2021年おすすめ新譜アルバムVol. 57: Big Pokey「Sensei」
新譜アルバム紹介Vol. 57です。
今回紹介するのは、テキサスのラッパーのBig Pokeyがリリースした「Sensei」です。
Big Pokeyはテキサス出身のラッパーで、Screwed Up Clickのメンバーです。
SUC周辺から90年代に登場。99年には1stアルバム「Hardest Pit in the Litter」をリリースし、その後も00年の「D-Game 2000」や02年の「Da Sky's Da Limit」など精力的に作品をリリース。04年の「A Bad Azz Mix Tape Vol. 3」などミックステープを挟みつつ、08年にはアルバム「Evacuation Notice」をリリースします。以降は客演メインの活動になり、Z-RoやLil KekeなどSUC勢の作品を中心に活躍。マイペースに活動を続けてきました。
The Notorious B.I.G.にも通じる低い声質で、安定感とテキサスらしいコクのあるラップを聴かせるラッパーです。路線的にはSUCマナーのソウルフルなものやバンギンなど。
今作はアルバムとしては13年ぶりとなる作品で、ソウルフルな哀愁曲が中心のオヤGの方にはたまらない傑作に仕上がっています。
1. Piped Up
1stアルバムの空気を現代にアップデートしたようなソウルフル路線。
泥臭いファンキーなベースとコーラスが印象的なビートで、重厚でコクのあるラップを聴かせる燻し銀の魅力が光る曲です。トランペットも哀愁を引き立てます。
フックを歌うDJ X.O.がプロデュースも担当。
美しいピアノをループしたテキサス印の哀愁曲です。DJ X.O.のナヨっとした歌がBig Pokeyのラップにはない味をプラスしています。
4. Mind Made Up Feat. D-Bando & Lil Keke
哀愁系の曲が続きます。
高速ハイハットとピアノ、ファンキーなベースを使ったビートのGな曲です。D-Bandoの少しレゲエっぽいフック、Lil Kekeの鋭いラップもばっちり。
5. Stand The Rain Feat. Chucky Trill
Benny Blancoプロデュース。
ソウルフルな歌のループが光る哀愁たっぷりのビートに、Big Pokeyのどっしりとしたラップが乗る良曲です。ラップと歌の中間のようなChucky Trillのフックも良いです。
6. Diamonds In The Sky Feat. Chamillionaire, Killa Kyleon, Kirko Bangz & Mr. Lee
プロデュースはMr. LeeではなくDonny Domino。
ソウルフルなコーラスと不穏なシンセを使ったビートで、キャラの濃いラッパーが次々と登場する好曲です。Killa Kyleonのキレキレのヴァースがハイライト。
7. I Swear To Tell The Truth Feat. Redimade
Just Blazeが作りそうなワイルドなソウルフル曲。
全体の雰囲気は哀愁たっぷりのテキサスG仕様です。遠くから聞こえてくるストリングスやフックでのスクリュー声に、オヤGの方はソファで泣き崩れるはず。
今作のベストトラック。
暖かいサックスやファンキーなベース、メロウなエレピが効いた哀愁曲です。スクリュー声ネタフックに悶絶必至。
12. Get By Feat. Devin The Dude
Claymakerプロデュース。
Three 6 Mafiaっぽいドラムにピアノやストリングスが絡む、ソウルフルな曲です。Devin The Dudeのゆるゆるな歌フックも絶妙。
13. Change Your Life Feat. Eddie Coke
Mr. Lee制作の哀愁曲。
ピアノやオルガンを使ったGセンス抜群のビートで、Big Pokeyが力強いラップを聴かせる良曲です。Eddie Cokeの熱い歌フックも強力。
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