「ROOM307」
紹介
2018年にEP《Room307》をリリースし、「撒野作風 Wildstyle Records」というレーベルに加入、当インディーレーベルは日本お宅こと「YoungQueenz」（代表作に「水原希子」「異常火曜日」）や台湾のラッパー春艷 Chunyan（顏社のLeoWangとの「夜貓組」でも有名）とコラボしたり「棉花糖」というLofi hip hopをリリースした「Triple G」などを輩出などヒップホップアーティストを多く抱えるレーベルであるため、香港風レトロ音楽を好む「ROOM307」は非常に異質の存在。港版「落日飛車」とも評されている。そのほかに南洋派對 N.Y.P.D.というグループでも活動している。
名前の由来
本名はALLEX CHAN、307号室というアーティスト名は仕事部屋（創作部屋）として住んでいる部屋の番号から。毛不易の楽曲にも《二零三203》という曲がありますが似たような起名方法ですし、医学の道を歩んできたという点においても彼と経歴は似ているのではないでしょうか。あだ名は「深情公子」(由来は「MY BONNIE」という曲のMVから、以下写真参照。）。
きっかけ（MING'Sインタビュー参照）
創作活動をはじめたきっかけは、夏休みにサマージョブ・インターンのようなもので出会った店長にバンドの良さ・音楽を教えてもらい、たまたまあるカフェで催されていた音楽イベントに参加した際に、中古のギターを譲り受け、それから香港で創作活動を始めたそう。
彼の楽曲の特徴ともいえる、60-80年代の懐かしい香港風スタイル・Lo-fiでの録音・簡単なリズムかつ簡単な歌詞の楽曲は、当時のいろいろな歌手、とくに細野晴臣,Yo La Tengo,坂本慎太郎、作詞だと林振强（簡単な歌詞で比喩なども少なく美しい歌詞が好きらしい）などから影響を受けているそうだ。
YORKの社長さんとのインタビュー記事では「應該都 60 年代出世」「認作譚詠麟」などと書かれている、実際は90年代生まれの若者の部類だが、アンティークなものを愛しファッションに取り入れているため見た目は本当に60年代生まれの若者そのもの。ジーンズを愛用しており、趣味のバスケをする際もジーンズを着てプレイするらしい。
香港制造的南洋派對 N.Y.P.D.
「南洋派對」というバンドのメンバーとして活動、南洋派對 N.Y.P.D. は他のバンドと全く異なる実験的な音楽を繰り出しており、一部の人に注目されている面白い香港のバンドです。Post-Punk、ElectoronicMusic、サイケ、南音（1920年台ごろに広東地域で流行った広東語民謡、バンド名は「南音Namm Yam」の音と発音が似ていることから）などの影響を受けている。香港の夜の情景・夜ごはん、昔の香港のネオンサイン、テレサテン、古着屋などさまざまなテーマを扱っている。
南音の代表的人物「杜煥」をリスペクトした楽曲「Indie師兄」の最初の部分は杜煥の自己紹介を採用している。MVには昔の良き懐かしい香港が投影されており共感を覚える方もきっと多いだろう。
Dream Pop・香港レトロを主体とするソロ活動と似ている楽曲もあるが、ポルトパンク主体のバンドで結構音楽性は異なる。
バンドの説明は「15 Hong Kong bands you should be listening to、BY LOCALIIZ」を参考にして書きました。
「ROOM307」楽曲紹介
"My Bonnie"
サンヨーのポータブルカセットプレーヤーを手に街並みをあるくMVで、カセットを購入し、セットしソニーのイヤホンをつけ、外界の情報を遮断し音楽に没頭するといった流れがあり、徐々に彼の世界観に没入していく、もしかしたら彼と同じように踊りだしてしまうような人もいるかも。最後の突然と流れる不思議なアートワークは雞蟲狗公鴨から？現実とさらに遠く離れたところに飛ばされたような感覚がありちょっと謎。ボニーという名前は彼が出会った現実の人物ではなく架空の人物で、歌詞や設定に特に意味はないらしい。
"MkSadBoyKowNgDouLuiAsUsual"
同じく視覚的にもレトロさを味わえる隠れ名曲、画素の粗さ・ローファイなどを同時に楽しむことができる。
"背山望海"
港版DreamPop、Bedroom Popの代表作。インディー界隈では香港版サンセットと評され、一躍話題になった本作。香港の00年代を代表する超有名歌手こと謝安琪 (Kay Tse)を迎えたライブセッションを行い、インディー界隈だけでなく多くの人の目にとまり以後さらに注目を集めることに。後半のバックミュージックに波の音も入っていたりと創意工夫がこらされていて、上の二作と異なりこちらは聴覚の方にさらに重きを置いている（今後MV出ても良さそうだけど）。Room307《背山望海》歌詞拼音/ピンイン/lyrics/가사 | C-POP研究所 (ameblo.jp)
"Moonbeam 夢邊"
新曲Released on: 2022-11-17
今回は夢や夢幻などについての曲、撮影場所はヨーロッパでありインスタで見た事前情報では落ち着いた場所で撮影をしている様子だったので、心地よいものを聞けるのだろうと楽しみにしていたが、集合体恐怖症であるため毎度MVの最後に入れてくる恐怖パートにぞっとした。中医学を学び実際に現場でも働いていた彼、こういった症状には当然詳しいはずなのでわざとだろうが、どういった意図なのだろうか、これで特に意味はないと言われればそれまでだが。
参考記事
獨家專訪懷舊少男 Room307：我不覺得自己活在過去，我的音樂是我的情信。
港式復古情懷的夢幻音樂人：ROOM307，懷舊香港響起無限自由
【專訪】撒野作風 ROOM307 房間裡的音樂魂｜受美國實驗搖滾元老 YO LA TENGO 啟發
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