
50歳のノート「SEVENTEENの熱量に充電される」
K-POP男子のオーディション番組を見る手が止まる。3つの番組を同時並行していたのに。
それでもなにか「らしさ」を求めて、番組のメンターをつとめる振付師のチェ・ヨンジュン先生の動画をTikTokであさっていたらK-POP男子グループのいまや大御所、SEVENTEENにヨンジュン先生が指導しているシーンが流れてくる。長年SEVENTEEN(略してセブチ)の振付でヨンジュン先生は有名だった。
「成功した大御所はなぁ…」「もともとすごいんでしょ?」と、なんとなく避けたい気持ちだった。ヒヨコが成長しようとする爆発的エネルギーに惹かれていたのだ。
けれど、セブチの動画を見始めたら印象がガラッと変わった。
たまたまセブチのデビュー直前からデビューまでのコンテンツを見た。
9年前の彼らは今のバルクアップした肉体から想像もつかない、本当にまだ子供のぽやんとした体をしていた。
まるで人の家のような手狭なところに荷物を溢れさせながら13人の少年たちが暮らしていた。彼らが寝る木の二段ベッドの「人の家感」がすごい。
つましい暮らしが伝わってくる。
そのコンテンツでは、デビュー直前の彼らにまるでオーディション番組よろしく課題が与えられる。
課題を自分たちで考え、練習してお客様さんの前に出て披露する。
いざ初披露の日が来る。
まるでデパートの屋上イベントスペースのようなところに集まった人はほんのわずか。
9年後の今、ドームを埋め尽くすほどファンが集まると想像できないほどだ。
披露後、ステージを見ていたメンターたちからめったうちのフィードバックを受ける。
「一人一人の魅力はあるけど集まるとそれが消えてしまう。デビューできても寿命の短いただのアイドルになる」。
悔し波をこぼした彼らは停滞せず、自分たちで知恵をしぼって改善し続けていた。
あのセブチにこんな時代が…。最初から凄かった訳ではなかった。
そして今の姿にどうやって進化したのだろう?
そうしているうちに9年後の今のメンバーたちの名前と顔を見分けたくなった。
なにせ13人いるのだ。
パフォーマンスのコンテンツからなかなか覚えられない(髪色髪型衣装もどんどん変わるし何せ一曲のうち一人のパートが10秒程度なのだ)。
なのでTikTokで流れてきたセブチのYouTubeでやっているオリジナルバラエティコンテンツを見始めた。ゲームや旅のバラエティどころかコントまでやっていた。
セブチのファンは「CARAT(カラット)」と呼ばれ、そのカラットさんたちがコメントで丁寧に疑問質問に答えていたのでそれを知った。
バラエティを見始めたらそれぞれの個性がわかってきて名前とお顔が見分けられるようになった。
ひとりひとりの個性も魅力だし、何より13人のメンバーの結束感がすごい。
デビュー初期の頃、旅先の狭い部屋で折り重なるように寝ていた彼らを思い出す。
家族よりも強い結びつきを感じた。
あっという間にTikTokで流れてくるおすすめ動画はセブチだらけになる。
カラットさんたちのセンスが光る面白編集動画も満載だ。
TikTokのカラットさんたちのアドバイスをありがたく読みつつ毎日コンテンツを掘っている。
さすがに9年分のコンテンツ量は膨大だ。
というか毎日が楽しくて仕方ない。
まだ手がかりは集まってないけれど、あのぽやぽやした少年たちが今の姿になった秘密を知りたい。
私はオーディション番組のヒヨコの爆発的成長に惹かれていた。
爆発して大きくなる、形態変化のように。
けど、もしかしてセブチは爆発し続けているのかもしれない。
爆発的成長なんて誰しもできることじゃないし、できたとしても数回。それを9年間だとしたら…。しかも、13人が一体となって爆発してるのだ。
そんな彼らの熱量を見ていると不思議と自分が充電されているような心地になる。
なんとなく「自分が大丈夫」という感じになるのだ。
まだまだセブチの魅力を掘っていきたい。