おすすめ旧譜アルバムVol. 90: Victim of Society「On the Run」
旧譜紹介Vol. 90です。
今回紹介するのは、アーカンソーのラップグループのVictim of Societyによる1995年のアルバム「On the Run」です。
Victim of Societyはアーカンソー出身のBlackとGak、Money Greenの三人組ラップグループです。
1995年の本作は恐らく唯一のアルバムで、それ以外では同年にEP「Untitled」をリリースしています。また、1996年にはBig Dankのアルバム「The Hood Has Raised Me」に参加。それ以外は情報がほとんどないミステリアスなグループです。
ブックレットが一枚でどの声が誰なのか判断できませんが、Dr. Dreを思わせるドスの効いたラッパーとMaster P系のイナタいラッパー、程良いゆるさと力強さを持ったラッパーと異なる持ち味の三人組です。サウンド的には妖しくメロウ、ファンキーなものが中心。爽やかにはならずイナタさも抑えめ、メロウでもスリリングな味わいがあります。
本作はスキット含む18曲入りで、その妖しくダークなGセンスが堪能できる快作に仕上がっています。
2. G-Shit
冷たいエレピを使ったシリアスな曲。
ゴリゴリとしたベースやタイトなドラム、ひんやりとした例の高音シンセが印象的な佳曲です。三人のラップとも好相性。
4. Midnight Creep
チープなシンセを用いたダーク路線。
不穏なウワモノにタイトなドラムを合わせたビートで、詰め込み気味のフロウも織り交ぜてしっかりとラップを聴かせる曲です。例の高音シンセも聴けます。
6. Playa Swang
ゆったりとした哀愁曲。
遠くから聞こえてくるストリングスととろけるギター、軽めのドラムを使った郷愁感のある曲です。例の高音シンセに悶絶必至。
8. Hustlas And Playas
本作のハイライトの一つ。
例の高音シンセやゴリゴリのベースを鳴らしたGファンク系のビートで、フックでは男声シンガーのBrian Blackmonが歌うメロウ曲です。三人のラップのGな魅力が活きています。
12. Hustlas And Playas (Remix)
リミックスとありますがかなり違う曲です。
同じくメロウな方向性のビートですが、男声シンガーの歌はフックで入らずラップによるフックです。ヴァースも別テイクで違った味が出ています。
14. B D
スムースなメロウ路線。
ファンキーなベースと妖しいエレピ、手数多めなドラムが印象的な好曲です。抑えめなラップも見事。
17. Victims But The G In Me
女声シンガーのTa-Tanysha Rosbyがフックを歌う曲。
しかし全体のムードとしてはメロウというよりはハードなものです。Gラップでしか味わえない魅力があります。
18. Outro
ラッパー陣は登場しないインスト。
ドロドロのベースに甘くとろけるピアノ、タイトなドラム…とGセンスが溢れ出す極上メロウです。例の高音シンセももちろん使用。
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