2024年おすすめ新譜アルバムVol. 24: Ocean x KungFu「WGFU」
新譜アルバム紹介Vol. 24です。
今回紹介するのは、アトランタのラップデュオのOcean x KungFuがリリースした「WGFU」です。
Ocean x KungFuはアトランタ出身の姉妹ラッパー、OceanとKungFuによるラップデュオです。
StaiiBabiiも交えた三人組ラップグループ、Hollywood Dollzとして2010年代半ば頃に登場。初期はOceanはFamous Oceann、KungFuはHollywood Voni名義で活動しています。Hollywood Dollzでのシングル「Big Ole Flex」を2016年にリリースした後、2019年頃からデュオとしての活動を本格化。「Get Active」や「Savage」などのシングルをいくつかリリースしています。アルバムやミックステープとしては今作が初となる新進デュオです。
TrinaやCity Girlsなどを思わせる、南部マナーのバイブス高めなラップデュオです。歌うようなフロウも自然とこなすところは2010年代以降のスタイル。路線的にはトラップが中心ですが、ラチェット的なものやメロウなども取り入れています。アトランタですがフロリダっぽくもあるビート選びです。
今作はデュオ初のアルバムで、クラブバンガー中心でメロウも充実した良作に仕上がっています。南部ヒップホップの旨味が堪能できます。
1. WGFU
Cardi B「WAP」的な声ネタを執拗にループした曲。
しかしこちらの方が声ネタが元気です。ボコボコした低音が効いたビートに乗るラップが楽しい好曲。
Trinaがフックでラップするラチェット路線。
シンプルなシンセのループとバウンシーな808を使ったビートで、Trinaによるアクの強いフックを挟んでラップする良曲です。Hitmakaもソングライターとして参加。
この曲にはプロデューサーとしてHitmakaが参加。
大ネタ使いのメロウなビートで、男声シンガーのKB Mikeがフックを悩ましく歌う曲です。2000年代南部ヒップホップ的な味わい。
涼しげなギターが心地良い曲。
客演のCalboyのメロディアスなラップスタイルに合わせたのか、Ocean x KungFuの二人も歌心のあるフロウを披露しています。エモーショナルな佳曲。
6. Last Time
DJ Montayも関わった曲。
R&B的な哀愁漂うトラップビートで、歌うようなフロウも交えて寂しげにラップするメロウ路線です。ハイハットの細かさがお気に入り。
メンフィスものっぽいクラブバンガー。
シンプルなピアノループと手数の多い808を使ったビートで、シンプルにラップを乗せていく曲です。奇妙なSEも印象的。
8. One More Time (feat. Jeremih)
今作のベストトラック。
Bankroll Got ItやDiego Aveが関わった爽やかなメロウ曲です。Jeremihのスウィートな歌声に悶絶必至。
11. Lay It Down
Hitmaka絡みのパーティチューン。
ブリブリのベースやバウンシーな808が効いたラチェット風味の曲です。目立ちすぎないストリングスの入れ方も見事。
13. M.A.B.
アトランタヒップホップ名曲をサンプリングした曲。
フックでのコール&レスポンスも楽しい、アトランタの旨味が詰まったクランク系の曲です。ハイプマンも入って盛り上がります。
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