NICKELMAN インタビュー 「気持ち良さ」にこだわるビートメイクと、アナログ/フィジカル媒体でリリースする必然性
私が「サウンドパックとヒップホップ」と「極上ビートのレシピ」の連載を行っていたメディア「Soundmain Blog」のサービス終了に伴い、過去記事を転載します。こちらは2023年5月19日掲載の「極上ビートのレシピ」の第5回です。
SpotifyやApple Musicといったサブスクリプション型ストリーミングサービスの浸透以降、リスナー数が急成長したインストヒップホップ。ここ日本でも活気溢れるシーンが形成され、その中から国境を越えて大きな支持を集めるビートメイカーも増加してきている。この連載では、そんなインストヒップホップを制作する国内ビートメイカーに話を聞き、制作で大切にしている考え方やテクニックなどを探っていく。
第5回に登場するのはNICKELMAN。大阪を拠点にカナダやドイツなど海外レーベルから数多くの作品を発表するほか、自らのレーベル〈deepconstruction records(通称:DCR)〉からカセットやレコードのリリースを精力的に行っているビートメイカーだ。また、同郷のビートメイカー・FROGMANとのユニット「FREEMANZ PRODCUTION」でも活動。コンセプチュアルなアルバム作りや、メロウでありつつ「音の太さ」をキープするその作風は、国内外の多くのリスナーを唸らせている。今回はそんなNICKELMANに、大阪のヒップホップシーンやアナログの魅力、「PCを使わない」その制作方法などを聞いた。
ヒップホップとの出会いはスケボーから
――NICKELMANさんとヒップホップの最初の出会いはどういったものでしたか?
自分の家の近所にスケボーで滑れる長居公園という場所があって、「(スケボーって)クールだな」というイメージがあったんです。中1の時、スケボーをやっているクラスの友達から誘われて自分でも始めたんですけど、その友達がサーファーのお兄ちゃんの影響でWu-Tang ClanのTシャツを着ていたんですよね。「なんなん、そのカラスのマークみたいなの。クールやな」って聞いたら、Wu-Tang Clanの名曲「C.R.E.A.M.」を教えてくれたんです。それで「渋っ! 本場のヒップホップってこんなんなんや」と思ったのが最初の出会いですね。ファッションとかも含めて、スケボーで知っていきました。
その頃はちょうどACOとZeebraと一緒にやっていたDragon Ashのシングル「Grateful Days」がメディアにもじわじわと出てきて、ちょうど日本でヒップホップが市民権を得てきていた時期だったんですよね。それで日本のヒップホップやR&Bを好きになりました。birdやTWIGY、SHAKKAZOMBIEあたりですね。当時アメ村にあったタワレコでCDを買ったり、友達とCDを貸し借りしたりして色々知っていきました。
最初はポップなヒップホップを聴いていたんですけど、友達がSPACE SHOWER TVをVHSに録画したのをみんなで観ているうちにBUDDHA BRANDとかLAMP EYEの「証言」とかを知って、どんどん深みにハマっていき……みたいな感じでしたね。
――先にWu-Tang Clanに出会ってから、日本語ラップへみたいな流れだったんですね。
Wu-Tang Clanで「こういうのがヒップホップなんや」とわかりはしたんですけど、当時はそこまでディグの経験値がなかったので、すぐには海外のヒップホップを聴くようにはならなかったんですよね。やっぱりテレビで流れてくるZeebraとかの存在が大きくて、中学生の時はジャパニーズヒップホップをメインに聴いていました。
海外のヒップホップは、高校生くらいになった時に、DJの先輩から借りたミックステープで知りました。DJ PremierとGang Starr、A Tribe Called Quest、Pete Rock、Nasとかの東海岸のヒップホップが多かったです。あとDr. DreやSnoop Doggとかの西海岸のヒップホップもミックステープから知りました。その流れで、茂千代君、BAKA de GUESS?君、MISTA O.K.I.君とかのラップが入っているテープもダビングして聴くようになったんです。
あと、その時にDJ KENSAWさんのOWL NITE FOUDATION’Zの12インチとかも聴いていて、大阪のヒップホップのディープなところも知っていくみたいな流れでしたね。その後年齢を重ねていくうちに、海外のヒップホップもどんどん聴いていくようになりました。
――NICKELMANさんは他のプロデューサーが作ったビートの上でラップをされることもありますが、ラップとビートはどちらを先に始めたんですか?
ラップ……というか、なんか知らんけどリリックを早い段階で書いていましたね(笑)。レコードとかに入っているインストを聴きながら書くようになりました。
ちなみに、最初に始めた音楽はピアノでしたね。実家に大きなピアノがあったんで3歳から6歳くらいまでやっていました。今は全然弾けないんですけどね。
――ビートメイクを始めたきっかけは何でしたか?
中3くらいから「ビートってどうやって作っているんだろう?」って興味を持ち始めました。その当時から『Graffiti magazine』とかを読んでいて、グラフィティライターやスケーターみたいな表に出ない人たちに惹かれたんですよね。ビートメイカーも同じ匂いがしたので憧れました。
ラッパーとしてライブを始めたのは高校生くらいなんですけど、大体みんなレコードに入っているインストを使ってラップするみたいな感じだったんですよ。それで元々興味を持っていたこともあって、高1か高2の頃に、「オリジナルのビートを作ってラップすれば他のMCと差別化できる」と思ったんです。「絶対に俺がビートを作れなあかん。習得したろう」みたいなモードになったんですよね。それで先輩から教えてもらって、Technicsのターンテーブルとミキサー、MPC2000XLを買ってサンプリングで作り始めました。
大阪のヒップホップシーンでの交流
――最初はラップありきのビートだったんですね。そこからインストでの作品を出すモードになったのはいつ頃でしたか?
2014年の『BLUEBEATS』というビートテープを出した時くらいからですね。それ以前にもラップの曲のインスト集をCDで作って出したりはしていましたけど、ビートテープとしてカセットでリリースしたのはあれが最初だったと思います。
――先ほど先輩から教えてもらったという話が出ましたが、身近にビートメイクを教えてくれるような人がいらっしゃったんですか?
いや、ビートメイク自体はほとんど独学でした。まず、ビートメイクをやっている人がすごく少なかったんです。当時はCOE-LA-CANTHとかがオリジナルのビートでラップをやっていたんですけど、メンバーのK-MOON君……今のGRADIS NICE君のビートを聴いて格好良いなとは思っていました。でも、当時高校生くらいだった自分とは近い存在じゃなかったから、遠目で見ていたんです。
その後、K-MOON君が昔働いていた「FLATt」という大阪の老舗のクラブで自分が20歳くらいの時に働くことになったんですよね。彼が辞めた後くらいのことでした。《PRIDE》というパーティーに出演していたINSIDE WORKERSやDJ KENSAWさん、DJ SOOMA君を「ラップもビートもドープで格好良いな」と思いながら横で見ていたりしましたね。でも、その時はフランクに話せる感じじゃなくて、教えてもらうとかできなくて(笑)。ビートを聞いて、「何を使ってんのかな? SP-1200とかMPC3000なのかな?」って想像を膨らませたりしていましたね。
――クラブで働いていた経験は大きそうですね。
そうなんですよ。INSIDE WORKERSをはじめ、オリジナルのビートでラップしている人をその時代にはよく聴いていました。あと、平日のレギュラーパーティーの《SO DEEP》というハウスミュージックのパーティーや、働いていたスタッフが企画するテクノやドラムンベースのパーティーで、ヒップホップ以外の音楽にもめちゃくちゃやられましたね。お客さんが踊っているところとか見ていて、BPMが速いビートや四つ打ちに固定観念を壊されていきました。そういうダンスミュージックの人は、MPCを使っていた方もいましたけど、割合的にヒップホップと違ってMPCじゃなくてソフトを使っている人が多かったんです。それでAbleton Liveとかを知りました。
――その後、ヒップホップの仲間はどうやって増えていきましたか?
「FLATt」で働いている時にJUMBOという同世代のラッパーがいて、《地下質》というアンダーグラウンドヒップホップのパーティをやっていたんです。土俵ORIZINのINDEN君やGEBOさんとかが出ていました。イベントで俺もフリースタイルをしていたらJUMBOと仲良くなって、その流れでDJのKEITAやMO-RIと知り合ったんです。
今FREEMANZ PRODCTIONで一緒にやっている相方のFROGMANと知り合ったのもそうした流れからでした。ビートメイクの技術とかについて色々と話ができる、初めての気を遣わずに話せるビートメイク友達になったんです。お互いに使っている機材がMPC2000XLだったこともあって意気投合して、「あれどうやってるん?」って聞いたり、俺も教えたりして。それまで自分一人でああだこうだとやっていましたが、20歳くらいの時にFROGMANと出会って初めて今までには無かったビートメイクの情報交換ができるようになった。フリップの仕方だったり、ベースの入れ方だったり、色々なことを教わりましたね。
「このネタこういう使い方すんねや」があると面白い
――制作環境は、最初にMPCを買ってからどのように変化していきましたか?
2011年にKOR-ONEさんとインストの曲を作った時に、KOR-ONEさんがダブのテクニックを取り入れていて面白いなと思ったんです。それでテープエコーに興味を持ってすぐにゲットしました。
また、同じ時期くらいにILL-SUGI君やBugseed君を知って、SP-404やSP-303を知りました。当時のトラックメイカーはMPC2000XLをLIVE会場に持ち込んでいたし、SP-404のコンパクトなところはすごく良いなと。
SP-404はDJの先輩から譲り受けたんですが、FROGMANからコンプがめっちゃいいというのも聞いたので、後にSP-303も買いましたね。そこから今の自分のラフな感じの音作りができてきました。ゲームみたいにざっくりと作れるようになったんですよね。
今は基本的にMPC2000XLをメインに使って、SP-303やテープエコー、カオスパッドを使いつつ、最終的にはカセットデッキでマスター録音しています。ミックスも全部MPC2000XLの中だけでやっていますね。
――ということは、DAWは使っていないんですか?
全然使ってないです(笑)。マスターのカセットテープからGarageBandに入れているだけですね。SP-303を手に入れてから、「コンプかけてカセット録音したらそれでええやん」みたいな感じになりました。それで今言ったようなヒップホップのダーティな部分みたいなものが出るような気がしています。
――制作は今サンプリングだけで作っているんですか?
そうですね、今の作品はほぼサンプリングだけです。でも、FREEMANZ PRODUCTIONで作った『KEY MILESTONES』というアルバムはシンセを使いました。FROGMANと2人で「シンセを弾けるようになりたい」って話になって、シンセを買って練習していたら次第に「アルバムにしていこうか」みたいな流れになって作ったアルバムです。FROGMANがコードを担当して、俺はジャズっぽいテイストの鍵盤のノリやリードの即興をやりました。骨組みのデモビートの上にGarageBandで一発録りして作りましたね。
――研究したビートメイカーはいますか?
初期はDJ PremierやPete Rockをお手本にしていました。あとはMo’ Waxの時のDJ ShadowやDJ KRUSHさんも結構聴いていましたね。そのノリでJ DillaやMadlib、MF DOOMとかのインストアルバムも聴いて勉強しました。最近だったらKnxwledgeやIman Omari、Mndsgn周辺も色々聴いています。
――Knxwledgeすごいですよね。取材していて名前が挙がることも多いです。
Knxwledgeは「そんなことする?!」みたいな感じなんですよね(笑)。「そのドラムの打ち方、新しいな」とかもあるんですけど、フリースタイルのアカペラを乗せたりとか。自由な感じが格好良いです。Knxwledgeに限らず今名前を挙げた人たちは、「このネタこういう使い方すんねや」みたいな発見があるのが面白いんですよね。
――この流れで、「史上最高のビートメイカー」を5人挙げてもらってもいいですか?
MF DOOMはラップもできてビートも格好良くて、スタンス自体も全部格好良いなと思ってます。あとはMadlib。ざっくりとした感じのビートの作り方や、「この人レコード絶対好きやん」というところにも惹かれます。BLUENOTEの音源をサンプリングして制作された『Shades of Blue』はリリース当時何回も聴いたアルバムだし、(Madlibの変名である)Yesterdays New Quiestの『Stevie』というStevie Wonderのトリビュートアルバムがあるじゃないですか。あのレコードはFROGMANが貸してくれて、最近でもよく聴いています。
自分の活動初期の頃に食らったのはDJ Premierです。Gang Starrがめっちゃ好きだったんですよね。2000年代に入っても格好良かったですし。DJ Premierって、元ネタがわからないくらいチョップしてもめっちゃハメてくるじゃないですか。あれがすごいと思います。
そしてさっきも言ったKnxwledgeと……最後一人はめっちゃ悩みますね。J Dillaはもちろんなんですけど、「同じ日本人として世界に名を知らしめた」という意味でDJ KRUSHさんにしたいと思います。
アナログの質感へのこだわり
――ネタ選びへのこだわりは何かありますか?
特にないつもりなんですけど、自分が好きなコード感はあると思いますね。なんとなく「これ俺っぽいな」って時があって、そういう直感のみで選んでいます。
あと、ソウルやジャズのような生音の感じが好きですね。ソウルとかって、声ネタのフリップでサンプリングすることが多いじゃないですか。その声ネタが作っているアルバムのコンセプトにマッチしているかをめっちゃ考えるので、使おうと思ったフレーズはサンプリングする前に歌詞の意味を和訳するようにしています。ゆるくて愛溢れるアルバムの時は特に意識しますね。
――制作で一番時間をかけているのはどの部分になりますか?
作る前にサンプリングネタを丸ごと一曲聴くんですけど、そうやって曲を聴くことに一番時間をかけていますね。ジャズとかだとインストの曲も多いですけど、例えばソウルだと歌詞もめっちゃ良かったりするじゃないですか。和訳して意味を読み解きながら聴いて、「ここをメインのループで使うぞ」とひらめいたら曲のコンセプトやテーマを決めます。
そこからサビや展開を考えて、後は早いです。グルーヴ感を出すのに組んで修正して、また組んでは修正して……って感じで、自分の理想のグルーヴの完成に近づけていく感じですね。
――元ネタを短なる素材ではなく、曲として好きになって作っているんですね。
元々「VINYL 7」というレコ屋で働いていて、レアグルーヴやジャズ、ソウルが好きなんですよ。もちろんレゲエ、ダブやファンク、ディスコも好きですけど。普段お世話になってるレコード屋の「ISANDLA」のラジオや、NTS(イギリスのインターネットラジオ局)の番組をよく仕事中に聴いていて。そこで流れている、BGMとして聴けるような60~70年代のレコードの音が好きなんですよね。
――レコードの音といえば、〈DCR〉のプロフィールでもアナログの質感へのこだわりに触れていますよね。
レコードの音って、耳に馴染みやすい暖かい音質だと思うんですよ。自分自身テープを聴いていた世代ですし……デジタルって、音が波形でバシッと決まっているじゃないですか。それに対して、レコードやテープには動物的な魅力があると思うんです。盤が曲がっていたら変な音の鳴り方をしたり、テープを聴き過ぎると伸びていったり。そういうのってデジタルには出せない一個一個の個体差であり、魅力みたいなものに繋がっていると思うんですよね。
愛着も湧きやすいですし。マスタリングする時も毎回テープに落とすことによって、その日その日の違いが出るような気がします。デジタルに落とし込むのにも、一回カセットを通すと面白くなるんですよね。
――〈DCR〉の話の流れでお聞きしたいのですが、そもそも〈DCR〉を始めたきっかけは何でしたか?
レコ屋の時に上司だったMatsumoto Hisataakaaさんに「レーベルって、どうやったらいいんですか?」と聞いたのが始まりですね。それまではレーベルってすごく大きな規模感を考えていたんですけど、「レーベルなんて名前決めて全部自分でやったらいいねん。あとはロゴとか考えて、ブログとかも頑張れ」みたいに言われて「そんなに簡単にできるんや」と思って始めました。先輩のグラフィティライターのRAIEN君にスプレーでロゴを描いてもらって、それをトレースしてレーベルロゴを作ってデモCDを作って配ったりしましたね。それが〈DCR〉の始まりで、2009年くらいのことです。
――今年で14年目なんですね。もはや老舗じゃないですか!
そうなんですよ(笑)。「自分や自分の周りの人の音源を自由にリリースする環境を作って、それぞれで好き勝手やりたい」っていうのが〈DCR〉を始めた一番大きな理由でした。
――〈DCR〉はカセットやレコードをたくさん出していますが、そういったフィジカルリリースの魅力はなんだと思いますか?
「物質として世の中に残すということは、その時代に自分が生きていた証拠を残すこと」だと思っているんです。Miles DavisやSun Raってたくさんのレコードを残していて、時期によって作品の内容も変化していくじゃないですか。俺は彼らの影響を受けていて、自分がその時に面白いと思ったものを形に残すことに重きを置いているんですよね。だからリリース量も多いのかなと思います。あと、テープやレコードって飾っても格好良いし、年が経つごとに味が出てくるじゃないですか。CDよりレコードのほうが長く残りますし、物質として残すならレコードやカセットが好きなんですよね。
国内外のビートシーン、他分野との繋がり
――discogsのページが充実していたり、NICKELMANさんのSpotifyのリスナー分布を見ても海外人気があるように見えます。何か海外に広めるためにやっていたことはありますか?
ビートテープって、「言葉がないから海外でも聴けるやん」って思ったんです。それでカセットを作ってBandcampのダウンロードコード付きで本格的に売ったのが、2014年の『BLUEBEATS』でした。最初にやったわけではないと思いますけど、当時は日本でそういうことをやっている人は少なかったと思います。
その頃から海外への気持ちが強くなっていって、自分でデュプリケーターを買ってカセットテープを作って販売したり、海外レーベルに送ったりしていましたね。
――海外といえば、〈DCR〉で主催していたイベント《BEATSADDICT》でも海外からゲストを呼んでいましたよね。
台湾からFarragol、ブラジルからSonoTWSや、オーストリアから女性ビートメイカーのSADIVAが中心となったLab Coというビートクルーなどを呼びましたね。Farragolは過去に自分とスプリットビートテープを出してたので、その流れだったんですが。
SonoTWSやSADIVAは向こうからオーガナイズをしていたメンバーに連絡が来たりと、不思議なことが起こっていましたね(笑)。
今は休止しているんですけど、《BEATSADDICT》をやっていた経験は結構大きいです。〈DCR〉のメンバーとDJ KEITAのレーベルの〈Ital〉と一緒に2013年から三年間くらいやっていて、BugseedやILL-SUGI、Yotaro、matatabi、tajima halを呼んで、ビートメイクの情報交換もしたりして。福井からも情報を嗅ぎ付けてDRSが遊びに来てくれたりして、彼らとも意気投合したって感じでした。
――実は私も一回遊びに行っているんですよ。DRSとGREEN ASSASSIN DOLLARさんが出た回です。「ビートライブ中心のイベントでこんなに人が入るんだ」と衝撃を受けた覚えがあります。
マジですか! あの日はめっちゃ人が入っていましたね。みんなよく来てくれたなと思います(笑)。《BEATSADDICT》は、大阪にああいうパーティがなかったので自分たちで始めたという流れでした。そこでひと通り気になっているビートメイカーを呼べて、いっぱい友達ができました。それぞれのスタイルを持ったビートメイカー達を見て、ステージの見せ方の面でも影響を受けましたね。
――関西では以前もこの連載で取材したdhrmaさんがやっている《Table Beats》があったり、ビートシーンが盛り上がっている印象があります。その礎を築いたのが《BEATSADDICT》だったんじゃないかと、外野で勝手ながら思っています。
直接会った時にもみんな嬉しいことを言ってくれたりするんですよね。ありがたいです。
――今後コラボしてみたいアーティストはいますか?
誰とかじゃないんですけど、自分が格好良いなって思ったアーティストやったらどんな人でも一緒に作りたいですね。MC、シンガー、ダンサー、スケーター、映像作家、アニメーター……なんでもいいです。ジャンル問わず、自分が食らった人とはコラボ作品を絶対作っていきたい。国内だけじゃなくて、これからは海外のアーティストとも是非やってみたいですね。
――そういった他分野とのコラボは面白いですね。
自分は音楽をしてる人じゃなくても、出会った色々な人から影響を受けている部分が大きいんです。グラフィティライターだったり、スケーターだったり、近所に住んでる友達とか。ストリート以外だとお店を運営している方からも影響を受けていますし。
音楽をやっていない人も含めてジャンル関係なく、それぞれの生き方とかライフスタイルから感じ取れるクールな部分を吸収していく。例えば街で出会ったスケーターの若い兄ちゃんと話していると、「今の子ってこういう感覚なんや」って思ったりするんです。彼らのライフスタイルから感じ取れる部分を、「音楽にどういう風に反映しよう?」と考えたりします。そういうことの積み重ねが、今の自分を形成している大きな部分だと思いますね。
「音の太さ」の秘訣と「気持ち良い音」の追求
――NICKELMANさんのビートは、メロウな曲でもソフトな感じに振り切らずにドープになっているのが良いなと思います。そのために工夫していることってありますか?
Ballheadからも「NICKELMANさんのビートってめっちゃスモーキーっすね」みたいなことを言われたことがあります。あんまり綺麗なコード感というより、煙たい雰囲気が自分には合っていると思うんですよね。綺麗なコード感のあるサンプルも汚すというか……ジャズが好きなので、レアグルーヴみたいに曲として聴きやすいノリをビートに入れたいと思って、そういうヴィンテージ感のある音をヒップホップ的な「音が汚くても格好良い」ってスタンスで作っていますね。
レコードノイズやテープノイズとかも気持ち良かったりするじゃないですか。そういうザラついた雰囲気が自分に染み付いていて、それを自然に出すとドープな感じに仕上がってくるんじゃないかなと思います。
――TAMTAMの高橋アフィさんが、以前noteでNICKELMANさんの音の太さについて書いていました。そこは自分としても同意するところだったんですが、音の太さはどうやって出していますか?
ベースやドラムをモノラルでサンプリングしています。モノラルは真ん中で集中して鳴ってくれるんで、そこでズドンと強く太く鳴るんですよね。
あと、MPC2000XLやSP-303で作った後、GarageBandに流し込む前の段階でターンテーブルのミキサーを使ってロウやハイを調整しています。つまり波形も見ずに、完全に自分の耳だけでやっていて。
健康診断の時に言われたんですが、俺、ずっと昔から音楽を爆音で聴いていたからなのか、一番低いロウの部分だけが普通の人より聞こえてないみたいなんです。だからなのか自分が気持ち良いって思う大きさにミックスしていると、どうしてもロウを大きく出しちゃう癖があるんですよね。それで太く感じるんじゃないかな(笑)。ともあれそういうスタイルが確立されたのが、SP-303と出会った2014年くらいですね。
――ビートの揺らぎはどうやって出していますか?
まず、サンプリングしたネタを細かく分解して、そこから感覚的に打ち込んだドラムにハメていく感じです。ハイハットを裏打ちにしたり、色々違うリズムや違う音で打ったり、効果音とかめっちゃ小さい音で打ったり……とにかく気持ち良くなるようにリズムを重ねています。ベースはその場合もたついたほうが気持ち良いので、そういう風に入れて、スネアの音を水っぽく重ねたりして。気持ち良いなって思える、自分のグルーヴ感を信じて作っています。
それで、一切クオンタイズとかはしていない。全部をその日のノリで打ち込んでいます。マスタリングを依頼するエンジニアには「BPMが絶妙にズレるっすね」みたいに言われたりもしますね。
――制作の上で意識していることや、大切にしていることを教えてください。
インスト中心になり始めたのが、子どもが生まれた時なんですよ。聴いている人が気持ち良くなって、リラックスしたりチルしたりとか、景色が見えてきたりとか、音に浸れたりとか……子どもが生まれてから、そういうことを大切にしていこうと思うようになりました。
あと「自分の音楽で人を感動させたい」というのも思っています。ダンスフロアで踊れるようなビートももちろん好きなんですけど、自分の子どもが聴いて「お父さんが作っているの、ええやん」って言ってくれた時に「やっていてよかったな」みたいに思うんですよね(笑)。素直やし、心に響く感じがします。そういう聴きやすさみたいなことへの意識は、昔より最近はより強くなっていますね。
――よく使うテクニックはありますか?
声ネタを入れる時に、声だけテープエコーのエフェクトで飛ばすのをよくやっています。そうすることで、フワっとしてトリップ感が増して、ビートに馴染みやすくなるんですよね。あとは定番ですけど、サイン波でもたついたベースを弾くのもよくやっています。それを元ネタに入っているベースの隙間にノリで入れていく……みたいな。とにかく気持ち良くなるように作っていますね。
――元ネタを聴き込んでそこからループを決めていくという話が出ましたが、ビートメイクはウワモノが先ですか?
そうですね。自分が好きなコード感の話にも繋がってくると思うんですけど、まずメインのループを決めてから作ります。でも、逆にドラムから始める時もありますね。その辺はその時のノリです。
コラボワークの練り上げ方
――FROGMANさんとのFREEMANZ PRODUCTIONでは、どのように制作していますか?
俺がアルバムのメインコンセプトを決めることが多いです。制作に関しては、FROGMANと交代しながらドラムを組んだり、ベースを弾いたり、ネタをチョップしたりって感じです。2人でMPC2000XLを使って作っていると、必然的に後ろで見るターンみたいなのが生まれるんですよ。後ろで聴いている時に「こうしたほうが正解に近づくんちゃう?」みたいな感じで、お互いを客観的に見てセッションするように作っています。自分にない要素をお互いに取り入れながら、楽しくやっていますね。
――それはデータの送り合いとは違う楽しさがありそうですね。FREEMAN PRODUCTONでは、去年ONENESSとコラボアルバムを出していましたよね。NICKELMANさん個人としても、Äuraさんとの歌モノのEPを出していたじゃないですか。ああいう歌やラップが乗る作品とインストの作品で、異なる意識で作っている部分はありますか?
特に分けてはいないんですけど、「歌やラップが乗る場合はシンプルなやつの方がハマったりするのかな」ってイメージはありますね。ONENESSはラップグループなので、FROGMANと2人で「ワンループだけでも飽きんと聴ける、シンプルなヒップホップビートを作る」ことを心がけました。
ワンループでずっと聴かせるのって、すごく難しいんですよね。DJ PremierやJ Dillaはそこがヤバいと思います。シンプルなビートってラップが映えるんですよ。Äuraとの時は、歌が乗る前提なので声ネタを使わなかったり、コード感のあるメロウなビートを意識して作りました。分けているというより、その時にフィーリングが合ったアーティストと一緒に話し合って作品を作り上げていくような感じですね。自分のインストものでも「ラップを乗せたい」って依頼をもらったりすることもあります。
――なるほど。
例えばGEBOさんとのアルバム(『スーパーナイト』、2018年)の時は、即興的なジャズの要素や実験的なビートを取り入れました。
K-SLIDEとのEP(『MIDNIGHT PEEPS』、2021年)の時は、ラップとビートでゆっくり浸れるイメージ。
KOJOEさんと作った「Find A Way」は、ビートが出来た時からヤバい曲が出来る確信がありました。元々KOJOEさんの音源を聴いてたし、ずっと曲を作りたいなって思ってて。お互いが奏でるグルーヴ感とヒップホップ愛的な面白さを取り入れましたね。
――これまでのお話でも出てきましたが、いつもコンセプトを立てて作品を作っていますよね。先にコンセプトを決めてから作るタイプですか?
そうですね。個人の作品だったら、全体的なコンセプトをある程度決めてから制作に取り掛かっています。アートワークも自分の変名の55555名義でコラージュして作っているんですけど、ビートを制作してアルバムが完成に向かっていくにつれて、アートワークも頭の中で完成していくんですよ。1曲目ができた時のぼんやりとしたイメージが、最後の曲ができてアルバムを一周して聴く時には固まっているんです。
コラージュアートもビートも、素材を繋ぎ合わせていくパズルみたいなものじゃないですか。曲とデザインを連携させてコンセプトを表現していて、そのためにもレコードで出すことが重要になってくるんです。レコードではアートワークを大きく見せることができるので。
曲とアートワークが絡み合った最新アルバム
――今度出すアルバムの『Pleasure Trip』は「極楽トリップ」がコンセプトとのことですが、その理由を教えてください。
音で色々と旅しているような、色んな景色が見えてくるアルバムにしたかったんですよね。まず軸となる曲を作ろうと思って、タイトル曲の「Pleasure Trip」を作ったんです。この曲が出来た時にサビのフレーズがすごく(喜び・快楽を意味する)「Pleasure」な感じだったんで、軸にして他の曲を構成していったって感じですね。
元々、自分自身もライブとかで色んな場所に行くのが好きだし、トリップ感のある音楽も好きなんですよね。旅って色んな喜びに触れるじゃないですか。人との出会いであったり、その土地土地の素晴らしい景色であったり。あとめっちゃ遊ぶ日もあれば、「今日は疲れたからゆっくり静かに寝よう」みたいな日もあって、楽しみ方も人それぞれだし。そういう感じを音に入れたくて、今回のコンセプトが固まりました。
――アートワークについて何かエピソードはありますか?
Miles Davisの『Bitches Brew』のアートワークが好きなんですよね。後はSun Raの『Cosmos』とか。ああいう60-70年代の雰囲気を意識していて、今回はレコードに日本語のちょっとダサいキャッチコピーを書いたO型の帯を付けているんですよ。あれって実はプレスすると高いんですけど、日本盤に付いていたらコレクター心をくすぐるじゃないですか。『Pleasure Trip』はそれも込みの作品なので、曲も最終的にそういう形になることを思い描きながら作っていました。
曲名には架空の国や土地の景色に合ったものを付けたりしていて、例えば最後から2番目の「Nautical Days」は「出港日」のイメージです。最後の「Starry Island」は、ジャケット裏面の宇宙や夜のイメージ。それがアルバムが終わって、また再生する時に表にひっくり返すと朝焼けになる。そうやってアルバムのジャケットを置きながら、レコードで聴いて楽しんでもらいたい作品です。
――細部までこだわった作品なんですね。アルバムの解説文に「古ぼけた8mm FILMのサイケデリックなサブカル映画を見ているかのような」とありますが、実際にノスタルジックなムードがありますよね。あの感じを出すために工夫したことは何かありますか?
いつも意識していることでもあるんですが……1曲目はこれで始まって、ラストはこれで締めるみたいな、アルバムの流れが頭の中でできていたんです。それにしたがって、古ぼけたフィルムの映画を見ているみたいな曲順で進行していくストーリーを作ってみたという感じですね。そのストーリーもデジタルよりレコードやテープで聴くと、より味わいやすいかなと思います。
――タイトル曲は、某2000年代ヒップホップの名曲と同じネタを使っていますよね。ああいった「大ネタ」を使う時に注意していることはありますか?
大ネタであるほど原曲や、それが使われている既存の曲についての知識は必要と思います。例えば、Minnie Riperton「Inside My Love」の後半の声とローズの有名なフレーズは、Kenny DopeやTRIBE、J Dillaにも使われている。でもそういうことを知っていると、それぞれ全く違う聞こえ方がすることにも気づけるんですよね。
大ネタでも、意外と使用されていない部分ってあったりするんですよ。同じネタを使った曲でも全然違う聴かせ方ができるのも、サンプリングの面白さだなと俺は思うんです。だから大ネタを使っても、最終的に自分らしさを出せて、格好良かったら全然ええんちゃうかなと思います。
今回に関しては、単純に原曲がめっちゃ好きだからサンプリングしたというのもあります。リスペクトも込めて、自分らしさが出るような形でビートメイクできればと思って作りました。この「自分らしさが出るように」というところは常に気を遣っているところで、具体的にはネタの使い方、展開や転調の仕方、フリップして揺らす、ドラムパターン、ベース……シンプルに見えて細かいことをやっています。
――確かに、揺らぎやモコモコとした音の質感、ノイズの入れ方などでNICKELMANさんのカラーがしっかりと出ていますね。同ネタ使いの曲とは違う魅力があると思いました。
あと、元々レコードにすることを念頭に作っているので、DJにとって使いやすい曲になることも意識しています。大ネタということは、原曲のサンプリングされたフレーズをみんなが知っていることが多いので、フロアでの起爆剤的役割も果たしてくれるし、DJにとっては(原曲や同ネタ使いの曲と)つなげやすい曲がレコードの溝にあるのは嬉しい。「この曲、こんな感じで使ったんや」みたいなDJやビートメーカー友達との会話が生まれるのも楽しいです。
もちろん、知られていないサンプルを発見するビートメイクの面白さも常に大事にしているし、アルバムを通してのバランスが重要だと考えています。
海外レーベルへのアプローチと今後の展望
――カナダの〈URBNET〉など、色々な海外のレーベルとの繋がりがありますよね。今回の作品もドイツの〈Vinyl Digital〉からのリリースですし。
レーベルのほうから「今年は何かないの?」って聞いてくれるんですよね。そこから聞いてくれたレーベルの要望に合わせて作ることもあるんです。〈URBNET〉だったら「ヒップホップ要素が強いものにしよう」みたいな感じですね。
〈Vinyl Digital〉は元々再発のレーベルで、デジタルのリリースをメインでやっているところなんです。Spotifyのプレイリストへのサブミッションとかも、全部やってくれるのでありがたいんですよね。
しかも、比較的ビートもアートワークも自由にやらせてくれるんです。今回、デジタルのリリースは〈Vinyl Digital〉からなんですけど、フィジカルは自分のレーベルで制作してくれてもいいと言われました。それでヴァイナルとテープはこっちで制作して、ヨーロッパエクスクルーシヴでドイツの〈Vinyl Digital〉でも取り扱うみたいな流れができたんです。
やっぱり少しでも自分のレコードやテープがヨーロッパで流通して、それを聴いてくれるリスナーやDJがいたら嬉しいので、海外から「レコードやテープはないの?」って聞かれたときにどうするか、というところまで考えてから作り始めることが多いですね。
――〈Vinyl Digital〉から最初にリリースした時は、どういう流れで決まったんですか?
普通にデモを送りましたね。そうしたらA&Rの方から「ビート格好良いね」って言われて、トントン拍子でリリースが決まっていきました。海外レーベルって、そういうことが意外と多いんですよ。〈URBNET〉もそうでしたね。
やっぱり自分のビートを広めたい気持ちがあるので、海外のレーベルは常に意識しています。〈URBNET〉のときは流通もFat Beats(ヒップホップ愛好家に人気のウェブレコードストア)だったので、めっちゃテンション上がりました。
――今後何かやってみたいことはありますか?
最近の話で言うと、LAの「THE LOVE SONG BAR」で毎週水曜日に行われているDaddy Kevがオーガナイズするパーティー《Scenario》が日本でも行われるようになって。レジデントDJとしてFumitake Tamuraさんが、第四土曜日に東京のDJバー「Sound Bar Patrol」 でオーガナイズしているんです。LAと日本をつなぐ《Low end theory》の後継的なイベントで、「Compufunk Records」で行われた大阪版に、自分もBunさんに誘っていただいて出演したんですよ。
出演者の皆さんも空気感も最高のパーティーで楽しかったのですが、お話させていただいた際にKevやBunさんのパーティーに対する考え方や姿勢にすごく感銘を受けたのもあって、いつか自分もLAの《Scenario》に行ってみたいなと思いました。間違いなく良い経験になるので、出来るならビートライブもやってみたいですね。
あとはこれまでお世話になった海外のレーベルの人たちに会いに行きたいですね。これまで〈URBNET〉、〈Vinyl Digital〉はもちろん、サンフランシスコの〈Fuzzoscope〉というレーベルのコンピにFREEMANZ PRODUCTIONで参加させてもらったり、フランスの〈beatbiotek〉から2本スプリットテープをリリースさせてもらったりしてきました。サブスクに上がっていない作品でも、NYのレーベルの〈DIRTY TAPE〉からビートMIXをリリースしたり……もちろん、現地でライブもできたら最高です。
――音楽の理想的な広がり方って感じがしますね。
シンプルに「自分の音楽を色んな国の人に聴いてもらいたい」という気持ちが自分のベースにあるんですよ。そういう気持ちで通じ合っていきたい。もちろん、国内でも音楽を通じて友達がたくさん増えました。海外でもどんどん友達が増えて、距離が近くなっていったら面白いと思いますね。
NICKELMAN プロフィール
アナログの質感に拘り、カセットテープやレコードのリリースを続け着実に耳の肥えたリスナーからPROPSを得るレーベル“deepconstruction records”を主宰し、今までに数々のRAP作品やBEAT TAPEをリリース。国内のみならず海外レーベル、URBNET(CA)・VINYLDIGITAL(GER)・DIRTYTAPES(US)・BEATBLIOTEK(FRA)・SichtExot(GER)からバイナルやカセットテープのフィジカルに加え、デジタル作品を発表。現在自身の新しいビートアルバムに加え様々なアーティストとのコラボレーション作品を製作中。
最新作『PLEASURE TRIP LP』発売中!
帯付き限定版(150枚限定)
ダウンロードコード付き
Label: deepconstruction records
Cat.No.: DCR-LP-19
PRICE 3980YEN + tax
Vinyl Digital Europe Exclusive
SIDE A
01.Sunshine & Sea
02.Palosanto
03.Pleasure Trip
04.Lazy Bedroom
05.FoggyLights
SIDE B
01.Warm Village
02.Koko
03.Breezy
04.NauticalDay
05.StarryIsland
トリッピーでエキゾッチックなジャケットアートワークから漂う雰囲気の通り。
NICKELMANによるビートコラージュで構築された音像の旅路を記した航海日記。
心を癒してくれる最高峰の極楽トリップを完全再現した今作。
フリーキーで多種多様なサンプリングソースから産声を上げ産まれる音楽達は自由にリズムを刻み私達を楽しませてくれる。
古ぼけた8mm FILMのサイケデリックなサブカル映画を見ているかの様な展開で流れていくストーリー、夢や幻覚にも似た深い眠りへと誘うループする音の旅路。
・DEEPCONSTRUCTION RECORDS (JP)
https://dcrstore.thebase.in/items/73559231
・VINYLDIGITAL (EU)
https://www.vinyl-digital.com/EXCLUSIVES/Nickelman-Preasure-Trip-VinDig-Exclusive-09553577.html
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