
【受講者インタビュー:CQラボ養成講座・認定アソシエイト講座】駐在生活に悩む人をサポートしたい! CQを学ぶことで、違いをポジティブに受け入れられるように
一般社団法人CQラボは2021年3月の設立以来、組織ならびに個人向けのワークショップ、コーチング、コンサルティングなどを通じて国内外でCQの普及活動を行っています。
個人向け公開ワークショップは、CQナレッジ講座とCQファシリテーション講座それぞれに基礎コース・上級コースがあり、さらに学びを深めたい人はホフステードCWQ認定アソシエイトコースに進みます。
CQを使ってグローバルに活躍できる人材が増え、「違いに橋を架ける」を実現することが私たちの使命です。
このインタビュー企画を通して、受講者がCQ講座で何を学び、どんなことを感じ、どのように学びを活かしているのか、生の声を紹介します。
本稿では、2024年1月にCQラボの養成講座を受講、2024年5月に認定アソシエイト講座を受け「ホフステードCWQ認定アソシエイト」を取得した、中国・広州在住のマインドフル駐妻カウンセラー牛口ありなさんにうかがいました。
駐妻として中国へ 海外生活での悩みから解放されたい
2018年2月に夫の転勤で中国・広州に行くことになり、同行しました。日本に一時帰国して出産し、中国で子育てしています。海外での生活には興味があったので楽しみな気持ちで行きましたが、実際に行くと駐在員パートナーならではの悩みや葛藤がありました。
帯同ビザで行ったため、中国での就業はできません。駐在員パートナーがオンラインで集まるコミュニティでボランティアのサークルを立ち上げ、ストレスケアやヨガなどのレッスンを提供しています。
サークルでは、海外生活や駐在員パートナーだからこその悩みが共有されます。言葉の壁や生活の違いなど海外で暮らすことの悩みのほか、自身のキャリアや帰国後の子どもの進路について葛藤を抱えている人もいます。
孤独から解放され、心身の健康のためにオンラインレッスンを行っていますが、海外での生活を楽しむためにもっとできることはないかと考えていました。そんなとき、InstagramでCQという概念を知ったのです。
CQを学ぶことで、私たちの悩みや葛藤から解放されるのではないかと思い、対人支援者のためのCQ養成講座を受講しました。
意外と高かった達成志向 違いに気付き、生活での視点が変わる
子どものころから、他の人の立場だったらどう見えるのか、どうして人によって生き方が違うのかなど、さまざまな価値観の違いにある背景について想像することがありました。CQの概念を知り、講座ではそれが言語化されたことを学べるのではないかと期待がありました。
講座を受けて感じたのは、自分たちで「駐妻」というカテゴリーに当てはめて苦しんでいるということです。駐在員の日本人コミュニティは狭く、安心感がある一方でマイノリティを排除する傾向があります。また、帰国後の生活について悩む人も多くいます。
それよりも、現地の文化を知り、楽しむ方法を知ることが大切なのだと気付きました。
CQを学んだことで、実生活での視点が変わり、鮮やかに見えるようになったのです。
CWQアセスメントを受けたことによる気付きもありました。
達成志向よりも生活の質志向が高いと思っていましたが、実際はそうではありませんでした。とはいえ、平均的な日本人より低いので、比較対象が高かったのかもしれません。自分で思っているよりがんばりすぎているのかもしれないと考えるようになりました。
また、不確実性の回避が高く出ています。これは中国での経験により上がったのではないかと思っています。

異文化適応力について学んだ証として、認定アソシエイトを取得
認定アソシエイトになったのは、CQについて学ぶうちに、もっと広めたいと考えるようになったからです。また、学んだことを証明できるものがほしいという思いもありました。
駐在員パートナーのコミュニティに参加して、帯同先で悩んでいる人の力になりたいと思い活動してきました。当事者だからこそわかることがあると考えています。認定アソシエイトとして学びを深めるなかで、悩んでいる人が少しでも楽しく過ごすためのヒントを得られるのではないかと思ったのです。
また、帰国後の再就職への不安もあります。海外での生活や体験を、語学以外の部分でも武器にできる方法はないかと模索していました。認定アソシエイトとなることは、異文化適応力について学び、異なる文化の人同士のコミュニケーションをサポートできることの証明になると考えました。
講座で、宮森千嘉子さんとセッションを行い、私のパーパスについて話しました。そこで気付いたのは、帰国後のキャリアを心配して、現地での生活を楽しめていない人が多いこと。海外での生活を楽しむためにサポートしたいという自分自身の思いでした。
自分と異なる価値観の人と接するときのストレスが軽減
私の子どもは現地の幼稚園に通っていました。日本人向けやインターナショナルの幼稚園もありましたが、家から徒歩で通え、評判も良かった現地の幼稚園を選びました。子ども自身は比較的すぐに馴染めましたが、親である私は文化の違いに直面することも多々ありました。
衝撃的だったのは、発表会のお知らせを開催2日前に言われたことです。時間がなく、衣装もあり合わせになってしまいました。「もっと早く教えてもらえれば準備できたのに」と思いましたが、現地の人たちはそれが当たり前だと思っています。それほど高いクオリティの衣装も求められていないのです。
CQを学んで、これが私たちの「達成志向」や「不確実性の回避」の高さによるものだと気付きました。経験したことが言語化されたことで、日本での当たり前と違うのだと、より腹に落ちました。
また、中国人のママ友が、中国茶について学ぶ会を企画しました。リアルイベントで人が集まっているのに、当の本人がなかなか来ず、遅刻して来ても謝りません。これも私には驚きの体験でしたが、遅刻してはいけないという考えも「不確実性の回避」による日本人ならではの特徴です。
中国で生活するなかで、当たり前の基準が違うことにストレスを感じていました。しかし、CQを学んだことにより、それがこの国の文化なのだとポジティブに捉えられるようになりました。
現地での生活を楽しむための下地ができたのだと思います。
「駐在家族の異文化体験シェア会」開催 体験をCQで紐解く
認定アソシエイト取得後、オンラインで「駐在家族の異文化体験シェア会」を開催しました。さまざまな国に滞在しているメンバーで体験談をシェアしています。海外生活をよりラクに、より楽しみたい方に、経験をシェアし、CQで紐解いていくための会です。
異文化で生活するからこその悩みや価値観の違いを感じた体験を、講座で得た知識と結びつけることが大切です。6次元モデルで紐解いていくことで、異なる価値観を理解し、適応できるようになれば、生活が楽しくなるのではないでしょうか。
私たちが苦しんでいることは、日本人の傾向である「不確実性の回避」と「達成志向」が背景にあることが多々あります。まずそれを認識することから始まると思うのです。まずは、「そんなにがんばらなくてもいい」と知ってもらいたいと考えています。
「駐在家族の異文化体験シェア会」のメンバー8人で、具体的な事例をCQで紐解いて本にする計画も立てています。
駐在生活にストレスを感じている人にオススメ!
CQを知っているだけで、海外生活を送るうえでのストレスが減り、メンタルが安定しやすくなります。異文化をポジティブに受け入れることで、生活が豊かにもなるでしょう。現地で心地よく過ごしたいと思っている人に知ってもらいたいです。
認定アソシエイトは、自分の海外生活で得た経験を言語化して客観的に証明したい人にオススメです。「異文化適応力があります」と言っても、それがどのような力で、どのようなことができるのか伝わりません。経験に加えて国際資格を持っていることは、駐在を終えて就職するときにアピールポイントとなると思います。
また、海外生活で語学力を身に付けたいと思っている人もいるでしょうか。駐在生活では日本人コミュニティだけでも過ごせるケースも多いため、長くいるとモチベーションが下がってしまうこともあります。CQを学べば、現地の人とさらに深くコミュニケーションをとりたいと思えるのではないかと思います。
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▶ホフステードの6次元モデルと6つのメンタルイメージについて詳しく知りたい方は、『経営戦略としての異文化適応力 ホフステードの6次元モデル実践的活用法』宮森千嘉子/宮林隆吉 著をご覧ください
▶一般社団法人CQラボは、ホフステードCWQの日本オフィシャルパートナーとして、カルチャーに関してトータルな学びを提供しています。CQ®(Cultural Intelligence)とは…「様々な文化的背景の中で、効果的に協働し成果を出す力」のこと。CQは21世紀を生き抜く本質的なスキルです。Googleやスターバックス、コカコーラ、米軍、ハーバード大学、英国のNHS(国民保険サービス)など、世界のトップ企業や政府/教育機関がCQ研修を取り入れ、活用されています。
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