【小説】 ダブルピースで決めっ! 8(終わり)
(あらすじ)
偽名を使いアルバイトを始めた主人公。要領がよく作業が早いため、博士君先輩やチャーリーおじさん社長に気に入られ、次々と新しい作業に就く。しかし、その工場で作られているものには秘密があった。くだらなさ満載のナンセンスSFです。
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それでね。そのまま工場出て帰ってきちゃったんだわさ。これがついちょっと前の出来事だよ。まあ、そんなわけ。ワタシの話もおしまいおしまい。ヨレヨレ。
えっ? テレビ? 見てないけど何かやってるの? うん、つけるよ。でも最近室内アンテナの調子がね……。よいしょ、ポチッ。キュルキュル。
「ピー……ガー……にある精密機械製造工場からミサイルが発射された模様です。ミサイルは、まっすぐ東京へ向かっており現在航空自衛隊が追跡しています。ピー……によるとアルバイトが勝手に発射ボタンを押したとのことです。各地で起きているテロとの関連も……ピー……ガー……」
「ただいまミサイルの映像が入ってきました。ガー……になれますでしょうか……ミサイルにはタケノコ・タケノコの文字が見えま……ピー……ガー……」
ピーピー。ピーピー。
あっ、ごめん、電話がかかってきちゃった。うん、家の電話。そうそう。ごめん、じゃあ、後でまたかけるね。やっぱり、ちょっとそのまま待ってて。すぐ済むはずだから。ね。
ピーピー、ガチャ。
「もすもす」
「わたしだ」
「あっ、ボス。さきほど任務終了しただわさ」
「うむ。ミサイルはこちらも確認している」
「敵のロボット破壊もうまくいっただす」
「クローンの方は確認したか」
「はい、クローン十二人の髪の毛を入手してあるです」
「冷凍して送るように」
「はい、あと製造機の写真も撮影してありだす」
「よろしい。コンビニで現像しておくように」
「すばやくやりんす」
「誰にも話してないだろうな」
「もちろんです。よよよ」
「では、また連絡する。ご苦労だった、ハジメロボ」
「ヨレヨレ」
「マイタケ、マイタケ」
ごめん、待った?
あれ?
もしもし、切れちゃってるね。
電池切れちゃったかな。
ヨレヨレ。
終わり