2022年おすすめ新譜アルバムVol. 6: Armani DePaul「Milk Boy Chronicles」
新譜アルバム紹介Vol. 6です。
今回紹介するのは、ベイのラッパー兼プロデューサーのArmani DePaulがリリースした「Milk Boy Chronicles」です。
Armani DePaulはベイ出身のラッパー兼プロデューサーです。
2000年代半ば頃に登場。2010年代前半から活動を本格化させ、ミックステープの発表やLivewire周辺作品への参加などを行います。2014年にはDJ.Freshとのタッグ作「The Morning Show」をリリース。以降も2015年の「All Fair Love & War」やコンピレーション的な「Run the Streets」シリーズなど、多くの作品を発表しています。
低めの声質で重厚なフロウや歌心のあるフロウを聴かせる、柔軟なラッパーです。プロデューサーとしてはメロウやラチェットなどを作ります。ラップ・ビート共にベイらしい魅力を持ったアーティストです。
今作はメロウやバンギンなどGな匂いの強いサウンドで、Mozzy的などっしりとしたフロウを聴かせる好作に仕上がっています。Too $hortの声ネタを多用しており、ベイ好きの方ならニヤリとする瞬間が多数あります。
1. Ministry of Finance (Intro)
ベイ産のネタを使った哀愁メロウ。
早回しされた歌や控えめに鳴る例の高音シンセが切なく響き、現行ウェッサイマナーのドラムが引き締めた良曲です。Gなラップもばっちり。
2. Rather Give You My Feat. DB. Boutabag
ブヨブヨのベースが効いたハードなGファンク。
ゆるい歌フック(Armani DePaul本人?)と緊張感漂うビートのギャップが良い佳曲です。DB. Boutabagのイナタいラップも好相性。
細かいギターをループしたバンギン路線。
犬が吠える声やToo $hortの声ネタが奇妙な味を出したビートで、Young Slo-Beのウィスパー系オフビートラップを引き立てた好曲です。今作のハイライトの一つ。
G好きの方はまず曲名で反応するはず。
ビートもアレのネタ使いです。現行ベイ流儀のドコドコとしたドラムを合わせ、Too $hortの声ネタも入れた楽しい仕上がり。最後の方ではちゃんとアレも歌ってくれます。
7. All You Need
南部G(同?)ネタが続きます。
哀愁漂うストリングスのループをブリブリのベース、軽めの808でしっかりとベイ流儀に落とし込んだ哀愁曲です。ここでもToo $hortの声ネタが登場。
12. Dream Girl Feat. Beachboylos
シリアスなGファンク系の曲。
ブリブリのベースと例の高音シンセを使ったGの匂いが濃厚に漂うビートで、シンガーのBeachboylosがフックだけではなくヴァースも歌う好曲です。Armani DePaulも歌心のあるフロウを披露。
13. Night & Day Feat. Beachboylos
同じ客演を迎えた同じGファンク路線。
しかしこちらは明るい印象です。メロウなエレピや早回しの歌を巧みに使った優しい曲に仕上がっています。
17. Sound Good
今作のベストトラック。
メロウなエレピや神々しい早回しの歌が効いた穏やかなビートに、寂しげでいて力強いラップを乗せていく曲です。いかにもベイらしいフロウが沁みます。
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