪者の弁護士ダンカンに誘われるまま壮大な大陸横断の冒険に繰り出していく。子どもの目線で世界を見つめる彼女は、旅のなかで平等と自由を知り、時代の偏見から解き放たれていく。
【総評】
第13位は、ヨルゴス・ランティモス監督、『哀れなるものたち』!
第15位で紹介した、鬼才、ヨルゴス・ランティモス監督の作品が、ここでもランクイン。『憐れみの3章』が【面白可笑しい痛快エンタメ作品】なら、こちらの作品は【芸術的かつ強烈な社会風刺の効いた映像作品】と表現したいところ。
「成熟したの女性の体に、胎児の脳を移植したら、人間はどうなるのか?」の回答を、まるで知っているかのようなリアリティを、主演であるエマ・ストーンが見事に演じ、“ベラ”を体現させ、魅せてくれます。ただ、物凄くリアリティを追求するあまり、芸術性が高く、唐突にショッキングなシーンに突入することがあるため、鑑賞には注意が必要です。
脳と体のアンバランスからか、心身ともの“成長”を極端に渇望するベラは、自身の作成者の下を離れ、大陸横断の旅に出ます。その旅の中で出てくるのは、ベラのイメージか、現実ではまず見ない建物やファッションの造形。ただ、その中にある、飢餓や孤児、女性の社会的地位の低さなどの社会問題。ファンタジーとリアルの混在が、作品内で見事に表現されています。
各シーンで切り取られる画作り、不安定な音楽。
ベラは旅の中で、何を見て何を感じ、どう成長していくのか。
全てが圧巻で、圧倒される一作です。
第12位:『オッペンハイマー』
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「一人の科学者が、世界を滅ぼす力を創り出した。破壊兵器を巡る対立が、人間の脆さ、愚かさを浮き彫りにする」
【あらすじ】
第二次世界大戦下、アメリカで立ち上げられた極秘プロジェクト「マンハッタン計画」。これに参加した J・ロバート・オッペンハイマーは優秀な科学者たちを率いて世界で初となる原子爆弾の開発に成功する。 しかし原爆が実戦で投下されると、その惨状を聞いたオッペンハイマーは深く苦悩するようになる。冷戦、赤狩り―激動の時代の波に、オッペンハイマーはのまれてゆくのだった―。
【総評】
第12位は、クリストファー・ノーラン監督、『オッペンハイマー』!
昨年の米アカデミー賞で作品賞他、様々な賞を獲得した本作は、「インセプション」や「インターステラー」、「ダークナイト」など、映画にリアルを追求することでおなじみの、クリストファー・ノーラン監督の最新作。
第二次世界大戦下、日本の広島と長崎に落とされた“原子爆弾”の作成者である、J・ロバート・オッペンハイマーの半生を、壮大なスケールと強力な役者陣で描き切る本作。「彼はなぜ、世界を滅ぼしかね無いほど強力な軍事兵器を作成するに至ったのか」から始まり、作品は「オッペンハイマーは戦後、国からどのような扱いを受けたのか」までを忠実に描き切ります。
その忠実さからか、作品の内容はとても複雑なものになっています。登場人物の多さ、対立構造、社会問題、さらにノーラン節である時系列の混在など、初見で、無知識で鑑賞するには些かハードルの高い作品です。
私個人も、初見で鑑賞後、考察や解説を複数読んで、やっと作品の数割を理解できた気でいます。
ただ、この作品は、一度だけでも鑑賞する価値のある作品です。
作品内、たくさんの登場人物が、それぞれの思惑を持って登場します。観ていて感じたことは、「皆が人間で、それぞれに脆い部分や弱い部分がある」という事。それは、恐ろしい兵器を作った彼にも言えることです。
濃密な緊張感漂う180分を、体感していただければと思います。
第11位:『カラオケ行こ!』
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「ありえない設定、ありえない友情。荒々しくて汚くても、その瞬間は、ギラギラと輝く、青春の1ページ」
【あらすじ】
合唱部部長の岡聡実はヤクザの成田狂児に突然カラオケに誘われ、歌のレッスンを頼まれる。組のカラオケ大会で最下位になった者に待ち受ける“恐怖”を回避するため、何が何でも上達しなければならないというのだ。狂児の勝負曲は X JAPAN の「紅」。聡実は、狂児に嫌々ながらも歌唱指導を行うのだが、いつしかふたりの関係には変化が…。聡実の運命や如何に?そして狂児は最下位を免れることができるのか?
【総評】
第11位は、山下敦弘監督、『カラオケ行こ!』!
和山やま氏著の、人気原作コミックスの実写化作品。
ヤクザ✕中学生といった、現実ではまず起こり得ない、フィクションである漫画的な関係性の構築から始まる今作は、絶妙な塩梅のコメディ作品に仕立てられ、2024年、新年一発目から最高のスタートを切りました。
原作がシュールギャグなこともあり、今作でもそのシュールさを見事に体現させています。独特の間の取り方、無表情でボケてツッコむ描写などは、原作を一度読んだことのある身でも、笑ってしまうほど上手。
ただ、今作はコメディだけでなく、一人の中学生の成長と葛藤を描く作品でもあります。合唱部でソプラノを担当する中学生、“岡聡実”に訪れた成長期。「奇麗な声はもう出ない」と嘆き、落ち込んでいたところに、ヤクザの“成田狂児”が声を掛けます。落ち込む聡実に、無自覚か自覚しているかは分からない、狂児の言葉の一言一言が、次第に心に深く刺さり、救われるように。
互いが互いに作用していく、このありえない関係性が、たまらない!と後半は思ってしまうはずです。
そして、可愛らしい登場人物、感動と青春と、キュンが止まらないクライマックス。エンタメ性に富んだ内容なので、誰が観ても楽しめる作品です!
TOP20~11総評
邦画3の洋画が6、アニメが1という結果に。
そう考えると、2024年は洋画が面白かったのかな、と感じます。
万人に薦められる作品だと、やはり「カラオケ行こ!」が強い気もします。
アクション好きだと「ツイスターズ」、普段映画を観ない方でオススメするのは、「侍タイムスリッパー」ですかね。
各部門の中の傑作が出そろった感じがしますので、ジャンルごと、観たいな~と思っていただければ、嬉しいです。
番外編「続きモノ賞+特別賞」を挟んで、TOP10の発表です('ω')
【くらぶ】