2023年おすすめ新譜アルバムVol. 93: Cisco Swank「More Better」
新譜アルバム紹介Vol. 93です。
今回紹介するのは、NYのプロデューサー兼ラッパーのCisco Swankがリリースした「More Better」です。
Cisco SwankはNY出身のプロデューサー兼ラッパーです。
2010年代半ば頃に登場。初期はFransisco Haye名義で活動し、2016年にはEP「Book of Prophet」を発表します。2020年にはTobias KellyとのEP「Pursuit Of」をリリースし、2022年にはLuke Titusとのアルバム「Some Things Take Time」をリリース。ソロアルバムのリリースは今作が初となります。
ピアノやギター、ベースやドラムなど複数の楽器を弾くマルチミュージシャンとしての側面も持っています。作風的にはブーンバップ系譜のヒップホップとジャズを横断しつつ、ネオソウルやインディロックなどにも接近するようなスタイル。ラッパーとしてはEarl Sweatshirtあたりに通じる呟くようなラップや、ソウルフルな歌なども聴かせる多才なタイプです。
今作はジャズとヒップホップの中間を行ったり二つを行き来したり、時々脱線したりもする自由なサウンドが詰まった好作に仕上がっています。現代ジャズ好きの方もヒップホップ好きの方も是非。
2. Until (feat. Malaya & Morgan Guerin)
Malayaがソウルフルに歌う明るいムードの曲。
Morgan Guerinのサックスもフィーチャーするなどジャズ要素の強い曲ですが、ドラムは現行トラップのそれです。Cisco Swankのヴォーカルもばっちり。
4. Home
ネオソウル寄りの穏やかな曲。
J Dilla系譜のよれ気味のドラムや美しいピアノ、透明感のあるシンセが効いた優しい曲です。全編歌モノ。
6. All The Same
ちょっとSteve Lacyあたりにも通じるインディっぽい匂いがする曲。
小気味良いギターやベースを用いたサウンドで歌い上げる、普遍的な良さのある曲です。後半のピアノをフィーチャーした展開が美味。
9. Changes (feat. Laura Elliott)
素朴なフォーキー路線。
途中でシンセも入りますが、基本的には優しいアコギやピアノをメインにした曲です。Laura Elliottの包み込むような歌声との相性も見事。
11. Over Now
よれ気味のドラムが印象的なヒップホップ路線。
ソウルフルな歌も聴かせますが、ラップも多く披露しています。ジャジーに動くベースやピアノも絶妙。
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