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2024年おすすめ新譜アルバムVol. 47: Blu & Shafiq Husayn「Out of the Blue」

新譜アルバム紹介Vol. 47です。

今回紹介するのは、西海岸のラッパーのBluとプロデューサーのShafiq Husaynがリリースした「Out of the Blue」です。

Bluは西海岸出身のラッパーです。Shafiq Husaynはオハイオ出身のプロデューサーで、西海岸のプロデューサーチームのSa-Ra Creative Partnersのメンバーとしても活動しています。

Bluは1990年代半ば頃、Shafiq Husaynは1990年代前半に登場。二人とも2000年代半ば頃に注目を集め、J Dillaとの共演などを行ってきました。2009年にはShafiq Husaynのソロ作「Shafiq En’ A-Free-Ka」収録の「Major Heavy」にBluが客演。その後2013年のBluのソロ作「York」にもShafiq Husaynが参加し、2018年には二人でタッグ作「The Blueprint」をリリースします。今作は二作目のタッグ作です。

Bluは鼻声気味の声質でタイトなフロウを聴かせるラッパーで、サウンド的には主にブーンバップ中心の音楽性です。ゆるい歌を披露することもあります。Shafiq Husasynはブーンバップ的なビートも作りますが、エレクトロファンクやアフロビート、ネオソウルなどの要素も持つプロデューサーです。

今作はブーンバップフレイバーのあるエレクトロファンクのようなものが中心の、Bluの音楽性に沿いつつも刺激的なサウンドが楽しめる快作に仕上がっています。G好きの方も是非。


1. LA 2020 (feat. Exile)

ブギー的なシンセをループした曲。

ドラムはブーンバップ的な鳴りとグルーヴで、見事にBluのカラーになっています。フックはExileによるスクラッチ。


2. CA All Day (feat. VCL Tha Moslem)

レイドバックしたブーンバップ。

酔っぱらったようなドラムと男声コーラスのループが印象的なビートを、Bluがタイトなラップで巧みに乗りこなした良曲です。途中で入ってくるシンセは若干Gな味。


4. I'm G (OMG) (feat. Born Allah & Chuuwee)

今作のハイライトの一つ。

ビリビリとしたシンセとJ Dilla影響下にありそうなドラムが効いたビートで、実力者たちがマイクリレーを聴かせる佳曲です。未来的ファンク。


7. We Bang (feat. M.E.D., Thurz & Yah-Ra)

よれ気味Gファンク。

J Dillaファンの方にもBattlecatファンの方にも聴かせたいようなビートですが、乗るラップはタイトなスタイルです。フックの歌にもPファンクの匂いがします。


9. West Coast (feat. Imani & Iman Omari)

タイトルにもある西海岸のイメージ通りの曲。

LAビート文脈のドラムの質感やグルーヴを備えつつ、スペイシーなシンセやIman Omariの歌などで華やかに仕上げています。Imaniのヴァースの入りもお気に入り。


11. Roll Up (feat. Donel Smokes, Jimetta Rose & TiRon)

リラックスしたメロウ曲。

透明感のあるエレピやベースが心地良く聴けるビートで、Jimetta Roseのソウルフルな歌とラッパー陣の絡みが楽しめる好曲です。TiRonのヴァースがやたら短いですが強力。


13. Out of the Blue (feat. Ayun Bassa, Jo Roq, Propaganda & Ta'Raach)

Pファンク直系のエグいフックがインパクト大な曲。

ビート的には骨太ドラムとクリアなシンセを使った、エレクトロニックなブーンバップです。力強いラップで一番手を飾る主役のヴァースがベスト。

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