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2023年おすすめ新譜アルバムVol. 18: Sunny War「Anarchist Gospel」

新譜アルバム紹介Vol. 18です。

今回紹介するのは、ナッシュビルのシンガーのSunny Warがリリースした「Anarchist Gospel」です。

Sunny Warはナッシュビル出身のシンガーです。

2010年代前半に登場。2013年にはEP「Worthless」を発表し、以降も2016年作「Red, White and Blue」や2018年作「With the Sun」などリリースを重ねていきます。2018年にはParticle Kidとのタッグ作「Particle War」をリリース。その後も2019年の「Shell of a Girl」、2021年の「Simple Syrup」の2枚のアルバムをリリースしています。

軸となっているのはギターやバンジョーを弾くブルースですが、随所でカントリーやゴスペル、そしてパンクなどの要素も混在しています。低めの声質のソウルフルで凛とした歌声も魅力的です。

今作は優しく柔らかな路線を中心にしつつ、アグレッシヴな路線もスパイスのように取り入れたオーガニックな快作に仕上がっています。


1. Love's Death Bed (feat. Allison Russell & Chris Pierce)

アルバムタイトル通りのゴスペルの匂いが漂う曲。

枯れた味わいのギターやオルガン、ハーモニカが印象的な佳曲です。客演の歌声との絡みが美味。


2. No Reason

軽快なドラムが効いたアッパー路線。

この曲もコーラスの入れ方にゴスペル感があります。ギターでグイグイ引っ張っていく様には少しロックっぽさも。


4. I Got No Fight

優しい歌心が沁みるブルース。

枯れたギターや気だるいドラムが効いたサウンドで、クールに歌を聴かせる好曲です。後ろで鳴るアンビエンスも絶妙。


5. Swear To Gawd (feat. Chris Pierce & David Rawlings)

Chris Pierce参加も含め、少し「Love's Death Bed」と近い印象の曲。

ギターやハーモニカと共に集団で歌う暖かいブルースです。後半のハーモニカと歌声の絡みは目覚ましい格好良さ。


7. New Day

今作のハイライトの一つ。

ギターをメインにした音数を絞った作りで、優しい歌声の魅力が染みる良曲です。後半に入ってくる美しいストリングスの使い方も見事。


11. Higher (feat. David Rawlings)

哀愁漂うノスタルジックな曲。

基本はポロポロとしたギターに寄り添って歌う素朴な良さですが、時折歪んだ不穏な音が入ってきます。しかし浮かない不思議なバランス。


14. Whole

ゴスペルの要素が強く出た曲。

ギターの上で歌うこれまでのスタイルを軸にしつつ、ピアノやコーラスなども入れて盛り上がる佳曲です。後半の泣きのピアノで完全にノックアウトされます。

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