2022年おすすめ新譜アルバムVol. 86: P-Lo「STUNNA」
新譜アルバム紹介Vol. 86です。
今回紹介するのは、ベイのラッパー兼プロデューサーのP-Loがリリースした「STUNNA」です。
P-Loはベイ出身のラッパー兼プロデューサーです。HBK Gangのメンバーとしても知られています。
2010年代前半に登場。プロデュースや客演でのHBK Gang周辺作などへの参加を経て、2012年にはミックステープ「MBMGC」を発表します。2013年にはソロ作「MBMGC 2」、HBK Gangでのミックステープ「Gang Forever」をリリース。その後も2015年のKool Johnとのタッグ作「Moovie!」や2016年のソロEP「Before Anything」、2017年の「More Than Anything」などリリースを重ねていきます。そのほかSOB x RBEやALLBLACKといったベイ作品のほか、Yo GottiやBoosie Badazzなどの作品に参加。精力的に活動を行っています。
高めの声質でToo $hortタイプの軽妙なフロウを中心に使いつつ、モダンな歌心のあるスタイルにも挑むラッパーです。プロデューサーとしてはミニマルに跳ねるラチェットやハイフィをメインに、R&B風味のメロウやトラップなども作ります。また、明るくポップなセンスも持ったアーティストです。
今作はラチェットやハイフィをベースにしつつも、声ネタのループやスクラッチを多用して新たな境地を開拓したようなユニークで楽しい快作に仕上がっています。ベイ好きの方は是非。
ビートスイッチのあるパーティチューン。
前半は美しい歌声のチョップに、軽めのクラップやボコボコした低音を合わせた変形ハイフィのようなビートです。後半はどこかコミカルなシンセを使ったラチェット系。スクラッチも絶妙です。
3. Lightswitch
エレピが効いたメロウ路線。
ドラムはハイフィマナーの軽快なもので、メロウですがベイ印の楽しさは健在です。ここでもスクラッチが肝。
ブリブリのベースが目立つラチェット経由のGファンク。
Larry Juneに合わせたようなメロウなシンセも入れつつ、スクラッチや808の連打などP-Loの色もしっかりと出した佳曲です。二人の対照的な声質の相性もばっちり。
Michael Sneedが歌いまくるメロウ曲。
ソウルフルな歌声をチョップして軽快な808に乗せたビートで、メロディアスにラップや歌を聴かせる好曲です。P-Loの声がちょっとDrakeっぽく聞こえる瞬間も。
6. The Roof Feat. Too $hort & Michael Sneed
ミニマルなラチェット路線。
ゴリゴリのベースや跳ねるようなドラムが楽しいビートに、二人のゆるいラップが絡む良曲です。Michael Sneedのハイテンションなラップもばっちり。
ブリブリのベースを前面に出したGファンク。
ウワモノはメロウでラップも歌心のあるスタイルを披露しており、全体的にはソフトでGセンス溢れる仕上がりです。スクラッチでToo $hortの例の声ネタも入ります。
「Stunna Anthem」前半と通じるノリの曲。
歌声をフリーキーにチョップして軽快な808を合わせ、さらにメロウなシンセも使って味付けした楽しい曲です。Kamaiyahのメロディアスなラップも見事。
9. Goes Well Feat. Michael Sneed
R&B風味のクールなメロウ。
トラップとは違うダーティさがある808が美しいピアノと自然に噛み合ったビートで、Michael Sneedがスウィートに歌い上げる佳曲です。アウトロでのストリングスも絶妙。
12. Again Feat. E-40 & LaRussell
ボコボコした低音が主導するハイフィ。
フックで笛のようなシンセが入ってくるくらいで、ほぼドラムのみで聴かせるスカスカな曲です。E-40のトリッキーなラップが強烈。
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