おすすめ旧譜アルバムVol. 75: Gangsta Blac「Can It Be?」
旧譜紹介Vol. 75です。
今回紹介するのは、メンフィスのラッパーのGangsta Blacによる1996年のアルバム「Can It Be?」です。
Gangsta Blacはメンフィス出身のラッパーです。
1990年代前半にThree 6 Mafia周辺から登場。1994年には1stアルバム「Breaking The Law」をリリースします。その後1996年にはProphetから本作をリリース。以降も1998年の「I Am Da Gangsta」や2001年の「Down South Flava」などのアルバムを発表しますが、2000年代半ば頃からソロ名義でのリリースは減っていきます。しかしその後も客演で活躍し、8BallやMr. Scheなどの作品に参加。さらに2017年にはKingpin Skinny Pimpとのタッグ作「The Mayor and the Pimp 2」をリリースし、近年もシングルを発表するなど現役で活動しています。
低めの声質でイナタいラップを聴かせる、メンフィスG印のラッパーです。路線的にはダークでバウンシーなものやメロウなど、Three 6 Mafia周辺らしいスタイル。タッグ作もリリースしているKingpin Skinny Pimpと近い方向性です。
本作は全曲をDJ Paul & Juicy Jがプロデュースした作品です。Three 6 Mafia的なダークさもありますが、ソウルフルな曲が多くホラーコアというよりGな感触の快作に仕上がっています。曲ごとのクレジットがないので詳細は不明ですが、キーボードでPlaya Gも参加。
3. Powder
ダークな雰囲気のバンギン路線。
妖しいウワモノと不気味な声ネタを使ったビートで、Gangsta Blacのドロドロとしたラップが楽しめる好曲です。Three 6 Mafia寄り。
4. Gettin Real Buck
バウンス定番ネタを使った曲。
しかしルイジアナっぽい陽気さにはならず、メンフィス流儀のダークな空気が通っています。Juicy Jのエグいスクラッチもばっちり。
5. Ain't No Love Feat. Lord Infamous
恐らくPlaya Gが絡んだ曲。
ソウルフルで穏やかなエレピとタイトなドラムが効いた、メンフィス流儀のメロウです。フックでの例の高音シンセに悶絶必至。
6. Down Wit S. P. V.
西海岸やテキサスのGっぽいシリアスな曲。
ヴァースで使われている例の高音シンセの音色が、フックではストリングスに変化するアイデアが光る良曲です。乾いたドラムも印象的。
13. Ain't No Thang (Radio)
本作のハイライトの一つ。
大ネタ使いのメロウ路線です、恐らくPlaya Gが弾く例の高音シンセに、オヤGの方はソファに泣き崩れるはず。
18. Life's A Bitch Feat. Cool "B"
Drake「Jimmy Cooks」の元ネタ。
ストリングスや太いドラム、例の高音シンセを使ったGセンス溢れる哀愁メロウです。Master Pを思わせる仰々しいCool "B"のラップも絶妙。
20. Blaze Up Anotha One Feat. Cool "B"
フックではKingpin Skinny Pimpの声も聞けるバンギン。
チープなストリングスが目立つ妖しいビートで、イナタいマイクリレーを繰り広げる良曲です。Three 6 Mafiaファンの方は是非。
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